好きだよ
最終回です。前の話はきちんと読みましたか?なんてったって二話連続投稿ですからね
「久しぶりユウ」
俺は久しぶりに会う幼馴染にごく自然な感じで言った
「白ちゃん…だよね…?」
ユウは地面の砂利を踏み鳴らしながらゆっくりと近づいてくる
「ああ、俺だ」
ユウの足はだんだんと早まって行き、全力で走るまでになっていた。
「白ちゃん!」
ユウが俺の胸に飛び込んできた。
「ずっと…ずっと会いたかった」
涙ぐみながらユウは言った
「俺もお前に会いたかった」
その涙につられてか俺の目からも涙が流れて行く
「白ちゃん…」
「なんだ?」
「好きだよ」
その唐突の告白に俺の思考に空白が生まれる。だが、すぐに復活し
「俺もお前のことが大好きだ」
笑顔で俺はユウに告白した。
二度目の告白。中途半端だった一度目。きっとこの二度目も中途半端になるだろう。それでも今はこの時間を大切にしていたい。
俺はユウを抱きしめる力を強くする
だが、ユウから伝わってくる暖かい感覚が消失していった。
俺はもう消えてしまうのか…
なかなかあっけなく終わるんだな
俺はもう消えそうな視界でユウの顔を見る。今にも泣き出しそうな顔をしているくせに俺が顔を向けると無理をして笑顔を作ってくれる
全くお前は優しいやつだよ…
ユウ…俺にこんないい思い出をくれてさ…
俺のために笑顔を見せてくれて…
そして、俺をずっと好きでいてくれて…
「「ありがとう」」
最後声が二重に被ったことを今でも俺は思い出にしてる
恋をすると世界が変わる。それは本当だ。確かに俺の世界は激変した。最悪な方向に。だって中学生で急に命のやり取りなんてしなくちゃいけなくなるんだから。
でも、それ以上に恋は劇的で美しい。その気になれば運命の再開を果たしたりするほどに。
今回はそんな俺の話だ。数年前の出来事だからつい最近のことのように感じるよ。
ん?なに?新しい好きな人はできたかって?
それがさ昔のことは忘れようと思ってもなかなか振り切れなくてな。
今でも、あいつのことが好きだよ
終了です。今までありがとうございました。tayuuの次回作にご期待ください
というわけで終わりました。意外と頑張りましたよ。これも皆さんの応援があってこそです。ありがとうございました。
あ、ついでにこの最終話短いですけど最終回だからといって長いわけではない。裏をかいてきましたね。
ではさようなら〜
挿絵は冷水先輩が書いてくれました




