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.彼女の朝

お立ち寄り下さりありがとうございます。今回は短いです。申し訳ございません。

まだ薄暗くはあるが、確かに日が昇り始め、部屋は暗闇から抜け出しつつあった。

陽の光と共に、すぐ隣に横たわる温かな体を、私は全身で感じていた。

鍛えられた筋肉で覆われた美しい厚い胸が、ゆっくりと上下している。

縋りつきたいのを堪えながら、そっと体を起こし、端正な面立ちを心置きなく眺めた。

見惚れるほど整った彼の顔は、瞳を閉じていても優しさが滲み出ている。


その優しさは、昨夜、私を包み込んでくれた。

私の全てを宝物のように愛してくれた。

伝わる彼の優しさが、嬉しくて、幸せで、――ほんの僅かに切なくて、気が付けば涙が零れていた。

彼は何度も私の名を囁き、私の涙に口づけてくれた。

彼の優しさが私の肌にまだしっかりと残っている。

彼は肌に口づけながら、私を愛しみながら、幾度も愛を囁いてくれた。

例え、閨での儚い睦言であっても、囁いてくれていたその瞬間は、確かに彼の愛を感じることができた。

彼の愛が嬉しくて、信じられない程幸せで、そして切なくて、私の涙はまた零れていた。

そんな私を、彼は優しく抱きしめてくれた。

彼と肌を重ねた、一瞬、一瞬を、私は魂が尽きる日まで忘れることはないだろう。


朝の光を受けながらも穏やかな眠りの中にいる彼の顔を見て、自分の内に目を背けることのできない激しい望みが私を捉えているのを自覚していた。

夢のようなこの時間を諦めたくはない。

いつまでも彼の横にいたい。彼の温もりを感じ、彼の穏やかな寝顔に微笑みながら、いつも朝を迎えたい。


昨夜、肌を重ねる前は、もう思い出だけでいいと、心から思っていたのだ。

けれど、この身に彼の優しさを受けて、欲が生まれてしまった。


まだ、決着はついていない。

彼の想い人は彼に想いを返していない。

それならば、やはり彼を諦めることなどできない。

私ほど彼を想っている者などこの世に存在しないと誓って言える。


チャーリー。私は最後まであなたを諦めない。

――たとえ最後が来たとしても、この魂と魔力と剣にかけて、私はあなたを愛し続ける。



私は息を吸い込み、誓いを込めて彼の胸に口づけた。


お読み下さりありがとうございました。長さが安定せず、申し訳ございませんでした。

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