白夜 51話 再び戻った場所
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クロ達が到着した場所、そこは…
クロとレナが乗る新たなオメガデウス・ヴァルヤが惑星の空を飛ぶ。
クロのいる操縦席の後ろの複座にいるレナが
「周囲に異常が無いか…調べているけど…」
クロが
「問題ないだろう?」
レナが頷き
「うん。私達以外の反応はないわ」
クロが
「じゃあ、戻ろう。そろそろ、他を調べにいった連中が戻ってくる頃だ」
クロが宇宙戦艦がいる場所へ戻るように操縦する。
惑星は、荒野と海しかない。生命が一切いない。
太陽の光の代わりに、惑星を覆う次元圧縮結界が輝いて惑星を一日中、昼間にしている。
永遠に夜がない惑星、そう…ここは八雷神を封印した惑星だ。
クロとレナが乗るオメガデウス・ヴァルヤが宇宙戦艦へ戻ってくる。
クロ達は逃亡中にオメガデウス・ヴァルヤの力を借りて、そのまま目的の惑星へ時空間転移して到着した。
宇宙戦艦が着地している崩壊した港の入り江、その中でまだ…港の原型を止めている場所に宇宙戦艦を着地させて、周囲を調査している。
クロとレナのオメガデウス・ヴァルヤが宇宙戦艦に戻ってくると、他の調査に行った者達も戻っていた。
ナイツの六人、彼ら彼女らが積極的に外の調査をしてくれて、戻って来たのは…ナルファ、アークア、ジェイス、アルヴァの四人、クリニアとガルダスの二人は戻ってきていない。
ジェイスが
「親父、周辺をメガデウスで見たけど…誰もいない所か…生命反応もないぜ」
アークアが
「ここが封印されて五百年が過ぎているのよね…」
クロが頷き
「ああ…そうだが…」
アルヴァが
「だったら…酸素や二酸化炭素、窒素といった大気がある惑星で、しかもずっと昼間の状況…生命が復活していないなんて…おかしいぜ」
そこへ、ティリオとジースにミリアス、ミリーとアルナの四人が来て、ティリオが
「この惑星で生きている施設がないか…調べたけど、無かった。その代わり驚くべき事が分かった」
ティリオがデータ端末から立体映像を取り出すと、時刻表示が出た。
上下の時刻表示、それは同期して同じ秒数を刻んでいる。
ティリオが時刻表示の立体映像を指さして
「上がボク達が今まで過ごしていた時間、下が…惑星のエネルギーを調べて分かった時間だ」
レナが
「同じように時間を刻んでいるけど…」
ティリオが「その時間をもっと拡大にすると…」と時刻表示のデータ値を大きくした。
そこには…クロはそれを見て
「どういう事だ? この惑星の時間は…オレが封印してから数年しか経過していない」
それを聞いてナルファが
「まさか…時間が断絶していて…私達の標準時間以上に遅く時間が流れているって事?」
ティリオが
「その心配はない。ここの時間とボク達のいた場所の時間は同期している。それは、超空間ネットワークにアクセスして分かっている」
そこへ、レイセンとディアの二人が来てディアが
「ティリオさんの予想通り、どうやら…クロードさんが封印した直後から、ここの時間と外部との時間同期が切り離されて、惑星の時間経過が遅くなっていたけど…私達が来た事で同期したみたい」
アルヴァが
「そんな事…起こるのか? 仮に起こるとしたら…ブラックホールへ落ちて、途中で止まっていました。なんて、有り得ないビックリ仰天な事だぜ」
ティリオが
「ディアさんの惑星エネルギーの調査の結果は、どういう結果ですか?」
ディアが
「もの凄い…高次元のエネルギーが作用していた形跡が空間内に残っていたわ」
ティリオが
「こっちの超空間ネットワークへの回復作業中でも、高次元からの強い干渉の残像を確認した。つまり、この惑星は最近まで強い高次元の力に包まれていた。だから時間と空間が分離してちょっとした高次元領域に近い状態だったから、外部との時間と断絶していた。そう、推測ができる」
クロが
「封印した八雷神の力の残影か…」
ティリオが頷き
「おそらく…」
クロが難しい顔をしていると…レイセンが
「もしかして…八雷神様が生きておられるのですか?」
クロがレイセンに
「いや、もしかしたら…ヤライがもう一度、オレ達が戻ってくるとして…」
クロ達に通信の立体映像が出て、そこには帰ってきていないクリニアとガルダスが映る。
クリニアが
「父さん、見つけたわ」
と、別の映像を出すと…そこには、かつてクロが操縦して八雷神を封印した全長100キロの超巨大宇宙戦艦が大地に埋まっていた。
クロが
「どうだ? 何か…変化は?」
ガルダスが
「中心部にエネルギー反応はあるけど、他の反応はないぜ」
クロが頷き
「そうか…まずは、見つけて襲ってくる事がないってのが幸いだ」
ミリアスが
「そちらへ向かいますか?」
クロは頷き
「ああ…頼む」
こうして、ガルダスとクリニアが発見した。かつての超巨大宇宙戦艦エルドリッジへクロ達の宇宙戦艦が向かう。
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次回、エルドリッジの中へ