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86.配信休止=彼女は最強への一歩を振り返る。

 

「――――配信を通して私が完全無欠で最強だという事をみんなに知ってほしい、認めてほしいと思って応募しました。私は売れるので採用してください」


 綺麗に片付いたオフィス、リノリウムの床にぽつりと一つ椅子が置いてあり、それに向かい合う形で三人の面接官が並んでいる中、理想の自分を演じる私は不遜ともいえる物言いでそう言い放った。


 たぶん、普段の私だったらこんな事は言わない……というか、そもそも面接というこの形式を前に喋る事すらできなかったと思う。


 でも、何度も吐き戻しながら理想の自分を演じ続けた結果、私はどんな状況でもそれを崩さずに喋り続けられるようになった。


 だから今回、意を決して新進気鋭のVtuber事務所である〝あーるくらふと〟に応募し、書類選考を経て、二次審査であるこの面接へとやってきたのだが、いくら理想の自分を演じたところで普通にやって合格をもぎ取れるわけがないと考えた私は思い切ったキャラ付けで印象に残ろうとした。


 正直、この部分に関しては賭けだったので、面接官がどう反応するのか、全然予想がつかなかったけど、三人の内二人は私の発言を前に驚いた表情を浮かべた。


「……なるほど、売れるので採用してください、ですか。今まで何度か面接を担当してきましたが、そんな発言をした人は貴女が初めてですよ――――うちの事務所ができたばっかりの弱小だからって舐めてませんか?」


 三人の中で唯一、表情をぴくりとも変えなかった女性が鋭い視線と共に口を開き、その底冷えするような圧力の込められた発言に室内が緊張に支配される。


「……舐めてませんよ。私はこの事務所がこれからどんどん大きくなると思ったからこそ応募したんです。完全無欠で最強な私がデビューするのにこれ以上の場所はない……私を始めとして、これからのVtuber業界を牽引する事務所になりませんか?」


 私の理想とする私はたとえ圧力の中にあっても、決して怯んだりせずに堂々とした態度を崩さない……そんな考えの下、未だに鋭い視線をぶつけてくる女性を真っすぐ見つめ返した。


「………………ふ、ふふっ……ふふふふ…………面白い、面白いわね貴女。まさかもまさか、あの空気の中で萎縮するどころか、あれだけ堂々と返してくるなんて大した胆力だわ……ねぇ、改めて貴女の名前を教えてくれるかしら?」

「――――完全無欠、最強無敵な最強Vtuberになる白崎朝陽です。よろしくお願いします」


 他の二人の面接官を置いてけぼりにしたやり取りを経て、私は無事に〝あーるくらふと〟への合格を果たしたのだった。



86.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


理想の自分と共に面接へと挑んだ彼女を見込んだ女性の正体とは……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「め、面接で〝私は売れるから〟なんて……私、口が裂けても言えませんわ」

「いや〜いいねぇ……そういうの大好きだよ私。流石ゆうぐれちゃん」

「……そうでした。ノーみりんお母様もそういう事をする側の人でしたわ」

「……そうは言うけど、オリィちゃんも大概というか…………うん」

「ちょ、なんですのその間は!私はあくまで常識人ですわよ!」

「…………ソウダネ―ウン、オリィチャンハジョウシキジンダヨ」

「な、何でカタコトなんですの!お母様!?」


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