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89.配信休止=礼嬢オリィは笑顔の仮面を貼りつける。


 たぶん、目の前の女性は白崎さんに対して悪意を持っている。原因がなんなのか、白崎さんと女性の間に何があったのかは分からない。


 でも、白崎さんの事を少しでもこの女性に教えたら碌な事にはならないというのは分かる。


 だから私達は白崎さんの事を話さないよう上手く会話を誘導しながら、逆に女性から情報を聞き出す必要があった。


「……ええと、それで私達に何か用?彼女の知り合いかどうかを聞いてきたみたいだけど」

「あ、あーそうだった。いやね、アタシも詳しくは知らないんだけど、白崎の奴、何か動画で稼いで有名なんでしょ?アイツの情報を高いお金を払ってでも欲しいって奴がいてさ、中学時代の事とかはもう売っちゃてて、ネタがないんだよね。んでどうしよっかなって思ってたとこにアンタ達を見つけたってワケ――――」


 そこからわざわざ聞いてもいない事をべらべらと喋り続ける女性。


 やれ自分は可哀そうだの、あんな陰キャが有名で幸せそうにしているのは不公平だとか、だからある事ない事を情報の中に紛れ込ませてやっただとか、とにかく白崎さんへの悪感情と自分の不幸や成功した人への嫉妬ばかりを口にしていた。


 聞くに堪えない話……正直、私もノーみりん先生もその内容のほとんどを聞いていなかったけど、一つだけ分かった事がある。


 今、出回っている漆黒ゆうぐれに関しての噂の元はこの女性だということだ。


 情報を買っている誰かが、どうして漆黒ゆうぐれ=白崎朝陽だと知っているのかという疑問は残るが、少なくとも白崎さん……漆黒ゆうぐれが活動休止する要因は目の前の女性なのは間違いない。


「――――んで、実は白崎の奴が帰ってきた時にたまたま会ってさ、最初は変わり過ぎてアイツだって分かんなかったけど、家に入っていこうとしたから〝もしかして白崎?〟って聞いたら案の定、急にきょどり出して笑っちゃった」

「っ――――」


 実家の場所を聞くために感情を抑えている中、あまりの悪辣な物言いを前に我慢の限界を迎えたノーみりん先生が怒りのまま声を上げそうになる。


「――――そうなんですか。えっと、そうだ!よろしければ白崎さんの実家の場所を教えてくれませんか?あ、名前と連絡先を教えてくださいよ。もし、彼女から色々聞けたらそれを提供できますし……」


 そんなノーみりん先生を手で制し、にっこりと笑顔を張り付けた私は口を挟ませない勢いでそう詰め寄った。


「え、あ、ああ、そうしてくれるならアタシ的に凄い助かるからいいんだけど……」

「なら決まりですね。ああ、私は山田でこちらは佐藤といいます。またこちらから連絡いたしますので」


 息を吐くように偽名を使って話を進め、疑念を抱くよりも前に名前と電話番号、そして白崎さんの実家の場所を聞き出した私は貼り付けた笑顔のまま、ノーみりん先生の手を引いてその場を後にする。


 本当なら私もノーみりん先生のように怒るべきだし、実際、内心はあの女性を殴り飛ばしてやりたいくらいだったけど、今はともかく白崎さんの方が優先だ。


 まあ、だからといってあの女性……そして情報を買った奴を許す気なんて毛頭ないのだけれど。



89.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


あまりの物言いに憤るノーみりん先生を制し、笑顔を貼り付けながらも、報いを受けさせる事を心に決めた礼嬢オリィは果たして……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「……この時はゆうぐれちゃんの事を悪く言われて頭に血が登っちゃって……オリィちゃんが止めてくれなかったらたぶん、向こうが泣くまで詰めてたと思う」

「……仕方ありませんわ。私だって手が出る寸前でしたもの」

「……正直、私はあの人も、その後ろにいる誰かにもきちんと報いを受けさせたい。それが難しいのはわかってるんだけど、それでも何か罰が当たって然るべきだよ」

「もちろん、ですわ。私だってこのまま済ませる気はありません。白崎さんの件が解決し次第、報いを受けてもらいます……絶対に逃がしませんわ」


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