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76.配信休止=礼嬢オリィは正直に助けたいという想いをぶつける。

 

 私の言葉に事務員の女性は疑念と驚愕の表情を浮かべる。


 たぶん、誰とも知れない私が漆黒ゆうぐれの本名を呼んだ事に驚いたのだろうけど、今はそんな事どうでも良かった。


「貴女は一体…………」

「私はただの個人勢Vtuberですよ。礼嬢オリィという名前で白崎さんとはコラボさせていただきました」

「礼嬢オリィ……貴女が…………」


 やはりというべきか、礼嬢オリィの名前は知っていたようだ。自社のタレントとコラボした相手なのだから当然なのかもしれないが、知っているのなら話が早い。


「……私はあのコラボで白崎さんに救われました。もしかしたら彼女にそんなつもりはなかったかもしれません。でも、確かに私は彼女……白崎さんの在り方、その優しさに助けられたんです。だから今度は私が彼女を助ける番…………もう一度聞きます。白崎さんは本当に大丈夫なんですか?」

「………………ごめんなさい。タレントの事情に関しては、やっぱり答える事はできません。ただ、事務所としてもこのまま放置するつもりはありません。安心してください……とは言いませんが、こちらに任せて今回はお引き取り下さい」


 長い沈黙の後、出てきたのは謝罪の言葉。きっと事務員の女性もどうすべきか揺れていたのだろう。


 けれど、最終的に感情に流されて会社としての方針に背くわけにはいかないと踏み止まった。


 それは社会人として正しい判断だし、責められるものでもない。


 でも、だからといって言葉の通りに引き下がるわけにもいかない。


 事務所がどう対応するか分からないけど、それで解決できる問題ならすでに解決しているだろうし、白崎さんが私達からの連絡を拒む理由もないのだから。


「……一社員として会社の決定に従わないといけないのは分かります。けど、帰れと言われて素直に帰るくらいなら最初からここまで来てないです。だから引き下がりません」

「……ちなみに私もオリィちゃんと同意見ですよ。ゆうぐれちゃんに起きた事を教えてくれるか、本人と連絡が取れるまでは絶対に帰るつもりですから」


 絶対に引き下がらないという確固たる意志を持って向き合う私達を前に事務員の女性もそれを悟ったのか、真っすぐこちらを見据えてくる。


「…………なら仕方ありません。本当はこんなことしたくありませんけど、こちらも引き下がれませんから。警備を呼ばせてもらいま――――」

「――――あの、ちょっといいですか?」


 覚悟を決め、冷徹な判断を下した事務員の女性が警備員を呼んで私達を排除しようとしたその瞬間、それを遮るように一人の女性が後ろから声を掛けてきた。


「貴女は…………」

「初めまして、礼嬢オリィさん。私はゆうぐれ先輩の後輩で銀杏ぎんかといいます。もし、よろしければ少しお話しませんか?」


 声を掛けてきた女性……銀杏ぎんかはそう言ってにこりと笑う。


 何故だか分からないけれど、私はその笑顔にどこか悲壮なものが含まれているように見えた。



76.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


正体を告げ、抱く想いを正直に伝える彼女達。果たして彼女達は漆黒ゆうぐれを救えるのか……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「いや〜この時のオリィちゃんは格好良かったねぇ……惚れ直しちゃった」

「……私はただ正直に気持ちを伝えただけですわ。それでも事情を聞くことは叶いませんでしたけど」

「……まあ、彼女にも譲れないものがあったんだろうから仕方ないよ」

「……ですわね。事情はあの子に聞けましたから、これ以上、何か言うのは筋違いというものですわ」

「…………本当に助かったよね。それにしてもあの子とどこかで会った事があるような――――」

「……さあ?私には分かりませんわ」


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