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63.お絵描き準備=彼女はやはり少女に振り回される。

 

「…………あの、いい加減にそろそろ離してくれませんか?」

「嫌です!私の気持ちが落ち着くまでミリアさんは大人しく抱きしめられてください!」


 抱きつかれたまま数分が経過し、流石にもう離してくれと訴えるも、彼女は聞く耳持たずでむしろ抱きしめる力を強めてくる。


どうしようこの状況……まあ、無理に抜けなくても良いと言えばいいけど…………あ、でもちょっとまずいかも…………


 為すがままにされていた私だったけど、薬を飲むために水をいっぱい飲んだ影響か、生理現象を催してしまい、背中に冷や汗が浮かんでくる。


「……ちょ、し、白崎さん?本当に離し――――」

「うふふ、駄目でーす!離しませーん…………きゃっ!?」


 変わらず笑顔で抱きしめるのを止めない彼女には悪いが、事は一刻を争う。


 流石の私でも、乙女の……人としての威厳を損なうそれを許容はできず、半ば無理矢理、彼女の手を振り解いてお手洗いへと駆け込んだ。


 こうして無事に私の尊厳は守られ、彼女の抱擁からも脱出できたところで、改めてキャラクターデザインについてを話す事に。


「ぶー……まだ抱きしめ足りなかったのに…………」

「ほら、いつまでも膨れてないで、このキャラデザについて話す事はいっぱいあるんですから」


 不貞腐れたようにそっぽを向く彼女を宥めつつ、どうにか話を進めようとする。


 昨日はテンションというか、気合に任せて私の勝手なイメージだけで描いちゃったけど、本来ならちゃんと白崎さんやその事務所の人と連携して擦り合わせるもの……だからここできちんとそこを共有しないと。


 過去の失敗を鑑みてそう考え、まずは目の前で膨れる彼女とイメージを共有すべく、どこか不満な点はないかと尋ねる。


「……不満な点はミリアさんが抱きしめさせてくれない事です」

「……真面目に答えてください。この子はもしかしたら貴女の分身になるかもしれないんですから」


 まだ機嫌の直らないらしい彼女がふいっと顔を背けてそう答えたので、私は片眉を吊り上げつつ、ぴしゃりと言い放った。


「…………真面目に答えてますよ。正直、ミリアさんのデザインに関して私から言う事は何もないですから」

「何もないって事はないんじゃないですか?白崎さんだってこういうのが良いってイメージはありますよね?」


 今思えば、明確に彼女の口からVtuberのモデリング等の依頼があるとは聞いていない。


 直接、私のところに来てまで頼む依頼である事と、彼女のキャラクター性、そしてレッスンスタジオに入っていく姿からそうだろうと思っていたけど、ここまで何も言われないと、間違っていたんじゃないかと思えてきて不安になってくる。


「…………確かに私の中でこういう風になりたいなってイメージはありました。けど、ミリアさんの描いたデザインがイメージを超えて、この子と一緒にこうなりたい、ああしたいと思えたんです。だから私から言う事は本当に何もないんですよ」


 画面に映るキャラクターを愛おしそうに見つめてそう語る彼女。


 正直、ここまで私の……無名で最近はまともに描けてすらいないイラストレーターもどきなんかのデザインにあそこまで気持ちを込めてくれてるなんて思いもしなかった。



63.お絵描き準備をご覧くださり、誠にありがとうございます。


少女の気分や行動に振り回され続ける彼女はこれをきっかけにイラストレーターへの道を再び歩むことができるのか……今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「その、なんというか、昔のゆうぐれ様は今のノーみりんお母様を見ているみたいですわね」

「「それはどういう意味?」かしら?」

「……どうってそのまま意味ですわ。ゆうぐれ様はともかく、お母様はてっきり意識しているものだとばかり思っていましたけど」

「ん、まあ、冗談はさておき、オリィちゃんの言う通り今の私のキャラ付けは昔のゆうぐれちゃんを意識してるよ」

「……昔の私がこんなの……?嘘でしょう?」

「……そんなにショックを受けなくてもいいんじゃないかな?」


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