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第十七話 友を作る

 テオドールは放課後の中庭にアレイスター・ベアルネーズの仲間たちを呼び出していた。ベアルネーズを含めて全部で五名の悪童たちである。テオドールは彼らの前に立ち、微笑みかけた。


「というわけで、俺はベアルネーズと友となった。今日からこのチームのリーダーは俺だ」


 癖毛の少年が「アレイスターくん、どういうことだよ!?」とたずねる。ベアルネーズは目をそらしながら「聞くな」と言った。


「まあ、文句があるのもわかる。見知らぬ奴がいきなり我が物顔でリーダーになることに拒否感も出るだろう。俺も無理強いする気は無い」


 そう言って制服のジャケットを脱ぎ捨てた。


「文句があるなら拳で決着をつけよう」


 ベアルネーズはすぐさま視線をそらし、残りの四人も凝然と固まった。

 昨日のベアルネーズとの決闘を彼らも見ている。当然、テオドールの強さも理解しているだろう。


「い、いいじゃねえか! これでも騎士の生まれだ! やってもいないのに負けを認めてたまるかよ!!」


 啖呵を切った癖毛に続き、他の三人もジャケットを脱ぎ捨てた。そんな四人をベアルネーズは「正気か!?」と叫んで止める。


「お前ら、やめろ! この人は、俺たちとは別の生き物だ! 西部騎士はみんなイカレた異常者なんだよっ!!」


 さりげなくディスられたが、西部騎士に関する見解は同意見だったのでスルーした。自分が異常者のカテゴリーに含まれてることに、いささか引っかかりはするのだが……。


 そんななか、癖毛が悔しげに歯噛みしながらベアルネーズの肩をつかんだ。


「どうしちまったんだよ! アレイスターくん!! 田舎の侯爵令嬢なんて簡単に落とせるって言ってただろ! あのナイフみたいなアレイスターくんはどこ行っちまったんだよ!!」


「やめろ! その話を蒸し返すんじゃねええ! 俺が殺されるだろうがっ!!」


 ベアルネーズが癖毛を殴り飛ばしていた。なんだかんだで、五人の中ではリーダーだったのだろう。癖毛の少年は殴られた頬をぬぐいながら、唾を吐き捨てる。


「クソ……わかったよ……」


 そのままビシッとテオドールを指さしてきた。


「俺が俺たちのリーダーの仇を取ってやるっ!!」


「ジャン……」


 驚くベアルネーズの横で、残りの不良たちも奮起していた。


「そうだ! 俺たちのリーダーはアレイスターだ!!」

「西部の田舎もんに頭は下げねえぞ、おるぁっ!!」

「やってやんよ! 中央騎士なめんじゃねぇぞっ!!」


 テオドールはそんな不良貴族たちを見て、ニッコリと笑った。


「元気があって大変よろしい。文句があるなら、まとめてかかってきなさい」


「余裕かましてんじゃねーぞ、田舎もん! アレイスターくんの仇だ! お前ら、行くぞ、おるぁぁぁっ!!」

「「「うおおおおおおおっ!!」」」


 当然、全員、ワンパンでのした。


 拳に雷の魔術を乗せたので、ほぼ一撃で意識ごと刈り取ってある。

 パンパンと手を払いながらテオドールは最後に残ったベアルネーズへと視線を向ける。


「ベアルネーズ、君はどうする?」


「え? どうするって……?」


「君のために友は散った。残った君は騎士としてどうするのか? と君の騎士道を問うている」


 ベアルネーズは一瞬、固まってから、すぐさま半泣きになって拳を握りしめた。


「うああああああああっ! この悪魔がぁぁぁぁっ!!」

「ああ、すばらしい。それでこそ男の友情だ!!」


 殴りかかってきたベアルネーズは、ビンタで吹っ飛ばした。


 こうして不良貴族少年たちをのしたテオドールは、彼らを傘下に入れ『西部騎士道クラブ』というチームを発足することになった。



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