確認と願い
次話を投稿したからと言って、今週分が消えるわけではないのでご安心ください。
また、次話を楽しみにして頂けると嬉しいです。
「…どういう事かわかるかしら?」
「いえ、目のことは私にもわからないけれど、でも私が関係していると思うの。」
「どうしてそう思うのかしら?」
何か確信があるような言い方をサリアがするので、尋ねてみると
「その紫色の瞳は私が生きていた時の目の色だからよ。髪の色は同じ金色だけどね。」
生きていた。という事はなにかがあって死に、私の体に乗り移って来たという意味だ。
「……生きていたという事は、何かあってサリアは死んだのだと思うのだけど、何があったのか聞いても大丈夫かしら。」
「……ごめんなさい。何も聞かないでくれると助かります。私自身まだ気持ちの整理がついていないから。」
やはり、であったばかりの人間には全てを話せる訳がないか。と、リンネは思い一つ提案をして何か情報を聞き出せないかと思った。
「サリアがそういうなら何も聞かないわ。サリアはこれからどうするのかしら。何かやりたい事とかがあるなら、手助けするわ。」
「いいの?私、多分リンネの力になれないかもしれないのに。」
「もちろんよ。これから2人、一つの身体を共有するのだから。」
「突然あなたの身体を借りた私なのに、私を迎えてくれてありがとう。」
「いいのよ。それで願いは何かあるのかしら?」
「…人を。人を探しているのです。」
打算的な私の考えであったが功は成したようだ。
「人探し?誰かと生き別れたからその人がどうなったのか知りたいという事かしら?」
「……うん。妹を、たった一人の大切な妹を探しているの。あと、……いえあの方は大丈夫だわ。とりあえず、色々な国々に探し人の通達ができる所はないかしら?」
「そうね。ギルドという何でも屋みたいな物があるとお父様から聞いたことが有るわ。お父様に頼めばどうにかなるかもしれないわね。近い内に依頼を出してみましょう。」
「本当にありがとう。これはついでなのだけど、それとこの国の事とか色々なことが知りたいわ。」
「そう、なら後で色々教えてあげるわよ。この家は、代々宰相の家なのだから書物庫にいけば色々な本が置いてあるわ。それよりも、あなたと会話するには声を出さないといけないのかしら。どうにか声を出さずに会話することは出来ないのかしら?」
それからというもの声に出さずに心の中で声を出してみるとそれで会話ができることに気付いた私たちは、フラムが湯浴みの準備ができたとの事で、湯浴みを終えフラムの用意したドレスに着替た。部屋に戻ろうとした時に他のメイドが私たちの前に現れた。
「旦那様がお戻りになりました。お嬢様に会いたいとの事でお時間はいかがしますか?」
お城でのお仕事に忙しくめったに家に帰れないお父様が家に帰って来るとは。多分、私が目を覚ましたのを聞いて急いで駆け付けてくれたのでしょう。
「分かりました、お父様は書斎にいますよね。身支度をしてすぐに向かうと、言ってもらえる。」
「かしこまりました。そのようにお伝えします。」
そう言ってメイドは礼をしつつ、お父様がいる書斎へと向かっていった。
「フラム、聞こえたわね。部屋での着付けをお願いできるかしら。」
そう、フラムにお願いすると、フラムは喜んだ顔で
「かしこまりました。旦那様に会うので綺麗にしませんとね。」
そう言って、ご機嫌なフラムを横に私たちは部屋に戻り身支度を済ませ、お父様のいる書斎へ向かった。
「ここからは私一人で大丈夫だわ。もう時間も遅いし、フラムは下がりなさい。」
「いえ、お嬢様が心配ですからここでそのまま待たせてもらいます。」
多分、ここからの話は時間が掛かるからフラムを下がらせようとしたのだが、心配性のフラムはこの場を離れないつもりだ。
「そう勝手になさい。その代わり、待つのだからきちんと、待っててくれないと怒るわよ。」
そういったら、フラムは少し笑いながらお待ちしていますとだけ言った。
それから、私はお父様の書斎の壁を2回叩いた。
「お父様、リンネです。入ってもよろしいですか。」
そう告げると、お父様からすぐに返事が来た。
「リンネか。待っていたよ、入りなさい。」
そうして、私とサリアとお父様のお話が始まるのであった。
出来るだけ無くそうとしていますがやはり出でくる、誤字・脱字の報告や作品に対する感想など心待ちにしております。