エピソード4
〚さて、私も帰るとしますか……。〛
家に帰ると、リビングには瑠衣がいた。彼女はメリーを抱きしめた。
「おかえり、メリー!」
〚ええ、ただいま、瑠衣。〛
「あら、お洋服が汚れているわね。」
瑠衣に新しい水色のワンピースに着替えさせてもらい、ソファーに座らせてもらった。
「おやすみ、メリー。」
(き……今日も甘いな)
今日もまた、大智と瑠衣のラブラブぶりは止まらない。仲良くキャッキャとケーキを作っている。二人の甘さとケーキの甘さで、胸焼けがしそうだ。大智たちと会ってからのこの一ヶ月、色々なことがあった。
(まさか、こんなことになるなんてね)
大智と出会い、瑠衣と出会い、影山と梅。優しい人たちに囲まれている。
(だけど、これでいいのかな?)
ふと、そんな 思いがメリーの 心をよぎった。温かい人たちとの時間は心地よい。けれど、その心地よさに浸っているだけで、本当にいいのだろうか?
あの夜、 不安の先に感じた微かな光。そして、耳の奥に響いた、意味のわからない 不思議な声。あれはいったい何だったのだろう?
優しい人たちとの日常は 暖かい。まるで、 な毛布に包まれているようだ。しかし、その 温かさは、同時に彼女の 奥 に眠る何かを、ゆっくりと溶かしているような気もするのだ。
(私は、もっと何かをしなければならないのではないか?)
窓の外の 太陽 が、部屋の中に 優しい光を投げかけている。その 優しい光 を見つめながら、メリーは ため息をついた 。彼女の 心に、 2人を守ろうと思う小さな決意が芽生え始めていた。