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人生

作者: harap1239
掲載日:2026/01/16

人生は「意味があるもの」ではない。少なくとも最初から意味が付属して生まれてくるような親切設計ではない。意味があると思い込める人間が後から無理やりラベルを貼っているだけだ。ここで勘違いしがちなのは、「意味がない=価値がない」ではないという点だ。意味はなくても、現象としては起きるし、痛みも快楽も等しく本物だ。この世界はだいたい不親切で、説明書は入っていない。

人生は「意味があるもの」ではない。少なくとも最初から意味が付属して生まれてくるような親切設計ではない。意味があると思い込める人間が後から無理やりラベルを貼っているだけだ。ここで勘違いしがちなのは、「意味がない=価値がない」ではないという点だ。意味はなくても、現象としては起きるし、痛みも快楽も等しく本物だ。この世界はだいたい不親切で、説明書は入っていない。


人はよく「自分探し」をする。だが、探して見つかるほど自分は完成品じゃない。人間は未完成なまま放り出され、選択と失敗を繰り返す過程で形が歪んでいく。その歪みこそが人格で、個性で、人生の正体だ。最適解を探す姿勢は合理的に見えるが、人生においてはだいたい裏切られる。なぜなら、後から振り返って初めて「それっぽい物語」が生成されるだけだからだ。


努力は報われるか。報われることもあるし、普通に報われないことの方が多い。努力が万能だと思っている人間は、たいてい運の良さを努力だと誤認している。逆に、努力を一切信用しない人間は、失敗したときの自尊心を守るために冷笑を選んでいる場合が多い。現実はもっと雑で、努力は「成功の必要条件の一つ」くらいの位置にある。それ以上でも以下でもない。


才能という言葉は便利だが、残酷だ。才能は事前に配られ、本人の意思とは無関係に差がつく。それを直視できない社会は、「努力すれば誰でも」という幻想を流通させる。だが、才能があるかどうかと、人が何を選ぶかは別問題だ。勝てない戦場に立ち続けるのも自由だし、勝てる場所を探すのも自由だ。どちらが正しいかではなく、どちらを自分で選んだかが重要になる。


人間関係は人生を豊かにもするし、簡単に破壊もする。人は他人に理解されたいと言いながら、実際には「誤解されない程度に分かってほしい」という矛盾した欲望を持っている。完全な理解は起きない。それでも誰かと関わるのは、孤独が人を摩耗させるからだ。孤独は静かで、長期的で、確実に効いてくる毒だ。


幸福は到達点ではない。一定時間、苦痛が相対的に少ない状態を指す言葉にすぎない。常に幸せであろうとする人ほど、少しの不幸に耐えられなくなる。人生は安定ではなく、揺れの中でバランスを取り続ける作業に近い。転ばないことより、転んだ後に立ち上がる動線を知っているかどうかが効いてくる。


失敗は避けるべきか。避けられるなら避けた方がいい。ただし、避けた結果として何も選ばなかった失敗は、後になって一番重くのしかかる。人はやらなかったことを、やったこと以上に美化する。だからこそ、失敗には具体性がある方がまだマシだ。少なくとも反省材料になる。


最終的に人生に必要なのは、壮大な夢でも、他人に誇れる成功でもない。「それでも生きていてよかった」と思える瞬間が、たまに発生する程度の時間配分だ。頻度は低くていい。その代わり、嘘じゃないことが重要だ。


世界は理不尽で、努力は裏切られ、他人は完全には分かり合えない。それでもなお、自分で選んだ選択の責任を引き受ける覚悟があるなら、人生はただの消耗戦では終わらない。少なくとも、自分の人生を他人のせいにし続けるよりは、ずっとマシだ。

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