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白夜 52話 エルドリッジの中へ

次話を読んでいただきありがとうございます。

かつての超巨大宇宙戦艦エルドリッジに内部へ入るクロ達…そして…


 クロ達が乗る宇宙戦艦が八雷神を封印した超巨大宇宙戦艦エルドリッジへ向かっている。

 宇宙戦艦の艦橋にいるクロ達、そのクロにティリオが耳打ちする。

「気になる事があるんですけど…」

と、クロに近づき小さく尋ねる。


 クロが左にいるティリオに寄って、声を広げないようにして

「なんだ?」


 ティリオが、前にいるレイセン達とディアを見つめて

「本当に八雷神、ヤライの力を受け継いでファイライ時空を…復興させる。そして、アルテイル時空共和国の連邦に加わる。それが本当に…彼女達の目的なんですか?」


 ティリオは疑っている。

 時空を宇宙を治めた宇宙王の力を手にして、大人しく元の統治体制に入り、自分達を維持していく…とするレイセンの考えが信じられない。

 巨大な力を得た者達が…ことごとく狂っていく歴史や様をティリオは、多く知っている。

 だからこそ、彼女達の目的が…怪しい。


 クロがティリオに

「お前の思う通り、違う…としてもだ。現状は、オレがヤライを封印した時代とは違う。独立するか、それとも反乱して…そうなったとしても、大きな戦争になる事はない。オレや…アークシア、他の宇宙王達がアルテイル時空共和国にいる」


 ティリオが

「それが抑えになると…」


 クロが頷き

「それに…ヤライは…自分を求める者がいたら助けて欲しいって遺言もある。それを守った後、ソイツらがどういう道を歩むかは…ソイツら自身の責任だ」


 ティリオがクロを見つめて

「意外と…そういう所は固いんですね」


 クロが渋い顔で

「できない約束はしないからな」


 ティリオがフン…と鼻で笑い

「そうですか。そこまでお考えなら…口出しはしませんが…後々に」


 クロがニヤリと嫌みな笑みで

「後々にな…」


 そう、もし…後々に…。


 ◇◇◇◇◇


 クロ達の宇宙戦艦が目的の場所に到着した。

 全長100キロの超巨大宇宙戦艦の上にクロ達の宇宙戦艦が来る。


 宇宙戦艦の艦橋から、宇宙戦艦を操縦しているミリアスが

「これを昔、クロさんが操縦して…」


 クロはミリアスとジースが座っている正面の操縦席に来て

「認証を行う。多分、大丈夫だろう」

と、操縦席の中心にタッチパネルに触れて認証を送る。


 クロの認証を受け取った超巨大宇宙戦艦エルドリッジが唸るように吠える。

 まるで、主の帰りを待っていたかのようだ。


 そして、クロ達の宇宙戦艦がある下の部分の装甲が開く。


 クロがタッチパネルから手を離して

「どうやら、大丈夫みたいだ。メインシステムも生きているし…問題なく、例の場所へ行けるだろう」


 レイセンがクロの後ろに来て

「本当ですか?」


 クロが腕組みして

「後は、そのお嬢さんを超越存在、雷陣炎王を継承させるには…」


 ディアが

「それは私がやります。ですが装置を…」


 クロが顎を摩り

「多少の資材ならエルドリッジの中にあるが…欲しい素材を提供するってなると…それなりの材料に詳しいヤツが…」

と、ティリオを見る。


 ティリオが溜息をして

「材料の変換や、相応の素材の判断は、ボクがやりますから…」


 ディアがティリオにお辞儀して

「ありがとうございます」


 クロ達の宇宙戦艦がエルドリッジに内部へ入る。


 クロ達の宇宙戦艦の艦橋の窓からナイツの六人が内部を、通過している巨大空間を見つめて

 ガルダスが

「スゲーこんなに兵器があるのか…」


 クリニアが

「これ、全部、父さんの意識を転写、連結して動かすのよね?」


 ジェイスが

「これだけの莫大な量を動かせるなんて…」


 そこには、地平の果てまで続くマキナ(人型機体)と宇宙戦艦に様々なタイプの無人兵器達が安置されていた。

 クロが

「全部を動かせる訳じゃあないが…オレの持つ特性、アヌンナキの特性があったから出来た事だ」


 ナルファが

「エヴォルドの私達でも、それはムリかも…」


 アルヴァが

「それだけじゃあないよね。親父…このエルドリッジは…」


 アークアが

「高次元兵器も…」


 クロが進んでいる先を見つめて

「ああ…オメガデウスの前身、デウスシステムをコアに使っていた」


 レナが

「デウスシステム。それはナノテクノロジーの最終到達、ナノマシンを使った有機体と無機物の融合。でも、それは…高次元からの膨大なエネルギー提供から成り立っていた」


 クロが自分を指さし

「オレと、アルード、アシェイラの三人は、アヌンナキ、ハイパーグレート…超越存在の特性や性質、適性を調べて研究する為の素体でもあった。生まれながらに高次元領域から膨大な、無限に近いエネルギーを自在に取り出せていた」


 ジースが

「その研究や技術が…宇宙、時空の発展の為に使われていたら…」


 クロが

「最初は、そうだった。オレ達が生まれたユニックインダストリーは、その為に誕生して、それを…追求していた。だが、何時の時代も…強大な力は、権力の強さを証明する為に使われる」


 ミリーが

「歴史は…兵器開発へ向けられた」


 アルナが

「そして、クロさん達は…」


 クロが鋭い顔をして

「オレだけじゃあない。ヤライも…オレ達と熾烈な争いを繰り広げたカレイドのハジュンも…争いの道具になっちまった。そんなのオレ達は望んでもいなかったのに…」


 レイセンが少し俯き加減で聞いているのをクロが

「だから、お嬢さんが…その力を故郷の時空の為に使いたい…って思うなら否定しない。それが一番に正しい使い方だ。だが…争いを助長させるなら…オレは止める」


 ディアが

「私達は、本当に平和を望んでいます。ですから…」


 クロが

「その言葉を信じてみるとしようか…」


 言葉を紡いでいるとクロが

「目的の物が見えたぞ」

と、指さすそこには、巨大な黄金の十字架が現れる。

 それは、かつて、八雷神を封印した装置だ。


 クロが艦橋から出て

「ヤライが生きているか…確認してくる」


 クロは、一人でオメガデウス・ヴァルヤに乗り、八雷神を封印した百メートルの黄金の十字架へ近づく。

 封印装置の黄金の十字架の中心、十字の交点へ来る。

 そこには、結晶の装置がある。

 その結晶の中に八雷神が…


 クロがオメガデウス・ヴァルヤをその結晶に近づけて、胸部のコクピットを開いて結晶を見つめると…そこには…

「ヤライ、約束通り…」

 ヤライの遺体は、結晶のミイラとなって、八雷神の力を封入した物質になっていた。


 ヤライは…死んでいた。


 クロは、何処となく会えるのでは?と僅かな期待をしていたが…それは叶わなかった。


 こうして、八雷神の超越存在の力を封入した結晶のミイラをクロは回収して、レイセンの望みの為に、ヤライの遺言を果たす為に…

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、レイセン達の思い

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