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異世界戦記〜〜〜〜〜〜  作者: 松谷麦
第一章 転生した先は剣と魔法の異世界?!
1/1

行って来ます

1939年

 春風が桜の花を舞わせる、心地の良い風を吹かせる。

「よっ、富作!また本なんか読んでんの?最近えらく勉強臭くなったよねー」

千夏は鼻を摘みながら薄ら笑みを浮かべて言う。

「お前も本を読んだ方がいい、きっとその足りない頭には効く。」

本の角でコツンと千夏の頭を叩く。

俺と千夏は家が近所だった、昔から家族ぐるみで接する機会も多かったが今ほどは話さなかった。

きっかけは2年前、女の割に男まさりな性格だった千夏はよくいじめられていた、

ほんの気まぐれで一度助けたらそれ以来懐くようになった。

それからは千夏の方から近寄ってくるようになった。

「私は勉強が好きじゃないんだ、それに!勉強なんてしても将来役になんて立たないだろ!」

「そんなことはない、俺はいつかこんな田舎を出て都会に行く。」

「え!?ここから出るの?!そんな、親父達になんて言われるか」

「俺は俺で自由にやりたいんだ、年寄りの言いなりなんてごめんだ。」

親父達は俺たち若いものを道具としか見てない、親父達の思うようには絶対ならない。

「ふ、ふーん、そっか・・そうなんだなぁ」

そういう千夏の顔が少ししょぼくれた様に見えた。

そういえばこいついつから自分のことを『私』なんて言うようになったんだ?

昔から一人称は『千夏』だった気がするが、まぁコイツももう15歳だし一人称なんて変わるか。

「?、富作?」

「なんでもない、帰るぞ」

本に付箋を挟めて立ち上がる。

「あ!待ってー!」

千夏が俺の後ろをつづいて歩く


_________________________________________


 1941年 4月

俺はいつものように本を読みに玄関を開ける

「萩原富作さんでよろしいでしょうか。」

そこに立っていたのは赤い紙を持った神妙な面立ちの男だった

「おめでとうございます」

 そう言われ赤い紙を渡される。

「ありがとう、ございます」

 震える手で紙を受け取る。

男は敬礼をし去っていった。

それが何かはわかっている、考えれば考えるほどに頭が真っ白になっていく

徴兵、俺は18歳だ、当たり前だ、今まで平和に生きてこられた、今度は俺の番、国のために戦う。それは名誉なこと・・・・狂ってる

「富作っっ!!」

名前を呼ばれた、声のする方には千夏がいた

「さっき兵事係が富作ん家にいくのが見えーーー」

千夏の目線が紙に落ちたのがわかった。

「そんな・・・」

千夏の目から大きな雫がポロポロと溢れてくる、コイツも泣くのか。

今思えば千夏の泣いた顔なんてあんまり見なかったな、最後に見たのはカエルを投げつけたときくらいか。

千夏が思いついたような顔をし手を握る。

「なあ・・・逃げよ、私も一緒に逃げるからさ」

「徴兵制度は厳格だ、そうなれば俺は逃亡兵として扱われる。捕まれば逆に何をされるか分からん」

「そんなの捕まらなければいいじゃん!山とかに隠れてさ!」

「その間の食料はどうする、山で野宿なんて仮に熊に襲われればどのみち死ぬ。」

「じゃあ!誰かの家に隠れるとかは!?」

「このご時世だ自分たちで手一杯だろ、もし徴兵から逃げてるなんて言っても

密告されるか追い払われるかのどっちかだ。」

「じゃ、じゃあ!!」

「もういいっ!!!!」

握られた手を振る払う、千夏の目が丸くなった。

「気持ちはありがたいが無駄だ、俺は戦争に行くしかない。」

「そんな、、生きて帰ってこれる?」

「可能性は・・・なくはない。」

「それじゃダメ、絶対・・帰ってきて・・・」

千夏が俺の胸で泣く。俺は千夏を抱きしめる

「ああ、わかった。」


ーー2週間後ーー

とうとう出頭の日が来た、ここ最近は妙に冷静だった。

親父達は泣いていた、てっきり国のためにとか言い出すかと思ったのだが意外だ。

「富作、無事に帰って来い」

親父が抱きついて来る。

「わかってる」

「いいか、戦場とは戦意を喪失させた奴から死んでいく、殺すか殺されるかの世界だ。

だが富作、お前はただ生き残れ、恥を捨ててでも、仲間の屍を踏み台にしてでも生き残れ。

お前は街に出たいんだろう、帰ったら金を出してやる。」

「なんで、知ってたのか」

「千夏から聞いたぞ、立派なことだ。だから生きて帰ってこい。」

あの親父がここまで言うなんて、俺は親父を勘違いしてたかもな。

「ああ、いって行きます」

玄関を開けた先には出頭用の車が手配してあった

「萩原富作様、お別れの挨拶は大丈夫ですか?」

「はい」

俺は車に乗る。

ミラーから親父達の姿が見える。

車が動き出す、道が整備されていないせいか振動で体が浮きそうになる。

次にここに帰ってくるときはお盆か、できれば生きて帰ってきたいが・・・いや違うな

帰るんだ生きて。

ふと窓を見ると千夏が手を振っていた、涙でぐしゃぐしゃになった千夏が精一杯手を振っている。

「あいつ・・・」

不覚にも涙が込み上げてきてしまった、ああ、分かってるよ、絶対に生き残ってやる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ご遺族の皆様へ、


誠に残念ながら、日本の兵士である

萩原富作二等兵が、2XXX年11月7日、戦地において

戦死いたしました。彼の忠誠と英雄的な奉仕に深い感謝の意を表します。

初めまして松谷麦です、初めてなろうに作品を投稿します

小説を書くのも初めてなので温かい目で見てください。一応は継続して連載して行こうと思いますが

マイペース投稿になります、まぁそこはモチベーションとリアルの都合次第にもよりますのでご了承ください。

ちなみに作品タイトルはすごく適当なので何かいい名前があればコメントよろしくお願いします。

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