表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

ナナシの謎、ニースの謎

さて、特訓と言っても何をしたらいいのか?


「今の状態では、身体能力はどうなのじゃ?」


ニースが、そんなこと言ってきたので色々やってみることにした。


「まずは、走ってみるか」

「妾もつきあうぞ」


とりあえず街の外周を全力で走った。

30秒も続かなかった。


「ナナシは、体力がないのう」


乳を、ばいんばいん揺らしながら走っていたニースが戻ってきた。


「しんどい、吐き気がする」

「さすがに、いきなり全力はダメじゃったかのう?」

「つ、次はジャンプだ!これならきっと大丈夫だ」


そう言って、その場で跳んだ!

全身のバネを使い、勢いよく空に向かって弾けた。

ニースが。


「なんじゃ、ナナシは跳ぶことも出来んのか?」


乳が、あっちへこっちへ揺れながらニースが聞いてきた。

俺は、1mほど跳んで着地の瞬間、足を滑らせて転んだ。


「まだだ、まだ俺はやれる!」

「次は、この岩を持ち上げるんじゃな」


俺は、丹田に力を溜めチャクラを全開にして、岩にがぶり寄った!


「ふおぉぉぉぉぉっ!」


ブッ


屁が出ただけだった。


「ナナシは面白いのう」


ニースは、軽々と岩を持ちお手玉をしていた。

乳が、ぷるんぷるんと俺を誘うように揺れていた。


「おかしい、魔剣と融合して、強力な力を手に入れたはずなのに」


俺は、膝から崩れ落ちた。

いったい、どうしてこうなった?ついこの間魔族と戦ったじゃないか。

ニースとアナリヤの話を聞いて、人も魔剣も超えたのではなかったのかと思った。


「そう、ガッカリするでないナナシよ。いくら魔剣と融合したと言っても、今は妾と同化していないのじゃ、力は出ないの当たり前じゃぞ」


なにそれ?知ってたなら、先に言ってよぉ〜。

というか、絶対わざとやっていたな。

結局、昼過ぎまで無駄なことしていた。

これからは、地道にトレーニングすることにするわ。



お昼を食べるために戻ると、街が魔族に襲われていた。


「フハハハハハハハハッ!街を壊せ!人を襲え!魔族様のお通りだ!」

「また、魔族が襲ってきたぞ」

「助けてぇ」

「ちくしょう、俺の家がっ」


逃げ惑う街の人を、魔物が追いかけている。


「この町で、魔族ナガセをぶっ殺した奴がいるそうじゃねぇか」


大きな声で叫ぶ魔族。

どうやら、奴は俺が目的らしい。


「どうした、出てこいよ!それもとナガセをぶっ殺したのはマグレで、怖気付いちまったか?」


もう、我慢できない!


「その、魔族をぶっ殺したのは俺だ!」


そう言って、奴の前に現れる。


「ほう、お前がナガセをぶっ殺したのか?どう見ても貧弱な人間にしか見えねぇが、ナガセのヤツも焼きが回っちまったなぁ」

「そんなことどうでもいい!街を襲うのをやめろ!」

「オレは、魔族オオタ!ナガセは最弱なヤツだ、その程度の魔族をぶっ殺したくらいでいい気になるなよ」


見下した目で俺を見る魔族オオタ。


「やれ、魔物シターデ!あの人間をぶっ殺せ!」

「「シター!」」


シターデと呼ばれた魔物が襲いかかってくる。


「ニース、やるぞっ!」

「了解じゃ、ナナシ!」


ニースに呼びかけ、ペタルーツの腕輪を天にかざす!


「人魔剣神融合!」


叫び声とともに光に包まれる。

ニースが、魔剣レオニスの姿に戻り、俺の体に融けていく!

腕輪から送られた情報が、魔力を神経に変え、身体中に張り巡らされていく!

魔剣レオニスが、外皮を覆い鎧のような身体に作り変える!

黄金の装飾が縁取られ、黒い体に真紅の紋様が現れる!

光の中から現れたのは、神々しい人外の戦士!



襲いかかった魔物シターデが、四方に吹っ飛ぶ!

戸惑う魔物シターデと、魔族オオタ。


「貴様何者だ!」


そう、叫けばざる得なかった魔族オオタ。


『人と魔剣と神とを超えた正義の戦士』


大気が震え、大地が震え、勇気が振るう!

その名乗りは、正義の咆哮!


『マケンアイダーレオニス!参上!!』


ドッガァァァァァァァァァン!


融合した時の、余剰魔力が放出されて、背後で爆発する。


「貴様が、魔族ナガセをぶっ殺したヤツか!」

「魔族オオタ、お前もヤツのところへ送ってやる!」

「出来るものならやってみろ!魔物シターデ、全員でそいつを嬲り殺しにしろっ!」


また、魔物シターデがワラワラと迫ってくる。


「雑魚がっ!」


蹴りで一蹴する。雑魚が何匹かかってきてもムダだ!

そのまま、一瞬で距離を詰め、魔族オオタをぶん殴る!


「ブベラッ」


顔がひしゃげて吹っ飛んだ。

地面に倒れる前に、もう一度腹を殴った。

吐瀉物?を撒き散らしながら、地面を転がる魔族オオタ。


「これでもくらえっ!」


魔族オオタに、馬乗りになり。

殴る、殴る、殴る、殴る!


殴られながらも、なんとか這い出し逃げ出した、魔族オオタが反撃してくる。

手から、謎の光弾を打ち出す。


「これは避けられんだろう!踊れ踊れ!踊れーっ!」


足元に着弾し、土煙が巻き上がる。


「これでトドメだ!」


両手から光線が放たれ、俺が立っていた場所が大爆発を起こす。


「ガハハハハハハハッ、木っ端微塵だーっ!」

「なかなか、スゲェ技持ってるじゃねぇか」

「そうだろ!これでヤツは跡形も無く吹き飛んだは……オルグッ⁉︎」


高笑いしている、魔族オオタの顔を再び殴る。

ヤツの攻撃に当たること無く、背後に回り込んだのだ。

続けて、腹を何度も拳で殴る。

最後に、回し蹴りをあびせた。


「アガッ、グァ」


意識が無くなったのか、フラフラとしている魔族オオタ。

今が、トドメのチャンスだ!


「来れ!魔剣レオニーーーーーースッ!」


叫ぶと同時に目の前に、魔法陣が展開!

ガラスが割れるような音が響き、砕けた魔法陣の中から、白銀に輝く神秘の剣が現れた!


「汝と妾に、正義の道を切り開かん」


美しい声が聞こえる。

再び叫ぶ!


「ウェイディーンリアクター!エーーーーンゲーーーージ!」


天に掲げたペタルーツの腕輪が光を放つ!

伸びた光が、天に巨大な魔法陣を作り出し、そこから光の柱を生み出した!

光に包まれ、磔になった魔族オオタが気がつく。


「な、なんじゃこりゃーっ⁉︎」


俺は、手にした魔剣レオニスを構え、天高く跳び上がる!


「真っ向!から竹割りぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」


魔族オオタが、頭から真っ二つに切り裂かれる!


「魔王様に、え、い、こう、あれーーーーーーーーーっ!」


ボガァァァァァァァァァァァァァン


魔族オオタ、退治終了!



天の魔法陣から光の粒子が降り注ぎ、壊れた家も、地面の抉れた道も綺麗に直り、泣き叫ぶ赤ん坊もニッコリ笑顔になった。

騎士団が、後処理に動き出す。

元の姿に戻ると、レンが心配した顔で駆け寄ってくる。


「大丈夫、ナナシお兄ちゃん?」

「あぁ、大丈夫だっ!」


笑顔で返すと、レンも笑顔を取り戻す。


「妾も大丈夫じゃぞ!」

「ニースさんも、お疲れ様」

「妾も、お姉ちゃんと呼んで欲しいのじゃあ」


いつものように、ニースの嘆きの叫びを聞きながら家に戻るのだった。



ここは、世界の果ての暗闇の奥。

幾つもの気配が現れる。


《ナガセに続き、オオタも殺られたか》

《所詮、奴らは低級魔族よ》

《だが、あの『マケンアイダーレオニス』というヤツは何者だ?》

《まるで、我々魔族のようじゃないか》

《どうするんだ?》

《まだ、魔王様は気づいていない》

《なら、今のうちに処分するしかあるまい》

《次は、俺が行こう必ずぶっ殺してやる!》


幾つもの声が聞こえたが、すぐにその気配は無くなった。




どちらかというと、コメディー色が強いです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ