表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
992/1109

白夜 47話 八雷神の遺言

次話を読んでいただきありがとうございます。

星艦にいた者達と接触したクロ、そして、そこにいた八雷神の子孫が…


 クロは左にハジュンが並び押さえられて移動するカーゴに乗っている。

 クロの乗るカーゴには、同じく捕まったジェイスとクリニアもいるが、二人は別の少女達の押さえられている。


 クロが

「どこへ向かうんだ?」

と、ハジュンに尋ねる。


 ハジュンは、移動するカーゴの端末を触り

「この星艦の中央区に向かう。そこには、お仲間も一緒だ」


 クロは呆れる。

 レナ達、他の者達も捕まったのだ。


 移動するカーゴは、様々なパイプラインを走り、星艦の中央区、中心にあるコントロールホールへ到着する。

 そこは巨大なドーム型で、外の風景が映し出されている。


「クロ」

と、呼びかける声がクロの左にあると、そこには、レナを始め仲間全員がミカボシとアテルイ、スクナの三人が押さえて連れている。


 ホールの中心に一人の少女がいる。

 年齢的にライアス達と近い感じがする人型だ。


 その少女がクロに近づき

「初めまして、八雷神の子孫に当たりますレイセンと申します」


 クロは自己紹介した少女レイセンを見つめる。そして、超越存在の知覚でも観測するとレイセンが

「視覚以外でも探られるのは…ちょっと…」


 クロが

「すまなかった。微かに感じる波動、確かにヤライの子孫か…」


 レイセンが

「はい、そして…私達がまとめるファイライ時空は…アルテイル時空共和国に取り込まれて…。私達もアナタが生きていた時代ほどの力はありません」

と、口にするのがツラそうになる。

 落ちぶれたのだ。


 クロは頬をかいて

「それは、オレも似たようなもんだ。で…ここまでして…オレを呼び寄せて捕まえた理由は?」


 レイセンは、ハジュン達四人の超越存在以外の少女の二人と視線を合わせる。

 ハジュン、アテルイ、ミカボシ、スクナは慌てていない。

 レイセン達三人の少女達は戸惑いを見せる。


 クロが面倒な感じで

「そうなるように依頼を選ばせる事くらい、造作も無いヤツがいる」

と、スクナを凝視する。

 

 スクナは笑む。


 レイセンが

「つまり、仕組まれていた…と分かっていて」


 クロがニヤリと笑み

「長生きしていれば…色々とある」


 レイセンが

「私達がやる事を手伝って欲しいのです」


 クロが渋い顔をして

「内容は?」


 レイセンが少し戸惑い気味に

「八雷神様が封印された場所に行き、八雷神様の復活を…」


 クロが腕を組み

「生きている可能性はないぞ。そういう封印じゃあないからな」


 レイセンが

「それなら…八雷神様の力が封印されているはずですよね」


 クロが頷き

「ああ…そういう封印ではある」


 レイセンが自分を示して

「私がそれを継承して八雷神様の再来になりたいのです」


 クロが顎を摩り

「つまり、ヤライの超越存在の力である雷陣炎王を受け継ぎたいって事か…」


 レイセンがメガデウスの操縦者達であるクリニア達を見て

「はい、そして…彼ら彼女ら、メガデウス使い達の女王アークシアのようにファイライ時空を支える存在になりたいのです」


 クロが考えながら

「つまり、敵対ではなく、アルテイル時空共和国の超越存在の王連合のようになって…という事か?」


 レイセンが

「はい、そうです。アルテイル時空共和国と敵対するとお考えなら違います。ただ単に自分の…私達の故郷ファイライ時空を助け支えたいのです」


 レナが離れているクロを見つめる。

 クロは考えている。

 それをレナも察している。


 レイセンが

「協力して貰えないでしょうか?」


 クロが少し目を閉じて、開けて

「ヤライの遺言で、自分を求めて苦しむ者達がいたら助けて欲しいって、言われたんだよ」

 

 レイセンと、その仲間である少女二人がクロを見つめ

「では…」

と、レイセンが期待の眼差しを向ける。


 クロが呆れ笑みで

「その遺言を叶えるには、良いかもな」


 レイセンが嬉しそうにクロの手を握り

「ありがとうございます」


 クロが渋い顔をして

「ただ、問題がある。ヤライを封印した惑星へ渡るコードが…こんな事になるとは思わなくて、売ってしまったんだ」


 レイセンが、え…という驚きの顔で

「どこへ?」


 クロが顔を背けて

「エヴォリューションインパクターのアズサワってヤツになんだけど…。連絡先が古いヤツだから繋がるか…どうか…」


 レイセンが驚きの顔をしていると、スクナが

「問題ない。我々が最新の連絡先を持っている。それに…取り返せる算段も、できるだろう」


 クロはスクナを凝視する。


 レイセンは、安心した顔をする。


 クロ達の仲間、レナに、クリニア達、ライアス達、ミリアス達はクロと同じ疑惑の顔だ。


 全てが上手く回るように出来すぎている。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

ブックマークと☆の評価をお願いします。

次話を出すがんばりになります。

次回、取り戻す手配

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ