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99.配信休止=彼女は絶望し、最強たる輝きを失う。

 

 〝漆黒ゆうぐれ〟としてデビューしてから過去、一度として経験した事のない大炎上。


 SNSは荒れに荒れ、漆黒ゆうぐれへの罵詈雑言やお気持ち表明、果ては殺害予告とも取れるメッセージで溢れていた。


 こうなってしまったら最早、私がどう動こうと騒動のうねりは止められない。


 むしろ、弁明などしようものなら火に油、余計に燃え上がってしまう事が目に見えていた。


「どう、しよう……どうした、ら…………」


 頭の中はすでにパニック状態で何も思いつかない。


 気付けば事務所からの電話やメッセージが引っ切り無しに届いているけれど、その時の私には冷静に折り返すなんて事もできるはずなく、どちらにも返さないまま、無意識に記事に対するコメントへと目が向いてしまう。



――――自分で最強Vtuber名乗っておいて裏では陰キャとか、これじゃ最強(笑)じゃん



――――自信満々な態度も見せかけだったなんて……裏切りも良いところ、ファンに謝れ!



――――スキャンダルを隠すためなのに運営から休むように言われたなんて嘘までついて最低じゃない?



――――しかも記事の内容的に人の男を寝取ってるんでしょ?裏じゃ男食いまくりだったってこと?



――――うわっそれじゃビッチも良いところじゃん。ファンが可哀そう



――――漆黒ゆうぐれ終了のお知らせ。好きだったけどファン辞めます



 悪意に満ち溢れたコメントの数々。


 中にはもっと酷い文言を書いたものもあったけど、それ以上は見てられなくて私はスマホを思いっきり放り投げた。


「う……うう…………ぁ……あぁぁぁぁっ!!」


 髪の毛を掻き毟り、感情のまま溢れ出た涙と共に叫び声を上げる。


 きっとこの時の私は様々なものが壊れてしまったのだろう。


 涙は止めどなく溢れるのに、身体は信じられないほど冷たく、行動を起こさないといけないと頭では分かっているのにただ声を上げて泣く事しかできない。



私のせいで〝漆黒ゆうぐれ〟を終わらせてしまった。



ごめんなさい黒の使徒達。



ごめんなさい事務所のみんな。



ごめんなさいオリィちゃん。



ごめんなさいノーみりん先生。



ごめんなさいお母さん。



 光り輝く最強Vtuberは地に堕ち、残ったのは何もない、何もできない惨めな私だけ。


 絶望の水底に叩き落された私の心には未来の展望なんてものはなく、ただただ終わってしまったという事実だけが響く。


 その後、お母さんが帰宅しても変わらずに謝りながら泣き続け、やがて涙も枯れ果てた私は自らの部屋に閉じ籠り、これが悪い夢である事を願いながら目を瞑った。



99.配信休止をご覧くださり、誠にありがとうございます。


悪意に溢れた言葉を前に絶望し、心を閉ざしてしまった彼女は救われるのか……?


今後が気になる、彼女達を推せるという方はチャンネル登録とグッドボタン……もとい、ブックマークと評価の方をよろしくお願いいたします……それでは彼女達から一言!


「……正直、私は今回の件でゆうぐれ様が炎上した事に納得していませんわ。だってゆうぐれ様は何も悪いことなんてしていませんもの」

「……叩くような人達からすればそんな事は関係ないんだろうね。みんながみんなそうだとは言わないけどさ」

「批判する人達の声が大きいですが、それでもゆうぐれ様を擁護する人達だって確かにいますわ。だからまだまだ終わってなんかいないと伝えないと……」

「だね!それに私達だって立派なゆうぐれちゃんのファンだし、たとえ、ゆうぐれちゃんがどうあっても応援したい気持ちは変わらないよ!」


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