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101.配信休止=彼女はその温かさに触れ、涙を取り戻す。

 

「…………って、なんでドアを蹴破るんですか!?」

「え、だって鍵が掛かってて開かなかったから……」

「開かないからって蹴破るのは乱暴が過ぎますよ!本当にもうっ!!」


 まさかの衝撃的な登場に思考が追い付かず、動けないでいる私を他所に言い合いを繰り広げる二人。


 その光景をなんだか物凄く懐かしく感じながらも、私は虚ろな目を二人へと向けた。


「――――なに……しに……きたん……ですか?もう……放って……おいて……」


 追いつかない思考のまま、無意識の内に出てきたのは他人行儀な否定の言葉。


 私の事を心配してここまで来てくれた二人にこんな事を言いたい訳じゃないのに、本当はありがとうって言いたいのに、心が言う事を効かない。


 きっとこんな否定の言葉を並べる私に二人は怒っているだろう。


 せっかく心配したのに、助けに来たのに、それはないんじゃないか、と。


……私には二人と向き合う資格はない。だって私はもう〝漆黒ゆうぐれ〟には――――


「――――放って……おけるわけないでしょ!馬鹿なんですか貴女は!?こんなになるまで自分を追い詰めて……あーもうっ!!」

「え、あ、ちょっと待っ――――」


 珍しく狼狽えるノーみりん先生の静止を振り切り、頭をがしがしと掻いて声を上げたオリィちゃんは大股で部屋の中へ足を踏み入れると、ベッドの方までやってきてその勢いのままぎゅっと私の事を抱きしめた。


「オ……リィちゃん……?な、にを…………」

「……もし、もしもですよ?そんな状態になってる友達を見過ごせるような神経を私が持ってたらそもそも病んで死のうなんて考えませんし、こうして白崎さんのところまできてません。それくらい分かってください」


 怒ったような、それでいて言い聞かせるような言葉と共に、抱きしめられたところからオリィちゃんの体温がじんわりと伝わってくる。


「う……うぅ…………ひぐっ……うわぁぁぁぁっ――――」


 伝わってきた体温とオリィちゃんの言葉を前に私の心は限界を迎え、感情のままに抱きつき、子供のようにわんわんと泣きじゃくった。


 正直、この時の事はあまり覚えていない。


 けれど、ずっと絶望に囚われていた私の心はオリィちゃんの優しさに触れて少しだけ救われた事、そして、そのすぐ後にノーみりん先生が二人だけずるいといって飛び掛かってきた事だけはきっと一生忘れないと思う。


 だってそうだろう。


 なにせあの日以降、笑う事の出来なかった、笑おうとさえ思えなかった私が初めて心から笑う事ができたのだから。



101.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


否定を飛び越え、抱きしめてくれた礼嬢オリィのおかげで絶望から踏み出した彼女の行方は果たして……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「……この時のゆうぐれ様はまるで子どものように泣きじゃくってて……その、不謹慎かもしれませんが、凄く可愛いかったですわ」

「うんうん、その気持ちは分かるよ。なんていうか、母性本能をくすぐられるというか、普段のゆうぐれちゃんとのギャップが良いというか……」

「ぐっ……弱っているところを助けられたからあんまり強く言えない……ノーみりんママはともかく、オリィまでそんな事をいうなんて……」

「……ちょっと待った。ノーみりんママはともかくって何かな?そこを詳しく聞かせてもらえる?」

「……普段の自分の行いを思い返せば分かる事ですわよ。全く」

「…………そういうオリィは覚えてなさい?また機会があったら仕返しを受けてもらうから」

「ふふふ……そんな機会はありませんから。もう忘れましたわ~」


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