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架空神話  作者: こいかわぎすけ
南部神話
1/3

創世


太古の世にて 

虚無より出でし 醜きスヴェントヴィト

岩と氷を見出した


冷たき岩に 孤独なスヴェントヴィト

いぶき を吹きかけ 熱を与えた


岩の奥 秘められし火

熱に魅かれ躍り出た


火により光が知られ

明暗が分かたれた


岩は砕け 氷は溶け

地が 天が 定まった 


熾った赤き火は消えず

火の中より 白いベロボーグ

火の底から 黒いチェルノボグ

二柱の神が現れた


ベロボーグ チェルノボグ

麗しき黒白の妻夫を 醜きスヴェントヴィトは羨んだ


己もともがらを得んとし 彼は目に付く全てに いぶき を与えたが

氷も 岩も 泥も 神を生まず

また異なる神が顕れることはなかった


それでも スヴェンヴィト

火に魅かれ いぶきを与えようと 

愚かにも火に近づいて 炎に巻かれ燃え上がった


焼けるスヴェントヴィト 

その暗い かけら が 光の傍に影として焼きついた

焼けるスヴェントヴィト 

熱さに耐えかね氷を抱え 汗と涙から海を作った


ついに倒れたスヴェントヴィト

泥で汚れた水底へ落ちて ようやく火が消えた


ベロボーグ チェルノボグ

燃え尽きたスヴェントヴィトに驚いた 


二柱はスヴェントヴィトを

水底より起こしたが 燃えたスヴェントヴィトは 砕け散った

スヴェントヴィトは滅びたが 数多の事が起こった


頭から 言葉が出来た

眼から 月と太陽が生また

鼻から 小月が生まれた

歯から 星が飛び立った

肉から 島や大陸が生じた 

心臓が止まり 時が動き出した

最後に骨が砕け いのち が生まれた


こうして世界は始まった


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