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67.お絵描き準備=彼女は少女に感化され、少しだけ前を向いてみる。

 

「……強いですね白崎さんは。私にはどうしたってそういうふうに思う事ができそうにありませんよ」


 ずっと心の内に抱えていた悩みや後悔を驚くほどばっさりと切り捨てた彼女の強さを前に私はどこか眩しさを覚え、自嘲の笑みを浮かべて俯く。


 彼女の言っている事は全て正論だ。確かに企業とライバーの連携なんて向こうがやるものだろうし、一度OKを出したデザインを配信が伸びない理由にされたってこちらからすれば知ったこっちゃないの一言に尽きる。


 けれど、私はその正論を振りかざす事ができない。私がもっと完璧で凄いデザインを描いていれば、もっと上手く連携を取れていれば、もっと、もっと、どうしてもそう考えてしまう。


「別に私は強いわけじゃないです……けど、そうですね……ミリアさん少し責任感が強過ぎるのかもしれませんね」

「責任感……でもそれは大事なんじゃ……」

「確かに責任感を持つのは大事だと思います。でも、必要のない責任まで負う必要はないんです。もう少し、ほんの少しだけ肩の力を抜いても罰は当たりませんよ」


 優しく、諭すような声音で私に言い聞かせる彼女。私自身、そんな事を思ったことはないけれど、本当に気にし過ぎなのかもしれない。


「…………私の気にし過ぎ……本当にそう思いますか?」

「ええ、思います、思いますとも。そもそもミリアさんのデザインは最高なんですから、それにケチをつける向こうが悪いに決まってるじゃないですか」


 恐る恐る、窺うようにそう尋ねる私に彼女は大きく頷き、最終的に頬をぷくっと膨らませて少し怒ったように声を上げた。


「……ふ、ふふ、流石にそれは言い過ぎですよ……もう」

「あ、ちょ、そんなに笑わないでくださいよミリアさん!」


 そんな彼女の様子がなんだかおかしくて思わず笑ってしまい、小さく息を吐いて呼吸を落ち着ける。


「…………でも、ありがとうございます。白崎さんのおかげで少しだけ気持ちが楽になった気がします」

「……それならまあ、良かったですけど……なんだか釈然としませんね」


 笑われた事を気にしているのか、いまだに少し膨れる彼女を宥めようと思って私はなんとなく、その頭を撫でるという行動に出てみた。


「ん……にゅ……これくらいで……誤魔化されませんからね……ふにゅう…………」

「…………思ったよりもチョロ過ぎてこの子の将来が心配になりますね」


 ただ撫でているだけなのにふにゃふにゃ顔で気持ち良さげな声を出す彼女の将来を心配しながらも、されるがままなその姿が可愛くて、私は止めるタイミングを完全に逸してしまう。


 結局、私は注文した料理が届くまで頭を撫で続けた結果、そこからしばらく彼女の距離感がやたらと近くなり、何度もなでなでを強要してくるようになってしまったのは少しだけ面倒くさかった。



67.お絵描き準備をご覧くださり、誠にありがとうございます。


少女の純粋な想いと言葉に感化され、少しだけ前を向く勇気を貰った彼女はもう一度、イラストレーターとして踏み出せるのか……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「昔のゆうぐれ様は子供みたいな事を言いだしたかと思えば、急に大人びた発言をしたりと、なんというか、よくわかりませんわね」

「まあ、良くも悪くも純粋だったんだよ。あの頃のゆうぐれちゃんは」

「……待ちなさい。その言い方だと、まるで今の私が純粋じゃないみたいじゃない」

「?そう言ったつもりだったんだけど」

「……聞き捨てならないわね。私はいつだって純粋で可愛いでしょう?」

「…………そういうところだと思いますわよ。ゆうぐれ様」


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