魔物農場 リハーサル初日 見せしめ公開処刑
徹夜でリハーサルしていると何人かは
普通は、こんなテンションになんか、ならないよね
っていうテンションになるもの
午前3時を過ぎると、それが強く出だす
やっぱり、人というのは夜は眠るようにできているようだ
白いTシャツに、雌ペガサスと役名が書かれた
女の役者さんが得に普段と違うテンションになっている
脚本には、さらっとナレーションで終わらすはずだった
旦那っていう事になっている雄ペガサスが
高齢になって病気になって弱って働けなくなったから
反逆者という事に陥れられ
雌ペガサスの弁護は聞き入れられずに
ヒデヨッシーによって見せしめ処刑される事が決まってしまう
というシーンを3人で勝手に作って
アドリブでセリフを充てて演じだす
脚本を書いた人と、演出でもあるフジワーラ役の二人は
呆然としている。「何を考えているのだコイツラ」
とでも言いたそうだ
「なぜです? どうしてです?
我等が魔物農場で一緒に働いていく中で
色んな困難が訪れた時に誰よりも頑張った夫が
フジワーラ同志を心より信奉し
フジワーラ同志が語る事には間違いない
と皆に呼びかけていた夫が・・・反逆者?
トージョーや、西農場主と結託していたと?
何故ですか? どこに、そんな証拠があるというのですか?」
ヒデヨッシー役が、答える
『確かに長年に渡って我が魔物農場の運営に
彼は貢献してきてくれた
農作物が不作の時は痩せ細っても耐え
自分の食べる分が少ないなどと不満を言わず
”もっと頑張って生産効率をあげれば
こんな事には二度と成らないはずだ
みんな、もっと頑張ろう。いや私は頑張る”
と皆の見本となってくれた
だがだ、最近の彼は、どうだろうか?
掛け声をかけるだけで農作業が出来なくなってしまった
新しく、この農場に来た魔物の君たち
君達が見るのは、昔では無く、今であろう
今、彼が魔物農場に必要だろうか?
不要だ。みんな、そう思うだろう?
怠惰で病弱で、いても、いなくても いい存在だ
その上にだ、許すまじ発言であったのは
追放した大ウソつきで
やらない方がマシな事を、やろうと言うだけで
無意味な存在でしかなかったトージョーを
賛美するような事を語った発言だ
昔、元農場主であったオーガと戦った時
まるで英雄のように戦ったとか?
馬鹿な事を言うな、全てフジワーラ同志によるものだ
間違った歴史を言い張るなどいうのは
反逆以外の何であるというのだ?』
ここで、何も言い出せずペガサス夫婦が黙って
終わるのかなーと思っていると
雄ペガサスがアドリブを続ける
「間違った歴史?
過ぎた昔を語っただけなのに反逆者だ
そう言うのですか?
私が歴史を語ったのは、実際にあった事を語り
同じようにオーガと戦う必要が発生するという事が
再び起こった時に何が必要なのかを考えて欲しい
そう思って昔の事を語っただけです
確かに私は文字が読めないし書けないほどに愚かです
だが農場の歴史を語り継ぐ事は出来るし
過去の事実を忘れてしまうほどに愚かでは無い
過去の事実を語る事を反逆というのでしょうか?
どうしてですか?」
ヒデヨッシー役が更に続ける
『今の我等には必要ない事だと言っている
しかも、事実では無い。
貴様が、こうだったと思い込んだ
捏造された歴史であり、農場全体にとって害悪な事だ
今の貴様のような退廃的で怠け者な嘘つきは
この農場に、いや、この世に存在してはならない
今すぐ処刑すべきだと決まった
君は、単に自分が存在していた事を示したい
という自己顕示欲という馬鹿げた欲による
自分の不用意な発言によって
自分で破滅への運命を作ってしまったのだ
もう、何を言おうが決まった事だ
それを覆そうとするのは無理だ
無理なものは無理なのだ 諦めて受け入れろ』
といった所で、流石に座長が止める
「はい、そこまで!!
いや、それくらいまでで、いいから
今のアドリブ、録音してた? ああ、してるんだ
アドリブやった3人、覚えてて同じように出来る?
というか、やるにしても、もっとマシな感じに出来る?
それくらいまでで
後はフェンリルが吠えて何かに噛みつく音と
肉を食べるかのような咀嚼音を流して
終わりにしようね
やりすぎると、ラストシーンに繋がらなくなるから
下手すると物語のツジツマが合わなくなるから」




