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 リナーテは心の中でホッとして気持ちを新たにする。


「はい。あと一年半! 頑張ります!」


 リナーテが拳を握りしめた。それもまた可愛らしい仕草に見えるリナーテに、フェリアたちはクスクスと笑ってしまう。


 ルルーシアがチラリと時計を見て促した。


「そろそろお着替えのお手伝いにまいりませんと」


 フェリアたちはメイドに引っ立てられた三人の男たちのいる部屋へと向かうことにする。

 三人はリナーテと違い完璧なカーテシーをしてその場を後にした。


 三人のカーテシーを見た女子生徒たちは感嘆のため息を漏らしていた。


〰️ 〰️ 〰️


 学園では紳士科と淑女科で男女に分けられるが、細かい所属科は自由選択である。各科は学習内容も異なるため、自分の将来に役に立つ科を選ぶ。


 淑女A科に所属するのは、すでに基本的なマナーを習得している高位貴族令嬢が多い。特にマナーや社交を学ぶが、高度な教養ももちろん含まれる。

 淑女B科は高官や文官を目指す科で、高度な教養の授業を主とする。元々ある程度教養があることを前提とした授業のため高位貴族令嬢が多いが、才女と言われる子爵男爵令嬢も所属している。高位貴族子女の家庭教師はこの科の卒業生が断トツ人気となっている。

 淑女C科は高級メイドや下級貴族の妻を目指している。マナーや教養も幅広く学びながら、メイドとしての仕事も学んでいく。下級貴族の場合、妻も家庭内の仕事をする場合もあるので無駄にはならない。高級メイドとなれば貴族令息や騎士に見初められることも少なくない。

 淑女D科は中級メイドや市井働きを目指しており、子爵男爵令嬢が主に所属している。最低限のマナーは学ぶが、主に家事全般を完璧にできることを目指している。


 淑女A科は全員が正装に近いドレスを着用している。B科はシンプルなドレスまたは制服。C科とD科はほぼ制服。どの科であっても茶会やダンスの授業はあるので、ドレスは持っている。


 入学時に自由選択で学科を選べるので各学年で各学科の人数は異なるが、淑女D科の人数が多いのは毎年のことだ。子爵家男爵家の家数を考えれば当然である。各クラス二十人程度で、淑女A科は二クラスだけだが、淑女D科は四クラスある。


 紳士科もいろいろと分かれているがここでは割愛する。


 リナーテが言った「あと一年半」とは卒業までの期間であり、リナーテが在席する淑女D科では卒業試験にカーテシーが含まれているのだ。淑女A科では入学時に当然のように全員がマスターしている。


〰️ 〰️ 〰️


 着替えのために用意された一室にフェリアたちが到着すると、イードルたちはすでに下着姿になっていてこれからコルセットをされるところであった。

 イードルたちをここまで連れてきた十人のメイドの他に十人ほどのメイドがいて着替えを手伝っている。


「では参りますよ! せぇのっ!」


 メイドが気合いとともにコルセットを締め上げる。


「ぐぇえ!!」


「痛い痛い痛い!!」


「ぐぉあああ……」


 イードルたちの悲鳴が響く。


「淑女としてそのお声はダメですわ。静かに耐えてくださいませ」


 フェリアがため息とともに困ったという表情を作る。


「そ……そもそも……女性のコルセットを我々が装着できるわけがないだろう……」


 イードルが涙目で訴えた。ゼッドは騎士団を希望するだけあって見事に鍛えられている。イードルとサバラルも流石にそれなりに鍛えられていて、男性らしい体である。

 引き締まった筋肉ではなかなかコルセットは締められない。


「大丈夫ですよ。女性でもふくよかな方はいらっしゃいますもの。それに、巻けている時点で大丈夫ですっ。あとはメイドたちが頑張ってくださいますわっ」


 バーバラの答えにイードルとサバラルとゼッドは夜会でのご婦人方を思い出し、納得できる数名が頭に浮かんだ。

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