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66.お絵描き準備=彼女は少女の言葉に唖然とする。

 

 あの後、私は描けなくなるきっかけの出来事……案件の失敗についてを白崎さんに話した。


「――――と、まあ、そんなわけで私の実力不足というか、確認不足のせいで一人のVtuberを企業ごと潰してしまったんです」


 自嘲の笑みを浮かべ、事の顛末を話す私。自分では見る事ができないけど、たぶん、今の私は酷い表情をしていると思う。


……もう乗り越えられたから大丈夫だと思ってたんだけど、やっぱりまだきつい、かな。


 今日、彼女にこうして話すまで、私はあの時の出来事を極力思い出さないようにしていた。


 それはたぶん、私の自己防衛本能みたいなものだと思う。


 イラストを描く事ができなくなったのもそれが一因……描く事で思い出してしまうから身体が、心が、それを拒否してしまった。


 だから今回、身体の警告を無視して描き続けた事で私は体調を崩してしまった……つまるところ、私は完全にトラウマを克服できたわけじゃないのだろう。


「…………あの、少し疑問に思った事があるというか、その」

「……いいですよ。正直に思った事を聞いてください」


 言い淀む彼女に私はそう口にする。正直、彼女が話を聞いて何を思ったのかは分からない。けど、それがどんな言葉でも受け止めるつもりだった。


「じゃあ、ひとつだけ……今の話、ミリアさんに悪いところなんてありましたか?」

「…………え?」


 しかし、彼女の口から出てきたのは全く予想外の言葉。罵るでも寄り添うでもなく、ただ純粋に思ったからこそ出てきたその疑問に私は唖然としたままで答える事ができない。


「だってミリアさんは依頼を受けただけですよね?デザイン自体も向こうが確認してOKを出したんなら文句を言われる筋合いはないと思います」

「や、で、でも、私の描いたデザインがその子と合わなかったせいで……」

「それは向こうの企業とその子のせいですよ。私もそのVtuberの事は知ってますけど、ミリアさんのデザインは変わらず最高でしたし」


 私がずっと抱えてきた悩みや後悔を彼女は向こうが悪いとばっさり切り捨てる。


 その様子からは私の事を庇っているだとか、気を遣っているというような気配はなく、本当にそう思っているようだった。


「でも、私がきちんとその子にも確認が取れるよう気を回していれば――――」

「なんでミリアさんがそこまでする必要があるんですか?こういったら少し酷いかもしれないですけど、確認しなかったその子が悪いですし、それを怠った企業はもっと悪いってだけだと思いますけど……」


 首を傾げ、怪訝な顔をしながらも、彼女は私の言葉を遮り、一刀両断と言わんばかりにその意見を口にする。


「で、でも私はまだまだ駆け出しの無名イラストレーターで、それを使ってもらったわけですし……」

「……それがどうしたんです?有名だろうが、無名だろうが、向こうが依頼してきた以上はそんなもの関係ありません。そこの連携はどう転んだって企業側が取るべきなんですから」


 さらに食い下がる私を真っすぐ見つめ、反論の余地もないくらいにぴしゃりとそう言い放つのだった。



66.お絵描き準備をご覧くださり、誠にありがとうございます。


心の内に秘めた彼女の悩みや後悔をバッサリ切り捨てる少女。客観的なその意見を彼女はどう受け止めるのか……?


この先が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「今回ばかりは私、間違ったことは言っていないと思うのだけど、どうかしらオリィ?」

「……まあ、そうですわね。言い方はゆうぐれ様らしいとは思いますが、その意見には同意ですわ。お話を聞く限り、お母様は悪くないですもの」

「そうよね?そもそも、仮にデザインがどうだったとしても、それを動かすのはあくまで自分……失敗を人のせいにするのは論外よ」

「……ゆうぐれちゃん……オリィちゃんも、その、ありがとうね。今の私はもう大丈夫だけど、二人の気持ちは凄く嬉しいよ」

「……別に私は本当の事を言ったまでよ。そこまで感謝される謂れはないわ」

「……右に同じ、ですわ」

「ふふ……それでも、だよ。本当にありがとうね」


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