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64.お絵描き準備=彼女は空腹に負け、思考を放棄する。

 

 彼女の想いを知り、少しの照れくささとそれに応えたいという強い気持ちを抱きながらも、細かい設定を詰めるべく、私はいくつかの質問をする事に。


「……その、白崎さんが私のデザインを物凄く評価してくれてるのは分かりました。それはとても嬉しいですけど、それでもこの子をどういう風にしたいのか、どういうキャラで動かしていきたいのか、後は名前も……貴女の思い描くイメージを教えてほしいんです」


 私の仕事はあくまで依頼やその子のイメージに沿ったものをキャラクターとしてデザインに起こす事までだ。


 今回は私のイメージが先行してしまったけど、その先は本人が決めるべき……失敗を経てより一層、そう思うようになった。


「そう、ですね……じゃあ、ちょっと恐れ多いですけど、まずは――――」


 彼女からの意見を聞いて細部を決め、それに伴っていらない部分を削り、少しだけデザインを追加して設定を書き込んでいく。


 さっきまでの緩んだ空気は完全に消え、私と彼女は真剣な表情で設定を詰め、気付けば日が暮れるほど時間が経っていた。


「――――じゃあ、ここは……ってもうこんな時間ですか。流石に夢中になり過ぎましたね」


 周囲が薄暗くなったことで時間の経過に気付き、私は上を向いてふっと一息吐く。


 ひとまず、私と彼女のイメージを擦り合わせた事でかなり細かい部分まで設定を詰める事ができた。


 正直、私の主観で描いてしまった以上、彼女が良いと言ってもどこかで齟齬が出るだろうと思っていたが、奇跡的に二人のイメージが合致していたらしく、思いの外、手直しする部分は少なく済んだ。


「ふぃ~……なんか凄い疲れました~……お腹も空きましたし、今日はこの辺で~……」


 流石の彼女もいつもの元気はなく、力なく突っ伏し、ぐでーと脱力したまま顔だけ私の方に向けてくる。


「……そうですね。もうほとんど設定は決まりましたし、終わりにしましょうか」

「はい~…………あ、ミリアさん。晩御飯はどうします?」

「…………家で食べていくつもり満々なんですね……別に構わないですけど」


 最早、自分の家かのごとく(くつろ)ぎ、晩御飯も食べていくつもりの彼女。もうここまでくると、いっそ清々しい気分になってくる。


「うーん……今の疲れ切った状態で作るのは流石に面倒ですし、何かデリバリー的なものにしちゃいますか……」

「やった~!私、餃子が食べたいです!」

「……食べたいものをとやかく言うつもりはないですけど、それでいいんですか?」

「?餃子は美味しいですよ」

「いや、そういうことじゃ……まあ、いいです。じゃあ中華系って事で適当に頼みますね」


 年頃の女の子がそれでいいのかだとか、お昼も炒飯だったから中華が被っちゃうだとか、色々な考えが頭を過ったけれど、最終的に疲労と空腹に負けてしまった私はもう何でもいいやと思考を放棄し、注文を進めるのだった。



64.お絵描き準備をご覧くださり、誠にありがとうございます。


時間を忘れ、少女と二人で設定を詰める彼女。ようやく動き出した依頼は果たして上手くいくのか……?


この先が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「……二人の様々な努力や苦悩があって、今の〝漆黒ゆうぐれ〟がいるんですのね」

「……まあ、言ってみればそうだけど、私の力なんて微々たるもの……ゆうぐれちゃんの輝きがあってこそ、大人気Vtuberとして成功する事ができたんだよ」

「……私の輝きという言葉を否定するつもりはないけれど、ママの力が微々たるものというのは納得しかねるわ。二人の力があったからこそ、今の私がある……そうでしょう?」

「ゆうぐれちゃん……」

「…………まあ、それはそれとして、いの一番に餃子を所望する女子高生はどうかと思いますわ」

「なっ……別にそれはいいでしょう?餃子は美味しいのだから」

「……せっかく良い話の流れだったのにこれじゃあ色々台無しだよ」


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