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108.配信準備=彼女は緊張しながらも、その配信へと向かう。

 

 オリィちゃんとノーみりん先生が手を取ってくれた日から数日、私はお母さんに謝り、ずっと連絡を取っていなかった関係各所……事務所や後輩にも謝って事情を説明しつつ、慌ただしく動いていた。


「――――いよいよこの日がきちゃった…………大丈夫、私ならやれる……ふー……」


 物凄く緊張しながら深呼吸をする私がいるのはいつも収録や箱としての公式配信に使用しているしているスタジオだ。


 今現在、私は炎上騒動後、初めての配信をするためここにいる。


 何故、家じゃないのかというと、何が起こるか分からない中、精神的に不安定な私を一人で配信させるわけにはいかないと、事務所……というより社長が配慮してくれたからだ。


「……白崎さん、本当に大丈夫なんでしょうか?物凄く緊張しているみたいですけど」

「そりゃ無理もないよ。炎上してから初めての配信だもん。誰だって緊張もすると思うよ」


 配信の邪魔にならない少し離れたところでオリィちゃんとノーみりん先生のそんな会話が聞こえてくる。


 ちなみにどうしてあーるくらふとに所属していない二人がここにいるのか、それは不安だから側にいてほしいと私がお願いし、事務所にも頼み込んで許可してもらったからだった。


「ゆうぐれさん、配信まであと五分です……本当に大丈夫ですか?」


 機材のセットを終え、心配そうにこちらの方を覗き込むのは初期から私の事を支えてくれたマネージャーちゃんだ。


 今回の件で物凄く心配を掛けてしまったせいか、それとも緊張で今の私の顔色が相当悪く見えるのか、目線で止めておいた方がいいんじゃないかと訴えているのが伝わってくる。


「そんなに心配しなくても大丈夫。色々心配を掛けちゃったけど、ほら、私、最強だから」

「…………そんなネタっぽい事を言って誤魔化さないでください。今のゆうぐれさんはとてもじゃないですけど、大丈夫には見えませんよ」


 肩を竦めて軽口を叩く私に対して少し怒ったようにそう返してくるマネージャーちゃん。


 確かにマネージャーちゃんの言う通り、私の心情は大丈夫とは言えない状態だ。


 最強なんて誤魔化しを口にしても内心は心臓バクバクだし、緊張と冷や汗で唇は震えており、吐き気もする。


 でも、私はこの配信を取り止めるつもりは微塵もない。


 というか、すでにSNSで配信を告知してしまっている以上、止める事はできないし、仮にここで取り止めたとしても、次もきっと同じような体調になるだろうから正直、変わらない。


 ならもういっそのこと、覚悟を決めて配信をやりきってしまうべきだ。


「――――強がりに聞こえるかもしれないけど、心配せずに見てて。緊張も逆境もなんのその……私は最強Vtuberの〝漆黒ゆうぐれ〟なんだから」


 何の心配もいらないと口の端を吊り上げて私は無理矢理笑ってみせた後、表情を引き締め、全てを賭けた配信の始まりを待った。



108.配信準備をご覧くださり、誠にありがとうございます。


復活配信へ臨む彼女を待ち受けるものとは果たして……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「いよいよ復活配信が始まりますわね……という事で、今回は配信開始の挨拶について触れたいと思いますわ」

「開始の挨拶って……オリィちゃんで言うところの皆様ご機嫌――――みたいな?」

「ええ、そうですわ。私のはただの自己紹介ですけど、お二人は違いますわよね?」

「いや、そもそも私、ただのイラストレーターだから挨拶とかないし……あ、ゆうぐれちゃんのはちょっと凄いよね?」

「……そのちょっと凄いがどういう意味なのか問い正したいところだけど、まあ、格好いい挨拶だというのは間違いないわね」

「格好いい…………えっと、まあ、そうですわね」

「……オリィ、後でお話があるから逃げずに待ってなさいね?」

「え、遠慮しますわ〜……!」


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