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91.配信休止=礼嬢オリィは意を決してその扉を鳴らす。

 

 息を整え、心を落ち着けた私達はあの女性から聞き出した白崎さんの実家へと向かい、ついにその玄関の前までやってきた。


「――――ようやくここまできたねオリィちゃん」


 少し緊張した面持ちのノーみりん先生が深呼吸をしてからそう口にする。


 あの奔放なノーみりん先生がこんなふうに緊張するのは意外だと思ったけど、その気持ちは分からなくもない……というより、私だって物凄く緊張している。


 そもそも、今回の騒動を受けて白崎さんがどういう気持ちで日々を過ごしてきたかを私達は知らない。


 想像する事はできても、本人じゃない以上、それは妄想の域を出ないし、人の心内を完全に理解するなんて芸当は誰にもできないだろう。


 だから今の私達の行動は白崎さんにとって余計なお世話という可能性だって大いにある。


 もしかしたら放っておいてほしい、そっとしておいてくれと思っているかもしれない。


 けれど、私達はそんな白崎さんの気持ちを踏みにじってでも、立ち上がってほしい、漆黒ゆうぐれを終わらせたくないと思ったからこそ、ここにいる。


 もちろん、白崎さんの事は心配だし、寄り添う事で彼女が救われるなら私はそうすると思う。


 でも、叶うのなら白崎さんの心を救い、漆黒ゆうぐれとして復活を果たしてほしい……傲慢かもしれないけど、私達が目指すのはそういうハッピーエンドな結末だ。


「はぁ……ふぅ…………ええ、ここまできたら引き返すという選択肢はありません……いきますよ」


 ノーみりん先生と同様に深呼吸をし、言葉を返した私は意を決してインターホンへと手を伸ばす。


 緊張の一瞬、鳴り響くチャイム音が家の中に木霊しているのを耳にしながら、息を呑み、反応を待つ私達。


 十秒、三十秒、一分と時間が過ぎていくも、しんと静まり返ったままで、一向に誰かが出てくる気配すらない。


「…………反応がないね。もしかして留守なのかな?」

「……どうでしょう。もしかしたら警戒されてるのかもしれません」


 実家の場所が特定されたなんて記事は見かけなかったし、あの女性だって流石にそれくらいの分別はあると思うけど、それでもあんな騒動があった後なら警戒して出なくてもおかしくはない。


 無論、ノーみりん先生の言う通り、他に誰もいなくて、白崎さんも出れるような精神状態ではない可能性もあるが、どちらにしても私達にできる事は再度、インターホンを押すくらいしかなかった。


「……ひとまずもう一度押してみる?」

「そう……ですね。流石に何度も押すのはどうかと思いますし、もう一度押して反応を…………」

「――――あの、うちに何か用ですか?」



91.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


辿り着いた彼女のいる場所を前に礼嬢オリィとノーみりん先生は漆黒ゆうぐれを救えるのか……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「意外でしたわ……ノーみりんお母様みたいな人でも緊張する時はするんですのね」

「……そりゃそうだよ。私はつよつよのイラストレーターだけど、普通の可愛い女の子だもん」

「え……?普通の……可愛い……女……の子?」

「……その疑問符がどこに引っ掛かりを覚えたのか、ちょっと小一時間ほどオハナシしよっかオリィちゃん?」

「…………あ、私、用事を思い出したので失礼しますわ」

「ちょっと待ちなさい!逃さないからね!!」


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