111.配信中=彼女は冷静を装い、淡々と反論する。
「……言い訳、ね。そう聞こえるのも無理はないかもしれない……なら、逆に聞かせてほしいのだけど、私がファンを裏切ったという証拠がどこにあるのかしら?」
《証拠……?そんなのあんだけ出てる記事が証拠だろ!》
《そうだ!火のないところに煙は立たないだろうが!》
《それで上手く揚げ足を取ったつもり?そんなわけねぇから》
《お前がファンを裏切った事実は変わらないぞ!逃げるな!!》
私がそう問い返すけど、コメント欄は聞く耳持たずと話題をすり替える。
そもそも、一連の騒動に証拠なんてありはしないのだ。
記事がどれだけ出ようと証拠にはならないし、今回に限って言えば、火のないところに誰かが放火し、燃料を注いでいるといっても過言ではないため、その理屈も当てはまらない。
それを理解しているのか、もしくは分かっていて見ない振りをしているのかは分からないけど、どちらにしても確固たる証拠がないからこそ、コメント欄は裏切った、記事があるから、という根拠のない言葉を振りかざしているのだろう。
「……分かっていた事だけれど、やっぱり水掛け論になったわね。まあ、軽く反論させてもらうなら、どれだけ記事が出ていようとそれが嘘である以上、証拠にはなりえないし、悪意があれば火も煙も関係ない。つまり、私がファンを裏切ったという事実はどこにもないわ」
《何だその態度は!ビッチの癖に!!》
《言い訳ばかり並べやがって反省してるのか!》
《お前は反論なんてできる立場じゃないのを自覚しろ!》
《そうだ!お前はただ惨めったらしく謝っとけばいいんだよ!》
感情を出さないように淡々と反論を並べ立てたものの、コメント欄で騒ぎ立てる人達は聞く耳を持たない。
むしろ、私の反論に対して論理ではなく、感情を爆発させたコメント欄はより一層、激しく誹謗中傷を書き立てていた。
「ふむ、随分と感情的ね。なら私はあくまで理知的に喋らせてもらうわ。えっと、まず漆黒ゆうぐれのキャラクターは作られたものだったという記事からだけど、正直な話、これに関しては事実がどうであれ、何が悪いのか私には分からないわね」
《……は?》
《何がって……そんなの演技でファンを騙してたんだぞ!悪いに決まってるだろ!!》
《騙しておいて何が悪いなんて人として終わってるだろ》
《どういう神経してたら開き直れるんだよ、なあ!》
たぶんこういう反応が返ってくるんだろうなと予想していた通りのコメント欄に内心、ため息を吐きつつも、私はオリィちゃん達と詰めた作戦通りに進めるべく、話を続けた。
111.配信中をご覧くださり、誠にありがとうございます。
誹謗中傷をかざして責め立ててくるコメント欄に彼女はどう対応していくのか……?
今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!
「……もしも、もしもの話なのだけど、今回の私みたいに炎上した時、二人ならどうするのかしら?」
「どうすると言われましても……私とゆうぐれ様ではスケールが違いますし、うーん……私がそんなにモテると思ってるんですの?と開き直りますかしら」
「ふふ……オリィちゃんらしいね。うーん、私はそもそもイラストレーターだからガチ恋勢とかいないだろうし、そうだねぇ……今回のゆうぐれちゃんみたいな作戦を取るかもね」
「ちょっ、ノーみりんお母様!あんまり喋るとネタバレになってしまいますわよ!」
「あ、そっか。ごめんごめん」
「…………なんというか、あまり参考にはならなそうね」




