泣く猫耳少女の願いは断れねぇ!!(泣)
楽しんでいただけたら幸いです。
今回は量少な目。
暖房の力でぬくぬくになった部屋の中でぬくぬく書いた作品です。
部屋でぬくぬく読んで下さい。
「た、、、すけ、、て、、、ド、、ラゴンを」
そう言い残した猫耳少女はガクッと俺の腕の中で抱えられながら失神する。
「え?大丈夫?」
揺すってみたものの、反応が全くない。
「え、、、」
エエエエエェェェェェェェェエ~~~~~~~ドラゴンってなにぃぃぃいいい!!!!!
そこで失神する!?そりゃ確かに、こういう事もあるかな~とはおもってたけどさっ!そんな話の切り方があるか!めっちゃいいところでCM入れるドラマみたいでストレスぅぅぅ!!
、、、いや、まぁそれは良いのだ!そうだとしてもどうするの?今まで作ったの攻撃魔法だけなんですけど!この娘に話聞くにも、起こせないし、、、これって、、、回復魔法作らなきゃダメ的なサムシングなのか?
猫耳少女少女の顔を見る。
俺の顔がほころぶ。
うん、可愛いな。
ケモナーでもない俺が言うんだから間違いない。
「はぁ、、、しゃあないか。やるか」
別に魔法制作は苦でもないしな。逆に、作ってる方が異世界満喫してる感があって好きだからな。
ステータス!
あれ?
スキルの欄に『発動中』のマークがペカッペカッと輝いていた。
不思議に思いタップしてみると、『才能開花』のスキルで『魔法制作の才能』が未だに発動していることが分かった。
「え!?これって3、40分前ぐらいに発動した才能じゃなかったっけ?」
スキル詳細に書いてあった[短期間だけその才能を強化]という文はどこへやら。でも、あのおっさん(神)の事だしまぁ、こんなもんか。
、、、ていうか、このスキル、使い方によっては白兵戦とか最強なんじゃ、、、いや!そんなことより先ずはこの猫耳少女を助けなきゃ!
んまぁ、息まいてみたものの回復魔法なんてな~~想像つかないよな。俺が元居た世界に魔法なんてないし、手術とか言ってもどうやって何をしているのかなんて知らないしな。ラノベの回復魔法みたいに『神の加護』とか言ってもピンとこないしなぁ。
あ、そうだった。『魔術製作』ラノベとか漫画とか想像すれば魔法出来るんだった。
漫画の回復魔法での回復シーンを想像してみる。ホワッ~~、って光るやつ。
ピヨンッ!
お、出来たか!ではさっそく、ステータス!
魔法欄にnewのマークが付いていた。
ピーッ
『【魔法4:属性・聖】を常時使用可能にしますか?yes、or、no』
「yes」
さっそく猫耳少女に使ってみた。
傷の部分の真上5センチの部分に傷を覆うように手を形作る。
少しばかり自分の手に力を籠めると、さっきイメージしたような、ホワッ~~、とした光が猫耳少女の傷を包み込む。
力を抜くと、光はスゥッと消える。猫耳少女の腕にあった傷がキレイさっぱり無くなっていた。
「、、、う~~~ん」
しかし、その治癒された範囲はおにぎり1個分と非常に狭い範囲での治癒でしかなかった。それ故に素直には喜べなかった。
「こんなんじゃ日が暮れちまうだろ」
小さい少女とは言え、おにぎり一個分の範囲だと数十分かかってしまうぞ。
『俺は力を込めた。猫耳少女の傷は治った。』の繰り返しになるってことだ、それは申し訳ないだろ。前世の人の異世界の異世界の憧れをクシャクシャに丸めてポォイ!するようなものだ。
うん、別な治癒魔法を作ろう。
「あ、そうだ。『才能開花』って、多重掛けできなかったっけ?」
ステータス!
『才能開花』のスキルの説明欄を読み直すとそこには、多重掛けOKと書いてあった。
「『魔法製作の才能』、『アイデアの才能』、『回想の才能』!」
『才能開花』の欄を確認すると、『魔法製作の才能』×2、『アイデアの才能』、『回想の才能』が発動中だった。
「よしっ!考えよう!」
ズワァァァァァァアアアアアアアアッッッッーーー!!!!!
「うぐぅぅ、、、っ!」
脳の中に過去読んだラノベの一言一句、漫画の登場人物がどんなポーズで何を言っていたのか、それをいつ読んだのかどのような状況下で読んだのか何を考え読んだのか、テレビなどのメディアで見た情報。それらが膨大な情報となって脳にのしかかってきた。いや、この感覚は脳の奥底から湧き出ると言う表現の方が正しいのかもしれない。
瞬間的に冷汗が滝のように流れ出る。しかし、これもまた瞬間的に汗が引いていく。
知恵熱だった。
ピヨンッ!
ステータス!
魔法欄にnewのマークが付いていた。
ピーッ
『【魔法5:属性・無】を常時使用可能にしますか?yes、or、no』
『才能開花』にこんな副作用があるなんて( ´Д`)=3 フゥ
いや、説明に書いとけよ
「、、、yes」
手に力を籠める。
猫耳少女の身体全体が光に包まれる。
なんか神様っぽいな、あんなおっさんよりも絶対に。猫耳少女神様。
光に包まれた後、猫耳少女は所謂、全回復の状態になっていた。
「んっ、、、」
猫耳少女が目をギュッと瞑り口をもごもごさせ始める。
「おい、起きたか?」
猫耳少女が目を半分開けて、まだ半分夢の中に片足突っ込んでいる状態のようだ。
やがて猫耳少女の意識がはっきりしたらしく、ハッと眼を開き俺の顔を見て驚き、抱かれていた腕を全力でほどき、地面に座る。
俺に抱かれていたのがそんなに嫌だったか、、、(´;ω;`)
「、、、すい、、ません」
「え?何に謝ってるの?」
「、、、すい、、ません」
猫耳少女はうつむいて小声で時々詰まりながら言う。
さてはシャイガールだな。せっかく可愛い顔をしているのに勿体ないな。
猫耳少女との間に微妙な出来れば身を置きたくない空気が流れ始める。
「あ、どう?怪我の調子とか、大丈夫?自作の魔法使ったんだけど、、、」
「、、、自作、、、」
何故か猫耳少女は『自作』という言葉に反応した。
猫耳少女は思いをはせているのか一転を見つめてボーっとし始めた。
「えと、、、」
「っはい、、大丈夫です、、、、それより、、私に魔法なんて、、、ありがとうございます」
この言い回し、、、この世界に差別あったっけ?あ、イッケネ!興味ある情報しか除いてなかった。
そういう情報が人からの見られ方を左右するからな。ほら、人に言われると嫌なこととかみたいに知らずに差別用語使ってしまうみたいな事があってもおかしくはないからな。今度から情報見るときは気を付けねば。そうは言っても面倒だから見ないのだろうけど。
「えっと、、、この世界って、人間と獣人で差別とかあったりするん、、、だっけ?」
猫耳少女はやっと顔をこちらに向けてくれた。が、その顔は『え?そんなこと知らんの?』と言わんばかりのキョトンとした顔だった。
「、、、はい。昔、人間族が獣人族を奴隷としていました。そこで革命が起きて獣人国が設立され、人間と平和条約を結んだのです。しかし、、、っ!、、、」
オタクが好きなアニメをついうっかり話し込んでしまったみたいな一方的に気まずい空気が流れる。
「なんか饒舌だったね?歴史とか好きなの?」
「いえっ!」
また俯いてしまった。
「いや、別に悪いことだとか言ってないよ?むしろ良い事でしょ?」
「、、、」
あれ?反応がないな。励ましたつもりなんだけど、、
「それよりさっ、さっきの話の続き聞かせてよ」
「、、、はい。、、、そ、、れで、、、、、、」
「どうしたの?」
「あの、、、その、、、どこまで、、話したか、、、」
「人間と平和条約を結んだ、所まで」
「、、、すいません」
何かこの猫耳少女と話してると時間がゆっくり流れるみたいな、、、ていうか、じれったいな。
「平和条約を結んだとしても、未だに昔からの風習で奴隷扱いしている地域や、実際に奴隷として扱っている地域はまだあります」
成程。悲しいかな。科学技術や生産技術がこの世界より遥かに上回っているであろう前世でも差別が残っている。
「悲しいな。でも、どうしようもないな。差別は武力で正すことはできないからな、それに、差別なんて心の弱みそのものだからな」
「、、、はい」
、、、臭っ!やべぇ、チョー臭いこと言っちゃったな。
でも、さっきから何で猫耳少女がオドオドしてるかやっと分かって良かった。純粋に嫌われてるのかと思った。
「あ、俺差別とかしてないから。信用できないかもしれないけどさ」
「、、え、、、」
猫耳少女がまたこちらを見てくれた。今度は、どことなくウズウズしたような顔だった。
「あ、そうだ。お腹減ってない?」
この世界に来る前におっさん(神)(自称)からもらった弁当と水筒を前に出して猫耳少女に見せる。
猫耳少女はコクンコクンと肯定するように首を振る。
弁当箱を入っていた袋から出し、猫耳少女の前に置く。
蓋の部分がコップになっているタイプの水筒だったので、蓋コップに水筒の中身を注ぐ。
水筒の中からは心地のいい緑色をした緑茶が流れてきた。
あのおっさん本当にいいチョイスするな。
「はい、どうぞ」
緑茶が注がれたコップを弁当箱の隣側に置く。
「先ずは、お茶で喉潤した方がいいよ」
また猫耳少女がキョトンとした顔をする。
あれ?おかしい事なんか言った?
「え、、と、、、どれが、、おちゃ?、、、なんですか?」
あ~~、そっか。こっちにお茶ないのか。あ!それじゃこの今水筒に入ってる分が俺にとってのラストお茶!?マジか~、猫耳少女にあげるのちょっと惜しかったかもな~でも、提供した手前申し訳ないしな~
「そのコップに入ってるのがお茶だよ」
そう言って俺は緑茶の入ったコップを指差す。
「、、では、、、いただきます、、、」
そう言って猫耳少女は緑茶を飲み始めた。
ゴクゴク
ブーーーーーーーッ!!!
猫耳少女が盛大に緑茶を吹いた。
「えええええ!!!!」
余りにも考え付かなかった光景が目の前に広がったせいで、つい心の叫びが声になってしまった。
「こ、、これって、、、回復薬じゃ、、、ないですか」
はい?緑茶=回復薬?
試しに水筒から直接飲んでみる。
ちょっと渋めの緑茶だった。
「え、普通じゃん」
こっちの世界の人には合わない風味だったかな?まぁ、確かに、最初っからこの渋さだと驚く、、かな?
てゆか、お茶ウメェな。
「こ、、、これが、、普通?」
猫耳少女が何か真面目に考え始めた。
そんな考え込むほどの渋さだったか。
ていうか、おっさんからそんな話聞いてなかったんだけどな。
ステータス!
う~~んアイテム欄とかも無いからな~
あ、おっさんからのメッセージになんか書いてないかな。こっちに来た時にほとんど全部流し見しちゃったからな。
あ、あった。え~と、『その水筒に入ってるのは神茶の新茶だよ。これの面白いところはね、君が今いる世界の回復薬と同じ効果があるってことなんだよね。でも、味は君が知ってる緑茶と全く一緒なんだよね。だから、その神茶でちょくちょく日本思い出してね。因みに、水筒の中身無限だから。因みに因みに、初めのの駄洒落じゃないよ?』
猫耳少女に申し訳ないことしたな。そんなことより、こっちの世界の回復薬は緑茶味なのか。何か変なとこで日本感出してくるな。てか、無限なんだ。なんか有難み薄れるなぁ。少ししかないから大事にする的な方がいいのに。ほら、不死人が自分を大事にしなくなるみたいな話よく見るだろ?それに、もう回復魔法『魔術製作』で作ちゃったから、このお茶日本思い出す以外に方法が思い浮かばねぇ。
「あの、、、私の村に、、ドラゴンがいます、、ので、、、その依頼を、、」
「まぁ、その話は後で聞くから、その前にそのお弁当食べて」
「あ、、、はい」
そう言えば、まだ猫耳少女の途切れながらの喋り方治らないな。まだ警戒してるってことか。
パカ
お弁当を開けると、滅茶苦茶に完成度の高いキャラ弁が入っていた。
おっさん、、、これだけ何故クソチョイスなんだ、、、
猫耳少女は一生懸命お弁当を食べ進める。
にしてもホントに可愛いな。
銀髪のサラサラのロングヘア、赤味掛かってキラキラした大きな目、まだ何にも汚されていないような白くてスベスベの肌、まだ成長期前のまな板な胸、どれをとっても可愛い。
え?ロリコン?何を言っているんだ?俺は、スレンダーで妖精のようで美しいと言っているのだ。そう!俺は、スレンダーな女性が好きなだけだ!!
うん、食べてるのも可愛いな。
頑張って食べている姿がハムスターみたいだな。
閑話休題
目の前で繰り広げられている可愛らしい光景に思いをはせていると、猫耳少女がお弁当を食べ終わった。
「飲む?」
俺は、そう言ってお茶をコップに注ごうとすると、猫耳少女は全力で首を横に振った。少女の綺麗な銀髪が近代芸術みたいになった。
仕方ないので、差し出したお茶は俺が飲むことになった。
「んで?依頼って?」
「、、、ドラゴンを倒して、、ください」
「ドラゴンて、あの翼が生えててどんな原理か分からないけど炎を吹いてくる奴?」
「、、、、、はい」
う~~~~ん、無理だ!どうせ、ドラゴンは高位のモンスターだ!、とか言って強いんだよなぁ、この流れだと。ドラゴンなんて激強の老騎士に切り刻まれとけばいいんだよ。それに、さっき作った風魔法なんて傷すら与えられないだろ?所詮木切り倒せるぐらいの威力だしねぇ?逆にそんな威力の魔法で倒されるドラゴンなんて見たくないよ?
「どうか!どうかお願いします!その村には、私の大事な人がいるんです!」
いや、そうだとしても、、、、ていうか、、、、大事な人ってどっちの意味!?大事な人って二つの意味がある。家族などの親族の類、それと親しい隣人や恩人そして、、、好きな人や彼氏!!!!前者の『like』とは違って後者の『love』の意味だって、全然あり得るってわけだ!!
な、なんだってぇ~~~!!?自分で考えて自分で驚いてしまった。
いや?ちょっと待て、たしか、獣人はレベルで見た目が変わるなんていう設定のラノベがあったな。
ヌヌヌそうだとしても!そうだとしても!そうだとしても?そうだとしても、、、?あ、なんでもないな。
この感覚は、アイドルを可愛いなとは思うが、心の表層部をかすめることも無い程、好きになれない気持ちとそのままだ。
アイドルなんて同じ地面に立っているとは思えないほどの、別次元、ベクトルが違う存在に応援なんてする意味も感じられないし、ましてや恋にまで至るのに関しては本当に分からない。
まぁ、もっと簡単な極論言うと、二次元の中の少女とは付き合えないだろ?
そういう点での不可能性はないがアイドル並みに可愛い、こういう少女は金持ちに貰われるんだぁ、と常々思う、、、
「助けてください!」
「おっ、、あ、おう」
あれ?俺今何て言った?
「、、ありがとう、、ございます」
猫耳少女が土下座する。詰まる言葉は震えていた。
『今のは勘違いだ!』なんて言えないな!!!(涙)
すぐに猫耳少女の顔を上げさせる。
案の定、猫耳少女の頬には涙が通っていた。
「ま、まかせろぉい!!」
異世界ぃぃぃいいいい!!!!!もっとイジーモードでお願いしまぁぁぁあああす!!
最後のってあれだよね?サ〇ーウォーズだよね?
なんか勉強って全然身に付かなくて何のためにやってるか分かんなくなるよね。まじ、大学受験の直前だけどな勉強すればよくね、って思う。