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主人公がラブコメをしないラブコメってある?

 プロローグ


 俺の名前は土屋澄、親がネーミングセンスが無さすぎにプラスで何故か在り来たりな名前は付けたくないという妙なプライドで真剣に悩んだ結果がこの名前らしい。

 そんな俺だが、普通の人とは違うことがあるそれは、

 《アロマンティック》

 だ。

 だから俺は一切他人に恋愛感情がない、だから自分がする恋愛はどうでもいい。

 でも、俺はクラスの中ではうまくやっている方だし、男女関係なく喋りかけると乗りのよい返事だったり、逆に相手からも話しかけてきてくれた。

 しかもクラスの皆はとても優しく、自分の《アロマンティック》を認めてくれる人もいる。

 だから、周りの皆からの恋愛相談を受けることが何度かある。

 《アロマンティック》だからか?

 もしくは単に口が固いからか?まぁ、秘密な、と言われたら守るぐらいでしかないから多分違う。

 そんな他人からの恋愛相談を受けている俺だが希に協力してくださいとお願いしてくれる人もいる。

 そうして相談や協力を依頼されている俺だが、

 成功するときもあるし、失敗するときもある、だから必ず成功するとは限らないなのに、協力、相談を依頼する人がたくさんいる。

 だからこの物語は恋を現在進行形でしている彼、彼女らの恋愛を俺を含めたある部活動で手伝いをするという話だ。



 第1話


 とある部活中、小佐鳩綾斗という俺とは結構長い付き合いになる友達と共に俺はテニスの練習をしていた。二人しかいない状況だったからなのかはわからないが。

 突然聞かれた

「お前ってさぁ好きな人いんの?」

 俺に声をかけて来た。なぜこのタイミング?

 いやっ二年間という長い付き合いなのに知らねぇのかよ。

「お前と俺長い間友達してきたのに俺の事なんも知らねぇのかよ」

 ちょっとキレ気味に返した

 すると綾斗が

「あっそうだったお前恋愛感情なかったな」

 俺の事バカにしてんのかコイツ

「はいじゃあそれが答え、はい俺は言ったぞー、次はお前のターンだ」

 多分無理だろうなとは思ったが聞いてみた

「じ、実はな、俺って、言うわけねぇだろーが」

 まぁ分かってたけど

「おっ、なに話してんだよっ」

 仲のいい友達(結城 晴海と大山 陽太)が練習に参加してきた。ちなみにこの二人は俺といつも一緒にいる友達の内の二人で、

 この中高一貫の学園生活で様々な恋愛問題を解決していった五人組の二人だ。

「好きな人がいるかって話し合ってた」

「お前が恋愛を人と語り合うのはずるいだろ」

 陽太が言ってきた。

 くそっ俺だって他人の恋愛事情くらい聞きたいのに

「久しぶりだね、恋愛相談なんて」

 晴海が昔を思い出すように言った。 

 相談じゃないけどね

 まぁでも確かにそうだ

 今年俺たちは中学三年だがまだ恋愛相談を受けた回数はまだ今年はゼロ

 まぁまだ三年になってまだ1ヶ月ぐらいしかたっていないからしかたがない。


「じゃあさぁ賭けをしようや、負けたら好きな人暴露で」

 陽太が部活中にも関わらず絶対却下されるだろうことを言い出した。

 アホやなと心の中で思った。

「いいね賛成賛成」

 綾斗と晴海が話に乗った。

 いやっ、二人とも乗るのかよ、まぁ別にいいか俺は多分外されるけど

 すると三人とも《お前は審判してくれ》と言いたそうな顔で俺を見てきた

 ひどいな普通に

「じゃあ俺は審判するわ」

「オッケー」

 三人がハモった、ほらな(逃げんな!)も言わない

「じゃあ後衛練習中にコーンにノーバンで当てられなかったら罰ゲームって事でいいかな?」

 晴海が簡単に説明をした

 すると聞こえていたのかチームのキャプテンがコーンを用意してくれた。

 うわっ聞こえてた、でも優しいな

 すると

「俺、コーン当てまじで得意だから!」

 綾斗が負けフラグを立てていた。

 そんな会話をしていると賭けが始まっていった。

 まぁコーンは小さいからそうそう当てれないだろうと思ったが、そんなことはなく四、五往復ぐらいすると晴海 が

「当たった!審判どう?」

「おぅ、ギリギリだけどあたったぞ」

「うわぁーあいつ当てやがった、クッソ」

 綾斗と陽太が結構悔しがっている。

「よっしゃお前ら一騎討ち頑張れよ!」

 そして二人の勝負は凄く長引いた、

 するとついに陽太がコーンにボールを当てた。

「うぉーーナイスボール」

 他の部員も陽太を褒めるくらいいい打球だった。

 彼は右腕を掲げている。だが綾斗は陽太の次の順番だったので、ラストチャンスができた、だから

 当てなければ終わりという断崖絶壁に陥っていた。

 だから俺は心の中でそっと応援しておいた。(が、がんばれぇ)

 するとギリギリだったが綾斗はコーンにボールを当てることが出来なかった。

 その後、賭けに負けた綾斗は静かに俺を含めた三人を呼び集めた

「めっちゃ言いたくないんだけど、いい?」

 いやっ賭けに乗ったお前が悪いだろ

「いやっ無理」 「無理だねそれは。」

 陽太と晴海が否定した

 まぁそうなるわな、ドンマイ

「わかったわ言うって、じ、実はなぁ一ノ瀬、一ノ瀬 楓さんの事が好きなんだよ俺」

 おぉ気になっているじゃなく好きできたかぁ強いなこいつ、ちなみに

 一ノ瀬は学年内でも特に人気のある女子生徒だった、パッチりとした黒い目に、透明感のある白い肌に、癖毛ひとつない短いショートの黒髪で勉強もできるし運動だってなんでもできる彼女には美人ではなく可愛いがお似合いだと思う。そんな容姿端麗でなんでもできる彼女を相手にしている綾斗は、どちらかと言えばイケメンの方だが、少しばかり勉強が苦手、でも

 そんなところぐらいしか欠点は浮かばない。だから十分一ノ瀬相手でも十分に攻略ができる。だが彼女に挑んだ沢山の男子達は悲しいぐらいに彼女の攻略を失敗していた。

 そんな学年のトップクラスの人を綾斗は好きになっていた。

 すげぇなコイツ

 それを聞いた三人は少し話し合い、一つ提案をした。

「お前が本気なら一ノ瀬の攻略手伝ってもいいか?」

 陽太が提案をしてみた。

 しかし、

「えぇーお前らで本当に大丈夫か?アロマンティックいるし。」

 は?いや。やめろよ俺と世界中のアロマンティックの人たちに謝れ!

「ま、まぁ俺と晴海 が頑張るから任せてくれないか?」

 陽太が 綾斗に頼んだ。

 だ、か、ら、俺たち一緒に頑張ってきただろ?

 と、なんやかんやで俺たちは超強そうな一ノ瀬楓に片思いをする綾斗を、応援する、いや協力する事になった。

 そうして明日の土曜日に作戦会議をしようと綾斗の家に行く約束をした。


 第2話


 部活が終わり下校中に俺は少し考え事をしていた。

 どうやって攻略すればいだろうか、

 高嶺の花過ぎないか?席を交換したりして少しずつ綾斗と一ノ瀬の距離を近づけて行くか?それでも些細な出来事でしかない。いや無理じゃね?

 だから俺を含めた晴海と陽太の三人じゃあ少し戦力不足だなと思った。

 よしあの二人にも協力してくれるか頼んでみるか。


 夜遅くに俺は例の二人に協力を電話でお願いして見ると、

「ごめんこんな夜遅くに、明日の綾斗の家で遊ぶことになったから一時くらいから来てくないか?」

 今、電話をかけている相手は住月 珊瑚で彼は野球部の部員として活動している、まぁムードメーカー見たいな奴だプラスで彼も五人組の一人。

「オッケーわかった行くわ、じゃあおやすみ」 

 住月は明日暇だったらしく、誘いに受けてくれた。

 俺は住月を誘ったあとはもう一人の協力者にも電話をかけてみた。

「ごめん夜遅くに、明日暇だったら綾斗の家に遊びにいかない?一時ぐらいからでいいよ」

 今、電話をかけている相手は秋葉 葵、彼は住月と同じで野球部の部員として活動している、彼はボケツッコミ両方できるので笑い話の軸見たいな奴だ彼も五人組の一人。

「ええよ分かった暇やから行くわ、じゃあおやすみ」バサッ

 布団に倒れかかる音がしたので申し訳ないと思ったが葵も誘いを受けてくれた。


 土曜日 

 今日は部活動が午前の練習だけだった。しかも例の二人が所属している野球部は顧問の先生の事情で休みになっていたので綾斗に確認をとって二人を会議に参加させる事になった。

 そして綾斗の家に着いた俺は最後だったぽく俺以外の人は皆もう

 到着していた。

「お邪魔します、ごめん遅れちゃった。」

 一時ピッタリだが素直に謝っておいた。

「いや全然いいよ、そこに座りな」

 綾斗が俺の席を案内してくれた。

 そして俺を含めた六人で四角のややでかい机の周りに畳の部屋だったので座布団の上に座った。 

「よし、それでは会議を始めようか。」

 遅れてきたのは人間の分際だが俺が会議を始めさせた

「て言うかお前は誰の事が気になっているんだ?」

 住月が率直に綾斗へ質問した

 俺が言うの躊躇したため後から関わってきた野球部の二人にはその事を詳しく説明してはいなかったが、予想以上に察しがよく一ノ瀬を攻略するを伝えるだけで理解してくれた。

「まず、一ノ瀬楓の恋愛事情なんだが、実はなぁ彼女付き合った回数が一回をもないらしい。」

 俺は悲しい現実皆に伝えた。

「いや大丈夫だって、俺ら五人が集まれば鬼に金棒、和食に箸だろ。」

 葵が自信満々に言った。

 だが彼女は俺たち五人の誰独りと関わりがなかった。

「なぁなぁお前ってさぁ一ノ瀬と何か関わりは持っているのか」

 どうしても知りたい情報だったので濁さず聞いてみた。

「ないかあるかで言うとある。」

 おっまじかそれは結構俺ら的にうれしい情報だった。

「それでどんな関係なんだ研修見たいなやつでペアになったりとか?」

 陽太が聞いてみた。

「実はなぁ俺、一ノ瀬と保育園の時からずっと一緒だったんだよ」

 俺を含めた五人全員驚いている、

 うわ、それは結構むずかしいな二年間ぐらいだと思ったが保育園からの付き合いは結構きつい、何故かと言うとウェスターマーク効果がついてしまっているかもしれないからだ、ウェスターマーク効果というものは幼少の頃から極めてだが、親密に育った人々との間には、性交に対する生得的な嫌悪が存在してしまう、つまり友好関係でしかない関係になってしまう、だが陽太は一ノ瀬のことが好きだからその可能性は低いとおもった。だから一ノ瀬の方はあり得る。だから確認を取ってみた。

「もしかしてお前の事友達としてしか見られているって可能性は無いのか?」

 ちょっと答えの限りで攻略可能か判断できる質問をした。

「いやでもそんなに仲良くはしてこなかったよ、だからその事は大丈夫」

 めっちゃ緊張したが安心した。よかったそれなら攻略できる。

「じゃあもう攻略方法について考えるか。」

 葵が仕切り直した。

 うーんと頭を悩ませ沈黙の時間が五分くらい流れた。

 だがそんな沈黙の時間に終わりが来た。住月がある提案をした。

「席などを工夫したりして距離をつめていき少しずつだが仲良くなれば良くないか?」

 どこかで俺が考えた事のあるような意見だがそれも大事だと思った。

「委員会に入れば良くない?」

 陽太が付け足すように言った。

 おぉいいなそれ、でもどの専門委員会がいいか考えなければいけない

「美化委員もしくは広報委員会だね、どちらも二人っきりになれるチャンスがあるし、学級委員会や保険委員会などは二人っきりになる時間はあるが少しの時間しかないからその二つがいいよ。」

 晴海が六つほどある委員会の二人っきりになる時間の多い二つに絞ってみた。

「あっそうだ一ノ瀬、広報委員会に入るって言ってたぞ、席が近いから話し声がが聞こえてたんだよ。」

 一ノ瀬の近い席だった葵がいて幸運だった。

 だがもし広報委員会に入る男子が綾斗の他に出てきてしまったらそれはそれで難しくなる。まぁ今はいいか。

「よしじゃあ、ペア学習になった時とかにに距離を近づけていき、同じ委員会にに入る。これが作戦って事でいいか?」

 全員に確認を取り取り敢えず一ノ瀬攻略の作戦会議は終了しあとは普通に綾斗の家でテレビゲームなどをして遊んだ。


 第三話


 そして綾斗の家を出て自分の家に帰宅して俺は自分の部屋で色々な形のラブコメを漫画で読んだり、アニメ専用のアプリで見たりした、だが

 いやっこんなん起きないから現実なめてンのか?

 本とモニターに怒こりそうになった。

 でも、そこが良さなのかも知れない。

 恋愛って何なのだろうか?

 いや、でも今回の攻略が終わってしまって次の相談を受ける時にこうゆうのを読んでても損はないかもしれない。

 俺は別に他人の恋愛を拒否ることはしない。例えば

 男性同士での恋愛も女性同士での恋愛もどの性別にも恋愛感情を持っている人もそう、

 認めない人も沢山のいると思うが俺はLGBTQを認めているむしろ普通だと思えるれるようにしたい。

 でも今回はLでもないしGでもないしBでもないしTでもないし、

 今までもそうだった。でもこの先もしかしたらそんな相談を受けることになるかもしれない。だからどんな展開でも対応できるようにしようと思った。

 まぁ俺がどうして《アロマンティック》なのかにも理由がある。

 それは俺がまだ小学生の時だった頃の話だ、まだ、五人組のメンバーや今回の依頼者の綾斗にも出会っていない時の話。

 その時まだ俺は《アロマンティック》などではなく普通に他人に恋愛感情を持っていた、それに俺は自分の事をちゃんと男の子だと思っていたし、

 皆と特別違うってこともなかった、しかも前説明した、

 ウェスターマーク効果でもないし特に小学生の時に異性とのトラブルに経験が無いと断言できる。でも俺は《アロマンティック》になってしまった

 その理由は、親の都合で遠い所に転校することになったからだ。

 それは結構自分にとってはとてもショックだったとおもう。そして転校した少しの間しか小学校には通うことができず不登校気味だった、そして親が勝手に本当だったら行く中学校にせず敢えて中高一貫の学園にしてくれた。

 だから俺は変わるために勉強をして入試を受けた。そして今だ、昔一緒に遊んだ友達を忘れたりなんかは絶対にしないと心に決めていた。

 でもやはり新しい環境で新しい人と友達になるためにどうすればいいかを考えた結果あっもう恋愛感情を捨てようと思い、それから一切の恋愛感情を持たずに二年間部活と勉強の両立プラスで友達とメリハリをつけた。

 それが俺の《アロマンティック》になってしまった理由だ。

 だからこれは俺が他人の恋愛に手伝いをしているが、

 それと同時に俺の失われた恋愛感情を取り戻す物語だ。

 だから中学一年生の時から人に恋愛相談を受けて協力していっている内に今の五人組とも知り合った。

 だが未だに俺の恋愛感情は取り戻せていない。

 だから今回の依頼も少ししか期待はしていなかった。


 第四話


 俺は一通り漫画やアニメに目を通して見た後にいつもの五人組のグループチャットで話をした。

「なぁ皆今回の攻略成功の確率は百パーセント分のいくつだ?」

 皆に一応だが今回の攻略の予想成功確率を聞いてみた、すると陽太,葵,住月,

 晴海の順番で返信が返ってきた。


 陽太「うーん俺は二十パーセントかな、相手が相手がだし、俺らには今までもだけど女子側の気持ちがわからんからな。」

 陽太の言うとうりで確かにそう、俺たちには女性の協力者がいない。

 葵「俺も陽太と同じく二十パーセントやね、今回の相手はヤバすぎる、今までの相手の何倍かは強い。」

 確かに俺らが相手にしてきた人たちの中でも今回は何倍もレベルが違う。

 住月「俺は四十パーセントかな確かに皆の言うとうり、でも、俺は綾斗なら行けると思うんだよね、保育園からの付き合いもあるから、そこら辺の二、三年でしか付き合いがない男共とはかなりのアドバンテージがあると思う。」

 うん確かに保育園からの付き合いがあると知ったとき結構安心した。

 晴海 「僕は三十パーセントだと思うよ、住月と同じ意見だよ。」

 四人中四人が半分以下だった。

 でも、ゼロではないから皆諦めてはないということでいいんだよな?

「皆ありがとう、じゃあさ何か提案とかないか?」

 皆に謝意を伝えた後、何かいい案がないか聞いてみた

「じゃあさぁ学校の文芸部が使っている教室の隣に空いている教室を使って恋愛相談部を作らない?そうしたら高等部になっても使えるだろ」

 陽太が結構難しくなるであろう提案をした。

「それ、良いね、入ってくるかは、わからないけど。」

 俺がそう答えると他の三人も兼部覚悟なのかはわからないがすんなりと提案に乗った。

「じゃあさぁその部活を作るのを僕にさせてくれない?これ作るの大変だけど僕なら余裕で出来る。」

 晴海、お前って言うやつは。

「よしっじゃあ頑張ろうお疲れっっ」

 夜遅いのを察したのか、住月が突然雑談を終えるような事を言った

「じゃあ皆お休み~」

 と五人で言い合った後俺は勉強を一時間程度して寝ることにした。


 第五話


 俺は今日、いつも通りに登校して、いつも通りに授業をして、いつも通りに部活をする予定だった、しかし昨日話し合っていた部活動を作る話がこんなにも早く出きるなんて、思いもしなかった。

「あいつどんだけ有能なんだよ」

 そう、いもしない晴海に誉め言葉を呟いていると、呼び出された、三階へ階段を上りきった後に右に回り真っ直ぐに進むと、文芸部の部室があり

 その隣に今日から俺らが活動する空き教室と書かれてある紙がドアのすりガラスを防ぐようにして貼ってあった。

 そうして、俺は内開きのドアを開き中へ入ると、もうすでに俺以外の五人組プラスで綾斗の五人がとても大きい長方形の机の回りに座っていた。

 どこかで見たことのある展開なのは気のせいだろうか。すると、

「お前、また遅刻かよ」

 陽太が俺に煽るようにして言ってきた。

「いやっでも時間指定されてなかったし、てか晴海お前有能すぎじゃないか、俺はてっきり三日間ぐらい掛かるかと思って顧問に欠席伝えるのが遅くなったぞ。」

「まぁいいじゃないか、僕から任せてって言ったんだからさ」

 と、掛け合いを終えた後部長、副部長を決める争いが始まった、

 長いこと話し合いが続いてしまったので、じゃんけんで決めることになった。

【最初はグーじゃんけんボンっ】

 と一斉に出した全員の腕が止まって静寂が流れた

 次の瞬間、俺と晴海以外三人はチョキを出していて俺と晴海はパーを出していた。

「しゃゃゃゃゃゃゃおらぁぁぁぁ」

 三人が喜びあっていると、次が始まった。

【最初はグーじゃんけんポンっ】 ガチャ

 次の瞬間部室のドアが空いて二人の女子生徒が入ってきた。

「私達二人をこの部活に入れてくださいっ!!」

「あっすみません私も同じくです」

 この大きな声でこの部活への入部を希望している彼女は松浦青羽、童顔に黒髪のショートカットに意思の強そうな目で見つめあっていたら一歩引いてしまいそうな目で彼女は一ノ瀬に劣らずの容姿を持っていて勉強も運動も申し分なく出来る。

 そして松浦よりかは少し小さい声でこの部活への希望している八坂灯吏はまだ二年だが、これも、とんだ容姿を持っていて、多量のコーヒーに少しミルクを落としたぐらいの茶髪と黒髪の半々の髪毛に赤のスカーフリボンをつけてポニーテールをしている彼女は一ノ瀬とも松浦にも劣りを感じさせる事もない美少女だが、松浦や一ノ瀬とはまた別のオーラを放っていた。

 そんな学年のトップに近い二人が何故この部活に入ってこようとしているのかは理解出来なかった。

「えっと、体験入部じゃなくて入部?」

 俺も含めて皆、五人以外入部してくると思いもせずしかも創部一日で入ってくるとも思っていなく驚いたが、とりあえず聞いてみた

「はい入部です、ってあれ?ここって恋愛相談部ですよね、、」

「えっ私間違えちゃった?」

「いやここは恋愛相談部だ。創立二十分だけど、」

 葵が二人にそう伝えるプラスで俺の遅刻を意識させてきた。

「敬語やめよ、俺ら同級なんだからさ」

 と追加で住月が二人と仲良くなるために必要なことを言った。

「わかった、あと六人全員部員なの?」

 と彩羽が聞いてきたので綾斗以外が全員部員と言うことを伝えた。

「あっ私の名前は松浦青羽!呼び方は自由でいいよ!」

「私は、八坂灯吏です、私はまだ二年生なので敬語と皆さんを先輩呼ばわりします!あっ彩羽でいいですよ。」

 と二人とも自己紹介と名前の呼び方を説明してくれた。

 その後二人を部室の中に入れて余っていた席に座らせた。

 しかし長方形の机は思ったよりも大きくて二人が追加で座ってもまだ空きペースが残っていた。

「ごめん、こっちもまさか初日に入部してくるとは思ってなくて、だから今日は体験ってことでいいかな?」

 晴海が二人の突然の入部に対応を取った。

「はぁーい」

「会議には口出しはしてもいいですか?」

「もちろんいいよ、て言うか俺ら女性協力者を必要としていたから逆に助かる。」

 住月が、俺と晴海の後に続いて答えた。

「じゃあ全員プラスで綾斗も揃ったということで恋愛相談部活動開始!!」

 住月が仕切った。

 お、ナイスまとめ役、お前部長になればよくないか?

 そんなこんなで創部三十分の恋愛相談部の記念すべき第一回の会議が始まった。


 第六話

「そう言えば部長はだれなんですか?」

「まだ決めてない、今から決めようと思っていた所だ。」

 そして、記念すべき第一回会議の第一声は灯吏で、第二声は住月だった。

 うんそれ俺忘れてた、と心の中で思いっていると晴海が

「じゃんけんで決めるぐらいならさ、立候補で決めないかい?」

「いいなそれでいいんじゃないか?」

「私もそれでいいと思う」

 そして皆からの了承を得た上で俺が

「じゃあ部長になりたい人はいるか?」

 と聞いてみた、するとまた

 ガチャ、ドアが開く音がした

 マジかよこんなにも入部を希望している人がいんのかよと思ったが、

「あのーすみません、れ、恋愛相談です」

 う、うそだろまずい、今まで被ったことはなかったのに、

 そして恋愛相談をしに来た男子生徒は、俺の知らないやつで名前も知らない。

 すると、陽太が

「ごめん、ちょっと廊下で待っててくれ、二分くらいでいい」

 と、決して断りはしない俺らのやり方を守った。

「どうする、この二件同時の依頼、初めてだ」

 と住月が言うと、

「今回は皆で二チームに別れるしかないか」

 と葵が言った。そして考えた末、こうなった

「澄、晴海、青葉、灯吏この四人で綾斗を頼むそして、俺、葵、陽太で今来た依頼を受ける」

 と住月がスパッと決めた。

 少し俺は不安にもなったが、この住月のチームメンバーでは申し分はない。

 そして、陽太の言った通りにきっちり二分で話し合いが終わった

「じゃあ、俺ら四人と綾斗は、場所を移動することにする」

 と、綾斗は友達なので、作戦会議をするならどこでもいいと思い、住月たちと少しばかりの依頼的別れを告げた。

 そして学校を出た俺たち五人は近くにある飲食店に行くことにした。

「なぁ、いいのか?あの三人に任せても?」

「本当、住月君たちは大丈夫なの?」

 綾斗と灯吏が心配そうに俺と晴海の方を向いてきた。

「大丈夫、あいつら三人とも、そのときになればすげぇ頼りになる、でも俺たち五人はさぁ、性格もちがうし、長所も違う、だから正直に言うと五人揃ってないと、、いや、大丈夫」

「先輩は皆さんのことをとても頼りにしているのですね」

 と、別れた三人は大丈夫なのか?という心配はなくなったが、晴海がもしかするとあいつらと対立するかもしれないようなことを言った。

「もしかするとなんだけど、あの瞬間に来た男子生徒、もしも一ノ瀬さんのことが好きということになっていたら僕たち、対立することになるね。」

「いやで、でも、この二人かも知れないぞ、だって普通分けるんだったらこの二人も分けるだろ」

 と灯吏と青葉を思わせた。

 でも、もしもそうなってしまったとき、、

「確かに、澄の言う通り、あそこの瞬間で分けるならこの女子二人は離れていたと思う、僕だったらそうする」

「では先輩、住月先輩に電話かけてみませんか」

「そうだな、そうする」

 と住月たちに電話をすることにした。

 そして俺は電話をするためにスマホをひらいてみると、あいつらから先に電話がかかってきた。

「もしもし、澄か?あとそこに皆もいるか?」

 電話をかけてきたのは葵だった、俺は電話のスピーカーをオンにして机の真ん中に置いた。

「あぁ、皆居るぞ、て言うか、何かあったのか?」

「じ、実はな、」

 俺の周りにいる皆が、不安そうな顔をしている。

 さぁ、どうだろう、あの時の男子生徒の思い人は誰なのだろうか、一ノ瀬?灯吏?青葉?それとも、この三人以外の人かもしれない。

「その、、思い人なんだけど、一ノ瀬らしい、だから俺たちは、対立することになったから、覚悟しとけ」



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