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77.配信休止=礼嬢オリィはその覚悟を前に気圧される。

 

 銀杏(いちょう)ぎんか……まだ私が礼嬢オリィになる前、Vtuberの事を調べていた頃に何度か配信を覗いた事がある。


 確か漆黒ゆうぐれより後にデビューし、優しく相談を聞いてくれる包容力と持ち前の明るさで人気を集めているあーるくらふと所属のVtuberだったはずだ。


 つまり、そう名乗った以上、話しかけてきたこの女性がその銀杏ぎんか本人という事だろう。


「……このタイミングでお話という事は、ただの雑談って訳じゃないですよね?」

「ええ、もちろん話題はゆうぐれ先輩の事です。私の知っている範囲でよければお話しますよ」

「なっ……ちょ、ぎんかさん!?それは流石に――――」


 慌てた様子でぎんかさんを止めようとする受付の女性だったが、彼女の有無を言わせぬ視線に射抜かれ、言葉を止める。


「……もし、今回の件で何かお咎めがあるというなら大人しく受け入れます。それでゆうぐれ先輩を救えるのなら仮に契約解除になったとしても後悔はありません」


 会社の方針で情報統制が敷かれている中、それに逆らって漆黒ゆうぐれの事を話したとなれば、契約解除になる可能性は十分にある。


 けれど、彼女はそれを承知で私達に話す覚悟らしい。


「……その、本当に良いんですか?私達としては話を聞きたいですけど、それで貴女が契約解除になるのは――――」

「構いません。それとも私の事を理由に聞くのを止める程度の覚悟でここに来たんですか?」


 困ったように笑った彼女がそう問い返してくるけれど、私はそれに即答する事ができなかった。


 だってそうだろう。もし、私が逆の立場だとして、礼嬢オリィである事を辞めてまで、誰かのために動けるかと聞かれれば否だ。


 今の私は礼嬢オリィである事が全て……それを捨てれば何も残らないのだから。


「……たぶん、オリィちゃんにその質問は答えられないだろうから私が代わりに答えるよ。たとえ、君が契約解除になるかもしれなくても、ゆうぐれちゃんの事を知りたい……だから教えてくれるかな?ぎんかちゃん」

「…………ふふっ、そこは変わらないみたいで良かった。それでこそだよ」


 答えに詰まる私に代わって彼女と真っ直ぐ向き合い、答えるノーみりん先生。それに対して彼女は小さく笑みを浮かべてそう呟く。


「?それはどういう――――」

「……なんでもないですよ。今はそれよりもゆうぐれ先輩の話をしましょう。そのためにここまできたんじゃないんですか?」


 寂しげに首を振り、答えたぎんかさんは表情を引き締めると漆黒ゆうぐれの現状についてを私達に話し始めた。



77.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


自らの進退を懸けてまで漆黒ゆうぐれを救おうとする銀杏ぎんか。その覚悟を前に彼女達は……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「……正直、この時の私は彼女の覚悟に気圧されましたわ。し……ゆうぐれ様を助けたいと心の底から思っていた筈なのに」

「……私はオリィちゃんが悪いとも、覚悟が足りないとも思わないよ。今の君にとって〝礼嬢オリィ〟は存在意義そのものだもん。もし、ぎんかちゃんの立場になったらって考えて詰まるのは当然の反応だと思う」

「…………それでも、ですわ。私はゆうぐれ様を助けるためならそれを懸けて然るべき……それくらいの恩を受けましたもの」

「……本当に強情だね。それでこそオリィちゃんだ」


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