スキル確認とボロボロの猫耳少女
今回もほにゃふにゃ、っと作り上げた一話です。
ですので、ほにゃふにゃ、と気軽に読んでいただければ幸いです。(*- -)(*_ _)ペコリ
ひゅぅぅぅ~~~~、、、、
体の周りを風が駆け抜ける。もう少しで風になってしまいそうだ。
俺は瞑っていた眼を開ける。
そこに空がない事を願ったが、空の青色は未だに健在だった。
「夢じゃねぇぇぇぇええええええ!!!!!!!」
~~~~少し前~~~~~
トンッ
眼をつぶれと言われて瞑っていた眼をその拍子に開けると、そこには、空があった。
あっっるぅえ~~???さっきまで和室に居たはずなのになぁ?
この時から時間がゆっくりと流れ始めるように感じた。
これはどういうことなのか『神』を名乗るおっさんに確かめるため、ていうか、反射的に衝撃があった方に顔を向ける。
そこには『神』のおっさんのに清々しいやけ顔があった。
そのにやけ顔の横にはグットラック!と言わんばかりのグッドマークが輝いていた。
その途端、すべてを察した。
何故、異世界に転移する為に目をつぶらせて移動させたのか。
何故、急にお弁当箱を渡されたのか。
「ゥエェェェエエエエエエエエエエエエ!!?!???!??」
全てを察した上で、叫びながら落ちていった。
宙に浮くその、僕が飛び出した襖からおっさんが顔をヒョコッっと出して何かを言っているのが見えたが、やけくそで叫んでたせいで何にも聞こえなかった。
何か重要なことだったらどうしようと思いもしなかったが、まぁいいやってなったのでどうでもよくなった。
そのまま俺は叫びながら落下していった。
~~~~~~~~~~~~
「普通、異世界転移って召喚だよねぇぇぇぇぇ!?」
届くはずも無いが、おっさんに向けて叫んでみる。
「光に包まれて、ホワワワ~~みたいな感じじゃダメなんですかぁぁぁぁ??」
叫ぶ声は、跳ね返ってくることなく空しく消えていった。
「ていうか、この弁当邪魔だな」
今俺の体制はおっさんから貰った弁当を抱える形で、背中を地上に向けて落ちているといった感じだ。
最初は顔を地上に向けて落ちていたのだが、雲などのせいでハッキリとは見えないので、上を向いて落ちると言うもうできないであろうことを満喫することにした。
これが意外と気持ちいのだ。
元居た世界とは違うと脳では理解しているのだが、心が『衛星に一番近づいてる』と言って、興奮して仕方ないのだ。手を伸ばせば、もう少しで届きそうと。
フサァァーーーー
今まで、落ちてきた中で一番厚い雲にフワリと包み込まれる。
それを抜けて、雲の大きい層が目に入ってきた。
気になって地上をちらりと見てみると、地上が見えるようになっていた。
体制を変えて、地上を眺めることにした。
風圧でしっかりと目を開けてられなくて、ハッキリと確認できないのだが村のようなものが結構な距離を開けてぽつぽつと存在してその村々の丁度良い距離のところに道が通っていた。村々は深い森に囲まれており、遠目から見ても元居た世界の建造物よりもその村々の家は木製でもろそうだった。その様はおっさんに貰った異世界の情報通り中世風の雰囲気だった。
そんな事を考えているうちに、地面がじりじりと近づいてくる。
ん?地面?あれ?
「あ」
これってどうやって着地するの?
早くも第一のミッションの登場だった。
あ、そうだ。『絶対防御』があるじゃん。えと、どうやってステータス開けるんだっけ?あ、そうだ。
「ステータス!!」
、、、、あれ?出ないじゃん!!?
「ステータス!ステータス!!」
やっぱり出ないんですが!?
いや、『絶対防御』が作動しないと最悪死ぬよ?こんな高度から落とされたら、もう、あれでしょ?ぐちゃぐちゃでしょ?原型も残らないんじゃないか?
う~~~ん、やっっばい!
「クソッ!やっぱりあんなおっさんの事信じなければよかったぁ!あんな奴絶対、神じゃないんだよ!最初っから怪しいと思ってましたぁぁ!!けど、抑えきれない異世界への憧れがそうさせました、とさ!」
極度の緊張とはちゃっけで俺の頭はどうかしていた、そんな気がした。
いや!そんな事考えている隙はないんだ!何てったって、これで異世界転移の始まりが死で終わるのか、華々しく困難を乗り越えるのかでこれからが分かれていく気がする!だって、0か100みたいな状態だぞ?もうこんなチャンス貰えるはずがないんだぞ!
「あ~~クソッ!童貞卒業できないままこっちこさせられてこっちでも出花くじかれて童貞とか言ってる暇ないじゃん、、、あぁ~~ヤりたかったな~」
気はまだ助かろうとしているのに、脳がもう半分、いや、希望が入る隙間を残さないくらいに絶望が立ち込めていた。
そんな事言ったり考えたりしている間にも、刻一刻と死が近づいてきた。
「ステータス!!ステータス!!ステータス!!」
それでもステータスは出てきません。
「はぁ、、、」
地上まで後数秒の地点で気もあきらめた模様だった。
ステータス、、、かぁ、、、
ピコン
ステータスが出てきた。
「今頃ぉぉぉおおおおおおお!!?!?」
叫んだ時点で高層マンション12、3階分の地点だった。
「うおおおおおおおお」
叫びながらスキルの欄を見て、条件反射でおっさんの話に合ったようにラノベにあったようにタップして、スキル欄を開く。
スキル欄には、おっさんに伝えてあった通り『才能開花』『魔術製作』『絶対防御』『タフガイ』が入っていた。
そのスキル欄にあるってことは、作動しているってことだ、と思って良いんだよね?あれ?『タフガイ』?
ピーッ
『絶対防御を作動させますか?yes、or、no』
はぁぁん??
「yesだ!yes!!yesに決まってんだろぉぉぉおお!!!」
ピーッ
『どの範囲で防御しますか?範囲指定してください。』
おおぉぉ~~~~のぉぉぅぅうう~~~~~~!!?!?!?!?!
範囲!範囲!?範囲とは何ぞやぁぁああ!!!
地表との距離を確かめようと地面を見ると眼球の数センチ先に地面があった。
あ、終わちゃ、、、
目をつぶった。痛いのを我慢するように。
いや、あんな高度から落ちたら痛さなんか感じないのかもしれないが、条件反射で靴紐をギュッと強く結ぶように目をつぶった。
はぁ、、、あれ?もう死んだのかな?
ドサッ
「うごっ、、、」
恐る恐る目を開くとあの和室の天井ではなく、落ちてくるとき全身で体感した青い空だった。
え?死んでないの?なぜ!?
何故って言うと生きてるのが嫌みたいだが、そういう事ではない。
辺りを見渡すと森だらけで自然一貫という感じがした。
落ちてくるとき開いたまんまのステータスの質問が出たままだった。
それを設定するまでは閉じれないらしいので、『絶対防御』の範囲指定を設定することにした。
「範囲って、、体全体を守ってくれるんじゃないの?」
疑問が出たので説明を一応読んでおくことにした。
~~~
「なるほど」
どうやら範囲指定は体の部位の事ではなく、どこまでの接触を防ぐのか指定することだったらしい。
ちょっと考えればわかることだった。
「じゃあ、『致命傷と放っておいたら死んでしまうような傷を負う時』に発動して」
ピーッ
『範囲指定成功!』
辺りを見渡すと、、、
ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコン!
ここはどうやら、、、
ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコン!!!
「うるさいなぁ~~!!ピコンピコンピコンって!ちょっとは思い馳せさせろよ!!」
この音絶対ステータスだろ。こんなとこでこんな機械音がするわけがないからな。
ステータス!
『神からのメッセージ』×22件
、、、メンヘラかよ
仕方ないので開くことにした。
ピヨォリン!
開く時なんでその音?
『落ちること言ってなかったわ!てへぺろ』
いや、うっざっ!絶対知ってただろ。
ピヨォリン!
『ねぇねぇ?怒った?』
、、、、、、
ピヨォリン!ピヨォリン!
『ねぇねぇ?怒った?』
、、、、、、
『ねぇねぇ?怒った?』
「怒ってねぇえよ!!!」
ピヨォリン!
『まぁいいや。そんなことより、どう?異世界。見た感じ良さそうな所に降りれたようだね。これからは、通常業務のせいで君にかまってる暇があんまし無くなるからそっちでどうにかしてね。それじゃあ、面白き人よ、良い異世界生活を!』
「、、、おう。言われなくても」
ピヨォリン
まだあんのかよ。
『追伸。お前さんの落ちてる時の反応良かったね。因みに地面すれすれで止めるように最初っから設定してあったんだよ?(笑)』
アイツ、、ッ!見てたのかよ!?てか、その設定言えよ!
他にもおっさんからメッセージをもらっていたのだが、どうでもいい情報ばっかりでほぼ流し見していた。
利用規約みたいに。
そして、一通り読み終わった。
「まぁ、生きてるから最初のミッションクリアで良いのかな?w」
はぁ、、、
俺は、安堵と疲労のため息を深くつく。
また、辺りの景色を見渡す。
やはり森が生い茂っていた。
こんなに森森してると、昔田舎に住みたいって言ってた懐かしい頃を思い出す。
しかし、俺の周りには森が無かった。不思議に思い、立って、動いて確認するとどうやらここは低い崖みたいなところらしい。
崖の先端に立ち、下を眺めてみると、舗装されてない大きいあぜ道のようなものが通っていた。
車一台分ぐらいの幅だろうか?あぁ、こっちの世界だと馬車か。
馬車なんて見たことないな。ていうか、馬見るのも小学生振りだから久しぶりに触ってみたいな。
そんな事を思い出しながら、道をボーっと眺めていると俺が見て左側から結構な脂肪を装備した細目のおっさんみたいのがドッタドッタとその道上を走ってきた。大きなバックを背負っており、何ていうのだろうかキャンプに使いそうなバックの中世バージョンみたいな感じで、荷物がかさばっているのかパンパンに膨れており、上に伊達巻みたいな寝袋が引っ付けられていた。
あぁ!
所謂、行商人だと思われる。
お、第一村人だ!ん?村人?なんか違うな、、、あっ異世界人か?
「お~~い、そこのおっさ~~ん」
呼びかけられたその行商のおっさんはこちらをチラリと見るか見ないの間の反応をして、そのまま走り去っていった。
あれ?今反応したと思うんだけどな~~?
「お~~い」
念の為、もう一度読んでみる。
今度は曇りなくまっすぐと道を進んでいった。
よく見たら汗がダクダクで、服には土汚れが付いていた。
焦ってるのか?メッチャ大事な商談でもあるのかな?でも、行商とかって信用第一だろ?それなのにあんなに汚い格好だと売れる物も売れないだろ?
、、、まっ!いいや、あのおっさんが行商と決まったわけでもないし。無視されたのはちょっと寂しかったけど。
「さあっ!スキルの把握でもしようか!」
無意識にベタベタの異世界物の流れに乗っかっていた。
先ず、『魔法製作』!!
え~~、フムフム(説明読み中)
その説明には、おっさんの部屋で見たスキルカタログの説明より細かく書いてあった。
大まかに言うと、『作りたいスキルを思い浮かべる』→『具体的な内容を構築していく』→『出来上がりっ!』ってな感じ。
説明は読んだし、さっそく実践するか。
ん~~、記念すべき一個目の魔法は何にしようかな~
『爆裂魔法』?『捕食者』?『イマジンブレイカー』?『スターバーストストリーム』?
ん~~悩むな~~。じゃあ、普通に風魔法で!
「どうなんだろうな。雰囲気的に風操るだけそうだから、簡単そうなイメージあるんだけどな」
何だろう何を想像すればいいんだろう。気流が掌握されるみたいな感じで良いのかな?
ピヨンッ!
「えっ」
また、神からのメッセージか?
ステータス!
ステータスを開くと魔法欄にnewのマークが付いていた。
「へ~、魔法が出来上がるとお知らせがくるシステムなんだ」
ピーッ
『【魔法1:属性・風】を常時使用可能にしますか?yes、or、no』
「yes」
「よしっ」
魔法の使い方は全然と言っていいほど知らない。
だって、日本で魔法ってあったか?ないよな?
まぁ、代わりと言ってはなんだが二次元の知識は少しあるからな、ていうか、少しは役立て!金賭けて読んだのはこの時のためだったんだぞ!!(大噓)
木の前まで、移動する。
やっぱり魔法試すなら木だろ、木。
「ふんっ」
先ずは、漫画通り力を込めてみる。
シーーーーン、、、、
何も起きなかった。金賭けて読んだ意味がなかったな。
「はっ!」
今度は中国拳法のようなポーズを取って力を込めてみる。
シーーーーン、、、、
何も起きなかったことへの絶望感より、異世界にまで来て何やってるんだろうという喪失感の方が勝ってしまった。
まだ二回しか試してないけど、やっぱりコツとかの話になってくるのかな~~。流石にこんな何も起こらないとかないだろ?ここは異世界だぞ?
じゃあ、『才能開花』試すか。
ふ~~ん、ホムホム(説明読み中)
やっぱりカタログより詳しく書かれていた。
簡単に説明すると、欲しい才能を口にすると、その才能が短期間だけ伸びるというものだった。
因みに、おっさんのカタログみたいに強い物ほどコストがかかるみたいに、強い才能ほどもっと短時間みたいなことはないらしい。
まぁ所詮才能だからな。そんなもんだろ。
それと、何個でも開花させることができるし、多重掛けもありらしい。
「まぁ、異世界だと知識より実践だからなっ!」
取り敢えず想像力上げる才能かな?いや、まんまやるか。
「『魔法製作の才能』!」
ん、、、特に変わったところは、、、ないかな?
作ってみるか。
風を操る。ただその一点だけなのだが、それはとても難しいものだった。風魔法を簡単に言えば『思いのまま風の強弱を操る魔法』。風の捉え方を細かくしてみよう。分子を操るってことか。空気の分子つまり大気を圧縮して、それを空気の分子で高速で押し出す。それだと無理か。漫画みたいにいかないかなぁ~~。
漫画の風魔法を使用しているシーンを思い浮かべる。思っていたよりもハッキリと想像できた。これは『才能開花』のおかげなのだろうか?
ピヨンッ!
え?今ので?
ステータス!
また魔法欄にnewのマークが付いていた。
ピーッ
『【魔法2:属性・風】を常時使用可能にしますか?yes、or、no』
「もちいぇす」
またさっきと同じポーズを取って、木に向かって力を込めてみる。
ズッ、、バババボボボボボボボッッッッ!!!!
「えっ、、、」
俺の目の前の景色は綺麗な青空の元に、無数の転がる切られてた木と、それらが元座っていた切り株たちが居座っていた。恐らく数十本といったところだろうか。
こんなに威力が出るとは思ってなかった。
でもこれ位広範囲にしかも高威力の魔法だと、モンスターとかに囲まれたときに役立つかもな。
こんな事まじめに考えられるなんて、流石異世界!来てよかったぁ~~。
でも、牽制様に弱めの作っておきたいな。
竹刀で叩かれた位の痛さ。出来るだけ小範囲。そして、異世界物で読んだ風魔法のイメージ。
ピーッ
『【魔法3:属性・風】を常時使用可能にしますか?yes、or、no』
「いぇす」
まだ切られていない木の前まで移動する。
「ほい」
手を木に向けてちょっと腕の筋肉に力を入れる。
ズバッ
「ほ~~、良い感じだね」
魔法の威力は木がグラグラ揺れ、木肌が少しえぐれるほどの物だった。
これだったら、威嚇にも使えるな。
「は~~、流石異世界だな。まだ半分夢見心地だけどな~。ていうか、『魔術製作』意外と簡単だな、だってイメージするだけでできるんだからな!もしかして、『魔術製作』以外要らなかったかなぁ」
一人で喋ってると悲しいなぁ、、、
「あ、そう言えば、、、」
ステータス!
さっき見た『タフガイ』って何だったんだ?
スキルの欄を覗くと、やはり『タフガイ』がいた。
『タフガイ』の欄をタップすると、やはり説明が出てきた。
ふ~~ん、ヘムヘム(説明読み中)
端的に言うと、『運ためし』の結果がこの『タフガイ』になったらしい。あのおっさんのカタログでは、2ポイント分のスキルだったらしい。少し残念だが、まぁ1ポイントが2ポイント分のスキルになったんだから良いとしよう。因みに、『タフガイ』の詳細は体力と精神力が約二倍。というものらしい。
体力ってのはありがたいな。大学受験で全く、いや?高校上がる時に部活止めてからほとんど運動してないから、、、2年ぐらい運動してないことになるのか。あぁ、華の高校生活だったのにもったいなかったな~。ま、もう異世界いるからどうでもいいんだけどね。
ていうか、精神力ってなんだ?やっぱりMPみたいなものなのかな?そうだとしたら、面倒だな。魔法に回数制限があるってことだろ?俺、魔法で大成したいんだけどな、、、剣も前世で剣道って形で体験しちゃったからな~、それにやっぱり魔法ってロマンじゃん?二次元好きの。
どれくらいここにいただろうか。そんなに長居はしていない気分だけど、おっさんから貰った異世界の情報によると夜もちゃんと来るらしいから町の方に行きたいな。あ、出来るだけデカい街ね?
「取り敢えず歩くか!!」
『絶対防御』がちゃんと発動しているのか試そうかと、崖下を覗き込んでみるが、やっぱりチキンだったから出来なかった。
だって怖いよ?マンション4、5階分の高さだよ?漫画やラノベの主人公でもないんだし、そりゃ足もすくむわ。
ズザザーーーーッッ
尻を崖に付けて、擦りながら降りていく。
「痛たたたたたたたたっっっっ!!」
尻が崖に擦れて、俺が履いているジーンズが尻の部分だけをぽっかりと開けてしまいどうやらいかがわしいダメージジーンズみたいになってしまった。
「ぬぅ~~~ん、、、ぬぅ~~~ん、、、」
自分でもどうやって発しているのかよく分からない唸り声が出てくるほど痛かった。
出血はしていないが、浅い擦り傷みたいのが無数にできてしまった。
いや、そんなことより!この姿で出歩いたら完全に不審者じゃねぇか!不審者オブ不審者だよ!
「くぅぅぅ~~~~」
悩みと痛さが相まって、川平慈英になってしまった。
しょうがないから、上着で隠すしかないな。
こんな事、前にもあったな。中学生の頃、夏休み明けの部活でしゃがんだらズボンがビィッ!って尻の割れ目に沿って制服が破れた時思い出すな。あの時は、カバンで隠しながら帰ったっけな。
そう回想しながら、上着を腰に巻いた。
それに、痛さもさっきよりは引いていた。
一息ついてから、あの切ってしまった木達どうしようかなぁ、と思ったが、直せないからしょうがないと目をつむることにした。
スマナイ!木達!良い栄養になれよ!
行く方向を決めることにした。
俺は、落ちてくる最中の映像を思い浮かべる。
「え~っと、た~し~か~左側に大きめの都市があったんだよな」
ちょっとしか、見てないがその大きい都市は防壁みたいなものに囲まれていた気がしなくもない。
実際、この世界にはモンスターもいるらしいし、ラノベによくある魔物を統べる者つまり魔王もいるらしい。モンスターと人間のどっちがどの位優先なのかとかの情報は遮断されていたから、分からないけど防壁位の用心は必要だよな。前世でも、防犯に注目が置かれていたんだからな。
「じゃあ、左だな」
俺は、左に進むことを選択した。
ここの世界の木は前世の木とは、あまり変わりがなかった。学者でもないからしっかりと前世の木を観察したわけでもないが、うわっ何これキモッ!みたいな植物は見た限りではなかった。
それに、さっきからこの道を歩いているのだが、人が全く通らないのだ。ラノベだと、馬車が通りかかって、その馬車の馭者が気前のいいやつで、都市まで乗せていってくれる、みたいな流れなのにな。まぁ、そんな冗談は良いとして、本当に全く人が通らない、不気味に感じてしまう程に。普通こんな都市に続く道があったら、馬車とかが絶えず行き来していてもおかしくはないのにな。
何かあったのかなと思い、首だけ振り返り後ろを見てみるが、特に変わったことはない。
道沿いに歩いてたら、誰かに会えると思ってたのに、、、
あ、見かけたおっさんはノーカンで。一方的に話しかけただけだから、な。
「ていうか!モンスター出てこいや!人間出せとは言わないから、せめてモンスター出せや!異世界ぃ!」
そう!楽しみにしていたって言うのは、おかしいが異世界らしいものが見れると思ってワクワクしていたモンスターですら、出てこない!
/(^o^)\ナンテコッタイ!俺は、散歩するために異世界に来たんじゃないぞ!
実際、こっちに来てから、超高高度からスカイダイビングして、魔法作って、それで伐採して、道沿いに数十分歩くことぐらいしかやって、、、ん?結構、面白いことしたな、今日。
心の中で、ドッタンバッタン!暴れていると、向こうから小さい娘がやって来た。
その娘は、ボロボロの服を身にまとい、煤にまみれ、頭部のよくある位置によくあるネコミミが生えていた。
ネコミミ!猫耳少女!!異世界よくやったぁ!ん、、でも、、、
その猫耳少女が段々と近づいてくる。
その猫耳少女は、こちらに気づいておらず、千鳥足でやっとこさ歩いているような状態のように見えた。
この世界の情報だと、奴隷、、、があるからな、、、それなのかもしれないな。
う~~ん、どうしようかなぁ~~~~~~~~、、、それでも無視は出来な、、
そう思いかけた瞬間、その猫耳少女がドサッと地面に吸い取られるかのように倒れた。
ダッ!
俺は、間髪入れず走り出した。ラノベの主人公みたいに困ってる人をほっとけない性質とかではないけど、目の前でしかも死にそうな猫耳少女がいればそりゃ誰でも助けたくなるってもんだろ。
うぇ?早っ!
体力が底上げされていて、瞬発力も上がっていた。
まるで、何かに背中を押されている感覚が押し寄せる。つい後ろに何かいるのかと見てしまうほどだ。
ザゥッ、、
「到着!」
猫耳少女を座りながら抱きかかえる。
「おい、大丈夫か?」
「、、、、す、、、、て」
「んだって?」
「た、、、すけ、、て」
あ、近くで見ると可愛いな、この猫耳少女。
銀色に輝いた髪が黒い煤にまみれていて、シンデレラみたいだ。
ハッと気付く。
猫耳少女の可愛さに呆けてしまっていた。
「あ、うんっ!そのつもりだ」
また魔術を作ることになりそうだ。しかも、高度な治癒魔法。
「ど、、、ドラゴンが、、、私の村に、、、」
う~~~~ん、これはイベントのかほり!!!
あ、そう言えば一話の前書きで予告した事するの忘れてた。
ま、そんなことは置いといて二話目どうでしたでしょうか?
題名に書いてある感じの事はまだやってないですけど、あと少し、もう少しで出てくるので飽きずに読み続けてみてください。(*- -)(*_ _)ペコリ
面白かった、続きが気になる、なんてことを思ったら(思わなくてもいいけど、、、)評価もしくはブクマのほうをよろしくお願いします。
一話目読んでない方も日曜の昼間みたいな暇なときにでも読んでみてください。