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なめろう伝説  作者: きし
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告白そして振られる


「俺、結愛ゆあ先輩のこと好きです」

 俺の告白に彼女は優しく微笑んだ。


「その好きってlikeそれともloveの方?」

冗談めかしたように言う彼女、俺はそんな目を真っ直ぐに捉えて、至って真面目に答えた。


「もちろんloveの方ですよ」

「俺と付き合ってください」

俺はこの時人生で初めて告白をして振られた・・・



 俺こと、雨宮伊月が斉木(さいき)結愛と出会ったのは中学2年の時だった。

俺は2年に上がったと同時に野球部を辞めた、野球が嫌いになった訳ではないが、他の部員や先輩との折り合いが悪く、口論になりそのままフェードアウトした。1年の頃は放課後全てを部活に費やしていたが、今は手持ち無沙汰になり、心にぽっかり穴があいた気分になっていた、そのまま家に帰る気分にはなれず公園に立ち寄った、そこで結愛と出会った。



「ルゥ〜〜〜〜〜!」

 そこには同じ中学の制服を来ている人がいた、長く伸びている髪を高めの位置でポニーテールしている小柄な人がいた、ネクタイの色を確認すると淡い青色をしていたので直ぐに先輩だと気づく。

そのポニーテールの先輩がフルートを奏でていた。


「すごく上手ですね、俺その曲大好きなんですよ」

 思った感想をそのまま伝えた、すると彼女は嬉しそうに笑った。


「2年生のスーパースターに褒められるとは先輩鼻が高いよ」

「スーパースターってなんですか?」

 どこがスーパースターなのか笑いながら聞き返すと

「イケメンで1年生から野球部でレギュラーで試合に出てて、テストでも毎回トップ5には入っている君の事だよ」

 3つともあってはいるが、その内の一つはもう関係のないものになっているなぁと思う。

「あぁ、そうゆう事ですか」



「そんな事より練習はどうしたの?」

フルートをケースにしまいながら優しく聞いてくる。

「俺部活辞めたんです」

「そうだったんだ〜、どうして辞めちゃったの?」

「先輩と顧問が坊主にしろってうるさいんで辞めたんすよ」

「本当に〜〜?」

間髪入れずに答えた。

「本当ですよ」

「ふ〜〜ん」

疑い深い目で見られながら言われた。

「相談したくなったらいつでも先輩の所にいっらしゃい!」 笑顔で元気よく言われ、少し元気になった気がした。



「これからは放課後暇なんでこの公園に先輩のフルート聴きにきていいですか?」

「もちろん!私も聞いてくれる人がいる方が楽しいからね!」

とても真っ直ぐな結愛と話していると心に空いた穴が少しずつ塞がっていくような気がした。

















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