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16.配信中=彼女はお母様の珍しい一面を見つける。

 

「――――っとこれが私とノーみりんお母様の初邂逅ですわ……改めて考えると随分、はっちゃけた方でしたわね」


≪……思ってた以上におかし……変わった人なんだノーみりん先生≫

≪変わったってか、その、いい歳してそのキャラはちょっと……≫

≪シンプルに痛い人じゃない?年齢を考えた方が……≫

≪……ほほう?何やらリィメンバーのみんなは私に言いたい事があるみたいだね?……あんまり舐めてると、特定しちゃうぞ☆≫


 私の話からノーみりん先生の言動にドン引きするリィメンバー達だったが、そのいくつかが彼女の触れてはいけない禁忌……年齢について言及してしまい、画面越しでも寒気のしそうなコメントが流れる。


「……んんっ、ええと、ひとまずノーみりんお母様にはお、落ち着いて頂いて――――」


≪んー?私は落ち着いてるよ……オリィちゃんが落ち着いたら?≫

≪ひっ……怖っ……≫

≪ノーみりん先生に年齢の話はご法度……覚えとこ≫

≪というかノーみりん先生ってこんなにキャラが立ってるんだ……配信とかしたら凄い人気でそう≫


 無機質なコメントから変わらず圧を放つノーみりん先生にリィメンバー達が恐れ(おのの)く中で一つ、共感できる一文があったのでそれを拾って話題を逸らそうと試みる。


「そうですわね。私もノーみりんお母様はとおも配信に向いておられると思いますわ。ご自分で全て賄えるのですからいっそVtuberデビューしてみては?」


≪ええと、そうだね……そう言ってくれるのは嬉しいけど、私はあくまでイラストレーターだからね。家の子達を始めとしたみんなみたいに面白い事はできないよ≫

≪……いやいや、先生は下手なVtuberより面白いよ≫

≪……同意、何を謙遜してるのやら≫

≪先生のV化……正座して待ってます!≫


 ノーみりん先生のVtuber化を望む声に湧くコメント欄。ともあれ、どうやら話題を逸らすのには成功したようで、すでに年齢に触れられて激怒していた事はすっかり流れてしまった。


「やっぱり待ち望む声が多いようですわね。とはいっても、いまここでどうこうすぐに決められるものでもありませんし、無理強いはいけません。お母様がご自分でお決めになるべき事ですから」


≪確かに……オリィ嬢のいう通り≫

≪そうだな……確かに先生のV化は見たいけど、大変だから仕方ない≫

≪先生は忙しいから無理強いはできないか……でも待ってる≫


 話題逸らしのためにやった事でノーみりん先生の負担にならないよう方向を定めてリィメンバーのみんなに注意する。


 まあ、個人的にはノーみりん先生がVtuberになったところは凄く見てみたいけれど。


≪うぅ…………そこまで言われるとむず痒いというか、その、あ~もうっこうなったのもオリィちゃんのせいだからね!もしもの時は責任を取ってもらうから!!≫


「……それは怖いですわね。責任が何かは分かりませんが、それ相応に応えたいと思いますわ」


 ノーみりん先生の珍しい一面が見れたところでそれに返すも、どうやら先生はいなくなってしまったらしく、返事のコメントはこなかった。


「ふむ、どうやら先生は行ってしまわれたようですわね。では、そろそろ良い時間ですのでスパチャのお礼をして今回の配信を終わりにしたいと思いますわ――――」


 そこから思いの外、多くのスパチャをもらっていた事に驚き、変な声を上げてしまったのは別のお話だ。



16.配信中をお読みくださり、ありがとうございます。


これはノーみりん先生の強烈なキャラクターを見た彼女がVtuber化を促すお話です。


ここまでノーみりん先生にやり込まれてばかりだった中、小さな意趣返しをして少し得意げになっている彼女の事が気になる、推せるという方はチャンネル登録……もとい、ブックマークの方をよろしくお願いします……それでは彼女から一言!


「ノーみりんお母様にはしてやられてばかりだったのですから少しくらい意趣返しをしたって罰は当たらないでしょう?……そもそも先にVtuber化を勧めたのはリィメンバーの皆様ですし、一概に私が責任を取るというのは……」

「……もう言質は取ったから遅いよオリィちゃん。ふっふふ、今に見てるといいよ」

「…………何故でしょう。物凄く嫌な予感がしますわ」


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