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87.配信休止=彼女は振り返った過去に馳せ、今を嘆く。

 

 あの面接から私の日常は一変した。


 あの時、私の事を面白いと評してくれた女性はあーるくらふとの社長だったらしく、面接のすぐ後、〝貴女は合格だけど、私を失望させないでね。あ、正式な通達は書面でおくるから〟と言われ、晴れてVtuberへの第一段階を乗り越える事ができた。


 まだデビューが決まったとかではなかったけれど、正式な書類が届いた時はお母さんが泣きながら物凄く喜んでくれた事はたぶん、人生で一番嬉しかった出来事だと思う。


 ともかく、私はあーるくらふとへの所属が決まり、そこからはデビューまでの打ち合わせや契約内容の説明など、慌ただしく動き、目の回る日々だった。


 当時の私は面接で演じた傲岸不遜なキャラを通し、デザインを担当するイラストレーター……ママを小鳥遊ミリア先生にお願いしたい、それ以外は認めないと駄々をこね、受けてくれるまでデビューしないと譲らなかった。


普通、その時点で契約を切られてもおかしくなかったけど、社長は私の我儘を許容してくれた。


 だから私は社長の伝手を小鳥遊ミリア先生の身元を知り、押しかけ、デザインしてくれるように頼み込んだ。


 それがきっかけで色々な初めてを経験して、大切なお友達もできて……唯一無二の半身ともいえる〝漆黒ゆうぐれ〟とも出会い、最強Vtuberとしてこれまで過ごしてきた。けど――――


「…………それも終わりかな……社長の期待を裏切って失望させちゃっただろうし、最強Vtuber〝漆黒ゆうぐれ〟の名前に傷もつけた……私はもう理想の私を演じる自信もない……ごめんなさい、みんな……ごめんなさい、お母さん」


 カーテンを閉め切った薄暗い部屋の中、布団を被って目を閉じ、今までの過去を振り返ったけれど、現実は何一つ変わらなかった。


 漆黒ゆうぐれは姿を消し、私は実家の部屋に閉じこもったまま、心配してくれているお母さんともずっと喋っていない。


 もう私に自分の足で立ち上がる力は残っていない。


 いっそこのまま静かに消えてしまいたい……そんな考えばかりが浮かんでくる。


「――――朝陽、起きてる?お昼ご飯、部屋の前に置いておくからね」


 ノックする音と共にドア越しにお母さんの声が響くけど、私はそれに答えない。


「……ねえ、朝陽。お母さんは朝陽が元気で生きていてくれるならそれでいいの。顔を見せてとか、お話してなんて言わない……でも、少しでいいからご飯は食べて、ね?……お願い……だから」

「っ――――」


 きっと私を慮ってくれたのだろう。声を殺して嗚咽を漏らすお母さんの様子がドア越しでも伝わり、私はどうしていいか分からないまま、込み上げる気持ちを熱い吐息として吐き出した。



87.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


振り返った過去に想いを馳せ、今から目を背けた彼女は立ち上がれるのか……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「あの面接を経てノーみりんお母様と出会い、今へと繋がる……でも、ゆうぐれ様の辛そうな様子は見てられませんわ……」

「……それでも私達が目を背けるわけにはいかないよ。それにゆうぐれちゃんは絶対に立ち上がる……ううん、立ち上がらせて見せる、でしょ?オリィちゃん」

「……そう、ですわね。ゆうぐれ様が一人で立ち上がれないというのなら手を差し伸べる……それが友達というものですわ!」

「うんうん、それじゃあゆうぐれちゃんを救いにいこっ!」


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