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31.配信中=彼女は彼女とリスナーのやり取りを危ぶむ。

 

 フリーズすること数分、心配されながらもどうにか再起動を果たした私は彼女からの言葉をひとまず置いておき、首を振るって気を取り直した。


「…………申し訳ありません。少々、取り乱してしまいましたわ」


≪大丈夫?≫

≪ゆうぐれ様からの友達宣言によっぽど衝撃を受けたんだな≫

≪これは濃密なゆう×オリの気配……!≫

≪我が君にもついに事務所仲間以外に友達が…………≫


 心配してくれる声の中になにやら妙なものが混じっていたり、私ではなく彼女に友達ができた事を喜ぶ黒の使徒がいたりとコメント欄は中々に混沌と化している。


「んなっ!?……ちょっと黒の使徒?それではまるで私に事務所以外の友達がいないみたいに聞こえるのだけど」


≪?聞こえるも何もその通りでしょう我が君≫

≪ですね。そもそも喧嘩みたいなコラボばかり仕掛けるから事務所の仲間以外に友達ができないんですよ≫

≪そうそう、だからこそ新しくできた友達を……オリィ様を大事にしないと≫

≪……何かゆうぐれ様をいじる時の結束力凄いな黒の使徒≫


 味方であるはずの黒の使徒からフルボッコにされた彼女は口から煙を出した彼女はフフフ……と静かに笑みを浮かべた。


「……いい度胸ね、我が使徒達。私にそんな口を利いたこと後悔させてあげるわ」


≪コメントしているだけなので口は利いてないですね≫

≪後悔も何もただ本当の事を言っただけですし……≫

≪何をしてくれるのか、楽しみに待ってますね!≫

≪黒の使徒が強過ぎる……これが最強Vtuberのリスナーか≫


 彼女が圧を掛けても全く怯まない黒の使徒達を見てリィメンバーと共に感心していた私だったけど、このままだと配信を乗っ取られてしまうと慌てて話を戻そうとする。


「ええっと、その、ゆうぐれ様?そろそろゲーム対決の方に移らないと時間の方が……」

「……仕方ないわね。業腹ではあるけれど、黒の使徒達には個人配信の方でお灸を据えるとするわ」


≪楽しみに待ってますよ、我が君!≫

≪……ゆうぐれ様の配信も見に行こうかな≫

≪……確かにお灸をどう据えるのかは気になる≫

≪おお、新たな同士が……では我々もこれからオリィ様の配信をチェックしますぞ!≫


 なにやらコメント欄でリスナー同士の交流というか、お互いに配信へ遊びに行きますという交換会みたいなことが起こりつつも、ひとまず私と彼女のゲーム対決へと準備を進めた。


 準備……といってもゲーム機本体を用意し、接続して画面を切り替えるだけなのでそう時間が掛かる事もなく終わり、ひとまずタイトル画面で待機して対決内容をリスナーへ説明する。


「――――さて、今回ゆうぐれ様と対決するゲームはシンプルなパズル……おそらく皆様も一度は目にした事のある色の同じものを消していくアレですわ」


 本当はアクションや配信映えするパーティーゲームなどが良いのだろうけど、ゲームにあまり触れていない私に気を遣って彼女がこれを選んでくれた。


 確かにこれならゲームに不慣れな私でも分かりやすく盛り上がれるし、ルールも単純だから説明の手間も省けるため、今回のコラボにはうってつけだ。


「ま、シンプルとはいっても、オリィはプレイ自体が初めてでしょうし、最初の数回は練習でやってみましょうか」

「……お気遣い痛み入りますわ。それではお言葉甘えて……早速、練習から始めますわね――――」



31.配信中をお読みくださり、ありがとうございます。


最強Vtuberとそのリスナーのやり取りに圧倒されつつも、頑張って配信を進めようとする彼女の今後が気になる、推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いします……それでは彼女から一言!


「まさかゆうぐれ様に友達がいないとは思いま……いえ、あの性格を考えればある意味当然と言えるかもしれませんわね……まあ、私としては素敵な方だとは思いますけど……」

「ちょ、オリィ?何を勘違いしてるのかしら。私は本当に友達がいないわけではないわよ」

「……なら事務所の方以外に友達はいらっしゃいますの?」

「…………いるわよ」

「……そうですわね。私がいますものね」

「っ生暖かい目を向けないでくれるかしら!?」


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