早朝
泣き出す直前のような
月にさようならを告げる
夜気に晒されて
隅から隅まで
水に浸された身体を起こす
朝焼けが鮮やかに笑う中
咲き誇る朝顔の微笑みを
恥じらうこともなく
夜陰から逃げ出して見ていた
九時だけを指す狂った時計に
置き去りになる運命の糸
君はまだ寝ているのだろうね
憂鬱な夢の中を
目配せして脱け出したら
冷めた瞳
間抜けな顔
涼しげなのは風鈴だけで
朝焼けは鮮やかに笑っていた
次から次へと変わる表情に
意図せず掻い摘まむ物語と
間違い探しに潜んでいる
魔物のように息を潜めて
電線の向こうを睨みつける
恥じらいはとうに捨てたんだ
泣き出す直前の月などは
蹴っ飛ばしてしまえばいい
物語は掻い摘まんでもまだ多い
死んでしまった昨日に
泣いてる暇など無いんだから
意図せず進む毎日を
乗りこなして、また、明日を迎えよう
夏休み
朝早く起き
夢さます
あついままでは
泣けもしないの