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35.配信中=彼女は想いに触れ、少しだけ踏み出してみる。

 

 もうコラボ配信を終えようかと締めに入った直後、話を振った彼女からの言葉に私は心の内を話せないままでいた。


「……ごめんなさい。この話題を配信中に出せば貴女が困ってしまうのは分かってた。けど、それでも、私はオリィが答えるまで退くつもりはない……だからもう一度、同じことを聞くわ――――貴女は一体何を我慢しているの?」


 宣言通り、折れて退く気配のない彼女を前に私は迷い悩むけど、どうすればいいのか答えの見つからない。


白崎さんに退く気がない以上、このまま私が黙ったままだと配信は終わらないし、見てくれているリスナーのみんなにも迷惑が掛かる……でも、ここで答えてしまったら全部が終わっちゃう……私、私は――――


「…………どんな事でも私は受け止めるつもりよ。それはリスナーだって同じ……貴女がここまで真摯に配信と向き合ってきた事はみんな知っている。だから大丈夫……私達を信じてくれないかしら?」


≪正直、よく分からないけど、オリィ嬢が何かを我慢してるなら言ってほしいよ。どんな事でも受け止めるから≫

≪……前にも言ったけど、オリィ嬢はもっと我儘になっていいと思う。だから不満があるなら言ってほしい≫

≪オリィ嬢の過去を知ってるから我慢しちゃうのも分かるけど、ここでは俺達に全部ぶつけて大丈夫だよ≫

≪そうだよ、オリィちゃん。私やゆうぐれちゃんだけじゃない……今の貴女には応援してくれるたくさんのリスナーがいる。みんな受け入れてくれるよ≫


 彼女……白崎さんの信じてという言葉……リィメンバーのみんなの受け止めるという言葉……そしてノーみりん先生のみんながいるという言葉……それは全てが嘘ではなく、本当に私を想ってくれた本物の言葉だ。


 いくら私が疑わずにいられない性分でも、こればかりは疑えない……いや、疑いようがない。


 これに応えられないなら私はもう〝礼嬢オリィ〟になる資格はない……だから――――


「……ありがとうございます、皆様。その、長くなってはしまいますが、もう少しだけ私の話に付き合ってもらえますか?」

「…………もちろん、何時間だって付き合うわ」


≪俺達だっていつまでも付き合うよ!≫

≪オリィ嬢のためなら明日の予定なんて投げ出す覚悟はできてる≫

≪そうだね、リィメンバーとしてここを逃すわけにはいかないでしょ≫

≪我ら黒の使徒も付き合いますぞ、オリィ嬢≫

≪流石だね、みんな。無論、私だって付き合うつもりだよ!締め切りなんて知ったこっちゃないんだから!!≫


 少しだけ勇気を出して踏み込んだ私を受け入れてくれるみんな。


 大丈夫、この人達ならちっぽけな私の醜い部分を晒したって離れはしない……そう信じて私は抱えてきた想いや隠してきた自分の感情を少しずつ言葉にしていった。



35.配信中をお読みくださり、ありがとうございます。


最強Vtuber〝漆黒ゆうぐれ〟に大人気イラストレーター〝ノーみりん先生〟……そしてずっと応援してくれた〝リィメンバー〟……みんなの言葉を受けた彼女の想いとは……?


彼女の今後が気になる、推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いします……それでは彼女から一言!


「……私はこの配信を生涯忘れる事はないですわ。応援してくださるリィメンバーの皆様やゆうぐれ様にノーみりんお母様……こんな私を受け入れようとしてくださって……本当に……ありがとうございますわ……あ、でもノーみりんお母様は締め切りをきちんと守りましょうね」

「……せっかくいい感じだったのに……どうして」

「……こればかりはオリィの言う通りね。きちんと締め切りは守りなさい」

「うぅ……そんなぁ…………」


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