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38.配信リスタート=彼女は〝礼嬢オリィ〟を終わらせない。

 

 もう何度目かになるこの瞬間、登録者が増えて収益化を果たしても、大人気Vtuber〝漆黒ゆうぐれ〟との初コラボを経ても、配信を始めるこの時だけはやっぱり緊張してしまう。


体調よし、ご飯も食べたし、お手洗いも済ませた……準備はバッチリっと……うん、笑顔もよし!


 鏡の前で緊張を紛らわせるための冗談を一人で虚空に呟き、髪をまとめて画面の前に座ると自分の中のスイッチを切り替える。


「あーあー……ごきげんよう……ごきげんよう……うん、完璧!さ、頑張ろっ!!」


 画面に向き直り、一呼吸。覚悟を決めて開始ボタン押し、マイクをオンにして今日も私は配信へと臨む。


「――――皆様、ごきげんよう。元ブラック勤めの崖っぷち令嬢Vtuber〝礼嬢オリィ〟ですわ」


≪ごきげんよう……オリィ嬢は今日も麗しいですね≫

≪ごきげんよう……最近はオリィ嬢の配信を楽しみに生きてる≫

≪ごきげんよう!やっぱりオリィ嬢しか勝たん!≫

≪やっほー今日も来たよオリィちゃん!≫

≪……ノーみりん先生いつも配信にきてるけど、この人いつ仕事してるんだろ≫

≪フフ、今日は私もきてあげたわよオリィ。存分に楽しませなさい≫

≪やはりこちらでしたか我が君。あ、オリィ様、今日も配信にお邪魔致しますね≫


 初コラボ以降、更に増えたチャンネル登録者と同接……新規の視聴者さんもいっぱいいるけれど、私の挨拶に応じてくれるいつも通りのコメント欄。そこにはノーみりん先生や白崎……ゆうぐれさんもいたようでいつにも増して賑わっている。


……配信を続ける理由はもうないけれど、こんなにも見てくれる人達がいる。だから私は感謝と共に応えていきたい……文字通りの死ぬ気で。


 敬愛と最大限の信愛を込めて……画面越しでは伝わらないであろう、らしくない悪戯な笑みを浮かべ、私は宣言する。


「リィメンバーの皆様……ノーみりんお母様にゆうぐれ様まで……遊びにきてくださり、ありがとうございます。それではいつも通り始めさせていただきますわ――――皆様曰く、可愛い可愛い令嬢Vtuber……〝礼嬢オリィ〟の配信を!!」


 誰からも愛されるなんて言わない。


 けれど、応援してくれる人達にはとびっきりの愛で応えられる……そんなVtuberを目指して、私は今日も明日もその先も、配信を続けていこうとここに決意した。


 一人でも見てくれる人がいる限り、元ブラック勤めの崖っぷちVtuber〝礼嬢オリィ〟は終わらない。


 私のVtuber活動はこれからも続いていく…………かもしれない。



38.配信リスタート……いえ、崖っぷち令嬢Vtuber〝礼嬢オリィ〟の物語をここまでお読みくださり、本当にありがとうございます。


最初は承認欲求を満たすための手段だったVtuber活動……満たされて続ける理由はなくなっても、応援してくれるみんなのため……なにより、もう一人の自分だと自覚した〝礼嬢オリィ〟を終わらせないためにこれからも配信を続けていく決意をした彼女の物語はここで一度、終わりを迎えます。


一旦の区切りとはなりますが、応援してくださる皆様がいる限り、彼女の物語は続いていきます。


もし、まだまだ今後が気になる、推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマーク……そして皆様の感じた正直な評価、またはコメントを残していただけると幸いです……それでは彼女から一言!


「ここまで私のお話を聞いてくださり、本当に感謝いたしますわ。暗いお話や面白くもない身の上話……くだらないお話や恥ずかしいお話とお見苦しいものを見せてしまいましたが、それでも楽しいと感じて頂けたならとても嬉しく思いますわ」

「最後の最後までオリィちゃんは固いねぇ……もっと肩の力を抜いたらどうかな?」

「そうね、キャラ的な問題はあるかもしれないけれど……いっそ可愛く振り切ってみたらどうかしら?」

「可愛いとおっしゃられても……具体的にはどうするんですの?」

「そうだね……そこはほら、こんな感じで……ごにょごにょ――――」

「ええ!?そ、それは……」

「何を恥ずかしがっているのかしら?ここまで見てくださった人達に感謝する意味でも、これからも応援してもらう意味でも、ここでやらないと……ね?」

「うぅ……い、一度だけですよ?んんっ――――私の物語はここで一旦の終わりを迎えますわ。だから、その、だからね?これからも崖っぷち令嬢Vtuber〝礼嬢オリィ〟を……私の事を応援してほしいな?」

「うふふふふっ!可愛い!可愛いよオリィちゃん!!」

「フフフ……ばっちり録音したわ。この可愛さは永久保存しないとね」

「っ……もう!最後の最後までこの二人は…………ほら!いつまでも笑ってないで最後は一緒に締めますわよ!」

「分かってるって、ね?ゆうぐれちゃん」

「ええ、もちろんよ。タイミングはオリィに任せるわ」

「……それじゃあいきますよ?せーの――――」


「「「視聴者の皆様、ここまで応援してくださってありがとうございました!」」」


「みんな、まったね~!」

「また会えるのを楽しみにしてるわ。それと、あなた達、オリィにここまでしてもらって応援しないなんて言わないわよね?」

「ちょ、最後になんで圧を掛けるんですか!?み、皆様?ゆうぐれ様の言った事は気にしないでくださいね?その、ぐだぐだになっちゃいましたけど、私もまた会えるのを楽しみにしていますわ……それまでは名残惜しいですが、皆様、また次の配信まで……ごきげんよう」



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