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47.お絵描き準備=彼女は絶望し、無気力に日々を過ごす。


 あの電話の後、少し経った頃に企業の方から今回の件に関する謝罪の電話があった。


 その当時はショックで塞ぎ込んでいた事もあって内容までは詳しく覚えていないけど、うちのライバーがご迷惑をおかけました、今後このような事が無いように指導します、といった事務的な内容だった気がする。


 そもそもの話、元を辿れば企業と縁者との連携不足が原因だ。たとえ、あの子の私欲が入っていたとしても、企業の責任は大きいし、不手際な面も多く、今思えば、なんというか、演者を蔑ろにしていたように思う。


 だからという訳でもないだろうし、その詳細な理由も知らないが、結局、私がデザインを担当したVtuberの子は半年もしない内に活動を辞めてしまい、その後を追うように企業自体も倒産してしまった。


「…………もうどうでもいい。どうせ私には関係ない」


 初めての案件を受けた企業が倒産、生み出した子も半年で消えてしまったというショックな出来事を聞いてなお、私の心は一切動かない。


 この時の私は大学にこそ通っていたものの、やっぱりイラストを描く事はできないまま、SNSすらも目にすることなく、最初の一年を無為に過ごした。


 どうして生きているんだろう、イラストを描けなくなった私に価値なんてないのに、イラストレーターになれないのならもういっそ死にたい、ペンすら握る気力の湧かない絶望をの日々に私はそんな事を毎日考えていたのを今でもはっきりと覚えている。


 今まで絵を生き甲斐にしてきた人間が、ある日突然、描けなくなってしまったのだから、そんな暗い考えを抱いても仕方ないと思うのは自分の事だからなのかもしれない。


 けれど、未だに夢にも出てくるこの時の出来事(トラウマ)があったからこそ、私はオリィちゃんに共感できたのだとすると、悪い事ばかりじゃないと思う事ができた。


 ともかく、この当時………大学一年から二年になるまでの間は私の中で最悪の時期だったといえる。


 それが変わる転機となったのは二年生になって一月経った頃だ。


 変わらずイラストも描けないまま、大学に行ってはアパートへ帰るという往復の日々を繰り返していた私の下に一人の女の子が訪ねてきた。


「あの……貴女がイラストレーターの小鳥遊ミリア先生ですか?」


 初対面で開口一番にそう尋ねてきたその子は高校生くらいで、出会った時の最初の印象は正直、あまり良くはなかった。


 突然、訪ねてきて名前も名乗らず、不躾に質問してきた子に良い印象を抱けというのが土台無理な話だと思う。


 ましてこの時の私は人生に絶望している真っ只中……どうしたってまともに対応はできなかった。


「………………人違いじゃないですか?私は用事があるので失礼します」

「え、あ、ちょっと待っ――――」


 今にして思えば個人情報に対する危機感がなかったと反省するところだが、当時の私はまだペンネームではなく本名の小鳥遊ミリアで活動しており、倒産したとはいえ、一度は企業の仕事まで請け負ったのだから名前を知られている事もあるだろうと深く考えずに訪ねてきたその子を突き放した。


 名前はともかく、顔まで知られているのはどう考えても不自然だったけど、何もかもがどうでもいいという考えで日々を過ごしていた私は、ともかく関わり合いになりたくないの一心でそれだけ言ってその場を後にしたのだった。



47.お絵描き準備をご覧くださり、誠にありがとうございます。


浮かれた日々から一転、絶望と共に無為な大学生活を過ごす彼女の下を訪ねてきた少女の正体とは……?


先が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「……この時の出来事は流石に思い出すのも少し辛いね。本当に全てに絶望して死にたくな――――――――」

「っ……お母様!」

「えっ!?ちょ、いきなり抱きついてどうしたのオリィちゃん?」

「何も言わなくても大丈夫ですわ……全部が分かるなんて言えませんけど、私にも少しは共感できますもの」

「……なんか最近、オリィちゃんに慰められてばっかりだね」


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