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62.お絵描き準備=彼女は少女の天然っぷりに呆れる。

 

 私の渾身のデザインを目にした彼女の興奮は収まるところを知らず、画面に映るキャラクターに対し、凄まじい熱意を持って語り続けていた。


「――――ここのワンポイント、それから全体的に可愛さの中にも格好良さが見え隠れしていて……あとそれから…………」

「ちょ、分かった、分かりましたから!いい加減落ち着いてください!」


 さっき痛み止めを飲んだとはいえ、こうも近くで声を上げられ続けると、頭に響く。だから止まらない熱弁をどうにか遮って彼女を落ち着かせようと試みた。


「へ、あ、ご、ごめんなさい……久しぶりにミリアさんのイラストを見れたからつい興奮してしまって…………」


 どうやら私の言葉ではっと我に返ったらしく、少し恥ずかしげにしながら手を離す。その様子から本当に私のイラストが好きなんだなと気付き、なんだかむず痒くなってしまう。


「……それはどうも。まあ、喜んでくれたならなによりですけど」


 照れている事を隠すように顔を背けてもにょもにょと呟く私を不思議そうに見つめる彼女だったが、思い出したかのようにそういえばと口にする。


「素敵なイラストデザインですけど、これはどんなキャラクターなんですか?」

「……え?」

「え?」


 あまりに衝撃的な一言を前に呆ける私と何も分かってない様子で首を傾げる彼女。


 確かになんのイラストかは伝えていないけど、このタイミングで見せるんだからこれが誰のためのものか、察しても良いと思う。


「……白崎さん。貴女は私がずっとイラストを描いてない……描けない事に気付いてましたよね?」

「へ?あ、はい……その、なんとなくは…………」

「そうですよね。ならそんな私がこうして貴女にイラストを描いてみせてるということは?」

「え、えっと……つまり?」


 ここまで言ってなお、気付かずに困った顔をする彼女の天然さに辟易しつつ、頭痛を堪えるようにこめかみを抑えた。


「…………貴女は元々、なんで私を訪ねてきたか忘れたんですか?」

「なんでって……友達になるため?」

「……仕事を依頼するためですよね?目的と手段を入れ替えてどうするんですか?」

「………………はい、ごめんなさい。でもそれとこれとは…………あ」


 しゅんとして謝りながらも、また惚けた事を言いかけた彼女だったが、流石に答え同然の言葉を聞いてイラストを見せた意味に気付いたらしく、目を見開いて私の方を見る。


「……ようやく気付いたみたいですね」

「え、それじゃあ、このキャラクターはやっぱり…………私……ですか?」

「正確に言えば貴女の分身になるかもしれないってだけですけど……まあ、そういうことになりますね」


 恐る恐るといった様子で確認してくるので、頷きながらそう答え返すと、彼女は何故か肩を震わせて俯いた。


「…………白崎さん?どうかしたん――――」

「ミリアさんっ!大好き~!!」


 私の言葉を遮り、いきなり抱きついてくる彼女。よほど嬉しく、そして感極まったようで目の端に涙を浮かべ、ぎゅっと抱き着いたまま、彼女はしばらく私を離そうとはしなかった。



62.お絵描き準備をご覧くださり、誠にありがとうございます。


渾身のデザインを目にして絶賛するも、酷い天然っぷりを見せ、喜びのあまり抱きついてくる少女に対し、彼女は何を思うのか……この先が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「ゆうぐれ様って本当に恐ろしいまでの天然ですわね。あそこまで言われて気付かないなんて……」

「……あれは仕方ないわよ。だってあの時は本当にママと友達になる事しか頭になかったもの」

「それにしたってあれは天然が過ぎるよね~正直、あの時はわざとかと思ったもん」

「……わざわざそんな意地悪はしないわよ。あの時の私はそんなこと考えつかないくらい純粋だったもの」

「それは暗に今は純粋じゃないと告白してるんですの?」

「……なにか言ったかしらオリィ?」


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