ありきたりの真理
「きれいは汚い,汚いはきれい」
かの有名なシェイクスピアの著した悲劇「マクベス」の一節である.
この言葉は「善は悪,悪は善」という意味にもとれる.
善人が悪人となり,悪人が善人となる.
善人が正義を振りかざした結果,悪人となることがある.
逆に悪人が自らの罪を悔い改め,善人となることもある.
栄えていた者が勢いを失い,ついには滅ぶこともある.
苦境にあえぐ者が壮絶な努力の末に成功を収めることもある.
「正は負,負は正」でもある.正と負,善と悪はセットである.
正を求めるなら,それに付随する負も受け入れなければならない.
負を捨てるなら,それに付随する正も捨てなければならない.
人間万事塞翁が馬.これはありきたりの真理である.