クラッカーの火薬の匂いが好きです
つまらない話です。
個人的にもつまらないと思います。
ハワイに行きたい
私は勢い良くドアを開ける。
その瞬間横から急にクラッカーが鳴る。
びっくりしてそちらを見ると一人の女の人が立っていた。
「びっくりした?ごめんね。ちょっと驚かせたくて」
いや、あんた誰?
「まあ、中に入って」
いや、あんた誰?
「あなたも影の男に呼ばれたんでしょ」
本当にあんた誰よ
そして、リビングにつながるドアを開ける。
そこにはさらに二人の男がいた。
クラッカーを鳴らしてきた女はパソコンを使っている男に近づくと喋り出す
「ほら、見てよ。四人目は女の子だよ。良かったー一人だけ女って心細いから。あんたはどう思う?」
「返事が欲しいなら金を払え」
すると女はしぶしぶ十円を男に渡す。
男はその十円をポケットに入れると口を開く
「うん、まず彼女も混乱してるし自己紹介くらいしろよ」
「ああ、そうだった。ごめんね。私の名前は『四ノ宮 椿』。職業は高校三年生。ツバキでいいよ。よろしくね」
そう言って手を出してくる
「私は『朝倉 悠』と言います。こちらこそよろしくお願いします」
私は出された手を握る。
その時ツバキは少し悲しそうな顔をしていた。
しかし、すぐに笑顔に戻るとパソコンを扱っていると男を指差す。
「今度はあいつに話しかけてみなよ」
「あ、はい」
ツバキは妙ににやけているような気がするのだが…
「あの、すみません」
「…………」
「私は『朝倉 悠』と言います」
「…………」
何こいつ。なんなんだだこいつは?
さっきツバキとはあんなに話していたじゃないか。
あ?胸か?胸が足りんのか?お?
ん?よく考えるとツバキもただで話してたわけじゃない金を払って話してたいたではないか。
私は財布から百円を取り出す。するとパソコンを触っていた男はすぐにこちらを凝視する。正確には私の持っている百円を凝視する。
今度は両手にそれぞれ一枚ずつ百円を持つと適当にそれぞれ動かす。
それを右目と左目がそれぞれを追う。
アラヤダオモシロイ
ハッ、いけないついはしゃいでしまった。
私はパソコンの横に百円を置き話す
「私は『朝倉 悠』中学一年生。あなたは?」
「俺は『唐津 廉』職業は…フリーターで19歳だ。よろしく」
「先輩ですね。こちらこそよろしくお願いします」
「…………」
返事がない。
パソコンの横に百円を置く
「おう、ちゃんと敬えよ」
「誰が敬うか!」
く、誰が金払わないと話さない奴に敬語なんか使うか。もうタメ口オンリーで言ってやる。
「ツバキさん。あいつ頭おかしいですよ」
私はツバキに泣きつく
「うん、あいつは頭がおかしい。あとで財布から取られたお金抜き取っておくから安心して」
「今さらっと恐ろしいことが聞こえたんだが」
ツバキはレンを睨む。すると、レンは素知らぬ顔で財布を机の上からポケットにいれる。
私は疑問を口にする
「あの、気になってたんですけど、あそこにいる男の人は誰なんですか?」
私は壁に寄りかかり俯いている男を指差す。
「あ、うん、寡黙な人でまだ私たち話してないのよ」
「そうなんですか……私が話しきますよ」
「ええ!大丈夫?見るからに怖そうだけど」
「大丈夫です」
そう、私には能力があるのだから!
私は耳を塞いで能力を使用する。
『ユウはああ言ってたけど大丈夫かな』
これはツバキの声だ。心の中でも心配してくれるなんていい人だなぁ
『語尾になんかつけた方が印象が大きいかな?試しに今度語尾に『カネー』ってつけて喋ってみよう』
馬鹿なレンは放っておいて
私は最後の男の方に近づく。近づいてみたらかなりでかいことに気づく。180センチ以上もある。しかも壁にもたれかかって下を向いていて表情がわからない
でも、話して見なければわからないことはある。
「あの、私、朝倉 悠と言います。」
男の口は動いていない。代わりに心の声が聞こえる
『あ、あの、ぼ、僕は…いや、俺は『須藤 広見』っていいます。いや、相手は中一だぞ。ここは普通に敬語じゃなくてもいいじゃないか。いや、まてよ…………』
とまあ、心の中で散々考えた後にでた答えは
「ああ」
の一言だけだった。
「あの、お名前を教えていただけませんか?」
『さっき言っときゃよかったじゃねえか。ええと、どう答えようか。ちょっと明るめに答えてみようかな。でも僕…いや、俺こんな図体だし…………』
耳から手を離す。
「広見だ」
「よろしくお願いします。ヒロミさん。私のことはユウって呼んでください」
『おい、急にフレンドリーな感じだよ。これって俺に惚れてんじゃね?いきなりファーストネームで呼んでいいとか。待て待て生まれてこのかた彼女できないどころか話したことすらほとんどないんだぞ…………』
そして返答は
「よろしく頼む」
の一言だけだった。
私はツバキの元へと戻る。
「どうだった?」
ツバキは興味津々のようだ。それに私は一言で答える。
「コミュ障でした」
十二時に入ってきて自己紹介だけで三十分かかった。
今この部屋にいるのは
純粋無垢な可愛い女子『朝倉 悠』
世話焼きお姉さん 『四ノ宮 椿』
自動金追尾機 『唐津 廉』
強面のコミュ障 『須藤 広見』
全然共通点のない四人
なんでこの四人なのか、なんで私たちをこんなところに呼んだのか。
全くわからない
「わからなくて当然だよ説明してないからね」
私の心の声に返事をする声があった。
私は慌てて周りを見る。
皆も同じように周りを見回している。
もしや、と思い自分の視線を下に向ける。
そこには影があった。その影が私から切り離される。同じことが他の三人にも起こったようだ。そして、四つの影が寄り集まり、一つの黒い人へと形が変わって行く。
「やあ、君たちを呼んだのは僕だよ」
「じゃあ、なぜ君たちをここに呼んだのか説明しようか」
そこには例の影がいた
「皆自己紹介が終わったみたいだね。僕も自己紹介しようかな」
「僕の名前は『暗闇』。職業は『悪魔』だよ。よろしくね」
「あ…悪魔?」
私は意味不明な言葉に疑問を抱く
「そうだよ。悪魔だよ」
「その悪魔が私たちに何のようなの?」
「あれ?そんなに驚かないね。まあ、当たり前かな。君たち自体が天使の力を扱ってるからかな」
「なに、今度は天使?」
「ほら、天使の加護だよ。君たち生まれた時から何か身体的に不自由なところがあるだろ」
確かに…
私の場合は耳が聞こえないというところだろう。
「それを補うための力が君たちには備わっているじゃないか」
それは心の声が聞こえるという私の能力だろうか
「これはかの有名な天使様が君たちが可哀想だから手を差し伸べてあげたんだよ」
天使のせいで私はこんな能力を得たのか
「だからその力の備わっていて強い願いを持つ君たちをここに呼んだ」
「じゃあ、そろそろ僕の願いを聞いてもらおうか」
「ついてきてくれ」
そう言って私の影は戻ってくる。
「さあ、僕の言う通りに進んでくれ」
というわけで私は大通りを歩いている。
「あの…ツバキさん?」
「どうした?」
「ツバキさんも能力持ってるんですか?」
「ああ、持ってるよ。私は生まれた時から手が使えなかったからサイコキネシスが使えるのよ」
「サイコキネシス……」
「ん?どうした?」
「いや、私なんかよりかっこいい能力だなぁと思って、私なんか相手の心を読むくらいですよ」
「へぇー、便利な能力ね。結構バラバラだと思っていたけど意外なところに共通点があるのね」
「そうみたいですね」
沈黙が流れる
ツバキがその沈黙に耐えきれなくなったのかレンに近づいて行く
「ねえ、レンあんたの能力ってなんなの?」
「…………」
スッ
あ、ツバキが五百円を取り出してレンに握らせた。
「俺の能力は予知だカネー。ほら、俺って反応が遅いからさカネー」
「反応が遅い?」
「ほら、ボールが飛んできて普通ならキャッチするカネー。それが俺はボールを見て手が動くまで三秒くらいかかってしまうんだカネー」
「だから事前に何が来るか分かったら三秒のラグがあっても大丈夫ってことなのね」
「そういうことカネー」
「あと、あんたそれ気持ち悪いよ」
あ、レンがしたを向いた。まあ、気持ち悪かったからいいけど
私はヒロミの方を見る。
「ねえ、ヒロミさんの能力はなんなんですか??」
「知らん」
私は耳を閉じてみるがヒロミの心の声は拒絶しかなかった。
「じゃあ気が向いた時にでも教えてくださいね」
私はその場を去り、ツバキの横に戻る。
「ねえ、あの入って来た時のクラッカーってなんだったの?」
「ああ、あれね。あれは、歓迎よ」
「いや、私が来るなんて知らなかったじゃないですか」
「うーん。私が来たのは九時でレンが来たのは十時、ヒロミがきたのは十一時だったから十二時にも誰か来るかと思って」
「ああ、それで」
「遅刻するからもう来ないかと思ったのに」
「いや、ちょっといろいろありまして」
私は口ごもる。
耳が良くなって街中でスキップしてたなんて言えない
「ふーん」
そのあと沈黙が続く。
「ついたよー」
急に影が話し出す。
「このマンションに僕の悩みがあるんだよね」
私はそのマンションを見る。どこにもありそうなマンションだ。悪魔の悩みがこんなところにあるとは思えない。
マンションは一階に例の自動ドアなのに外からでは開かないやつで立ち止まる。
私は悪魔に話しかける
「ねえ、これどうするの悪魔さん」
「フレンドリーに暗闇でいいよ」
「じゃあ暗闇さん。これからどうするの?」
「いや、普通に開けるけど」
そう言うと私の影が盛り上がり手の部分を鍵穴に入れて回した。
ガー
おい、普通に開いたぞ。セキュリティという言葉を知らないのかこの悪魔は。
「さあ、四階まで上がるよ」
罪悪感という言葉も知らないのかこの悪魔は。
そして現在四階
その、四階にある一つの部屋の前に私たちは立っている。
「さあ、中に入ろうか」
暗闇が扉を開ける。
中は暗かった。
「誰だ。この闇に光を入れているのは」
「僕だよ。暗闇だよ」
「フッ、また貴様か。何度も言うがお前の指図を受ける気はない」
「いや、今日はむしろお友達を連れてきたんだ」
「ほお、お前以外に客か…珍しいこともあるんだな」
「じゃあ、自己紹介してくれよ」
「俺は『紫堂 裕也』。職業は闇の住民である『死神』だ」
「し…死神!」
私は叫ぶ。今日だけで悪魔やら天使やらで頭が追いつかないのだ。新たな種族を出さないで欲しい。
「という設定のただの中二病だ」
暗闇が補足説明をしてくれる。
「「「「中二病乙」」」」
私たちの意見が始めてあった瞬間だった
席が一番前になって気持ちがクズ野郎になってます。でも、がんばって行きますので
「ダークネススピリッツ!」もといウラカキをよろしくお願いいたします。
ハワイに行きたい