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白夜 44話 子々孫々

次話を読んでいただきありがとうございます。

クロは次なる依頼へベイルラム・インダストリーへ来ると…そこには…


 クロとレナは、時空戦艦グルファクシに乗って、とある惑星へ到着する。

 そこは、ベイルラム・インダストリーが支配する惑星の一つで、惑星に存在する全ての企業がベイルラム・インダストリーの傘下である。


 クロは、その本社である巨大なビルへ来る。

 空を突き抜けて宇宙まで届く軌道エレベーターのビルの本社に入ると、巨大なホールの中心で一人の女性が待ち構えていた。

 赤髪で強い目元の女性、いかにも軍隊の隊長という雰囲気が滲み出ている。


 赤髪の女性がクロとレナに近づき

「キサマ等! よく来たな!」

と、怒声を張る。


 あまりの大声にクロは耳を塞いで、レナは苦笑いだ。


 赤髪の女性が喋る。

「ベイルラム・インダストリーで、軍事部門を担当する! ミリアス・ミシガンだ! 久しぶりの帰還だな! GC11!」


 レナがクロに

「GC11って何?」


 クロが

「ベイルラム時空傭兵団にいた時のオレのコード番号だ」


 そこへ、別の通路から緑髪と黒髪の女性が現れて、緑髪の女性が

「なんだ? コイツは…新しいルーキーか?」


 黒髪の女性が

「ここでの流儀は分かっているか? 知らねぇなら教えてやるぜ!」


 クロに緑髪と黒髪の女性が絡んで来た。チンピラに囲まれるようにクロは扱われる。


 緑髪の女性の女性が

「ここでの流儀をミリー・イグアスが教えてやるぜ」


 黒髪の女性が

「おいおい、イグアス。抜け駆けは良くないぜ、新人には…オレが教えてやるぜ。このアルナ・ヴォルタがよう…」


 クロは頭を抱える。

「マジかよ…これ…」


 頭を抱えるクロにレナが

「どうしたの?」


 クロが呆れた顔で

「お前達、イグアスとヴォルタの…子孫か?」


 ミリアスとミリーにアルナの三人が視線を合わせた後に整列して、ミリーが

「イグアスひいお爺さん達が…アナタが帰ってきたら…こうして迎えろって言われたんで」


 クロは頭を抱えて仰け反り

「子々孫々まで、面倒くさい事を押し付けるなぁぁぁぁぁぁ!」


 ミリアスが

「ミシガンひいお爺様も、アナタが死んだとは信じていませんでした。何時か…帰ってくるって口癖だったので…」


 レナが苦笑いで

「そんなにクロって信用されていたんですね」


 アルナが少し悲しげな顔で

「本当に…アナタ方がいなくなった後…大変でしたから…」


 体育会系チンピラ集団の雰囲気が消えて、規律正しい部隊の雰囲気になるミリアスとミリーにアルナにクロは、安心して

「良かったよ。五百年も過ぎた後世でも、昔のままだったら…どうしようと思っていたから」 


 ミリアスが笑み

「根本的に荒い部分は、変わっていませんけどね」


 クロが感慨深く

「それでも、荒れたノリと、冷静な時を分かって切り替えられるなら、組織として進歩したって事だ」


 ミリアスとミリーにアルナは嬉しげに微笑む。

 ミリアスが

「あと、他の方も来ますので」


 ミリーが

「あ、来ました」


 クロが開いた音がした背後のドアを見ると

「クロさーーん!」

と、ライアスにファリナとマリア、ツルギの四人と…


 ジースが連れてくる六人、クリニア、ジェイス、アークア、ガルダス、ナルファ、アルヴァがいた。


 クロが困惑の顔で

「ええ…今回の仕事って教官なんだよなぁ…」


 アルナが頷き

「はい、教官です。ですが…実戦を使った訓練の教官をして貰います」


 クロが渋い顔で

「実戦を使った訓練って…何?」


 ミリアスが

「主がいない、星艦が見つかったのです」


 ◇◇◇◇◇


 クロはミリアスに連れられて作戦会議をするホールへ来る。

 そこは、周囲全体が立体映像となる特別なホールで、皆が好きに座ったり立ったりして作戦会議ができる特別な場所だ。


 クロ達、大多数がいる作戦会議ホールが映画館のように暗くなり、周囲に宇宙の星々を映した立体映像が広がる。

 ミリアスが

「クロードさんが」


 クロが

「クロでいい、さんもいらない。オレはアンタ達に雇われた身だ」


 ミリアスが頷き

「では、クロさん」


 クロはそこから先を注意しない。そこで妥協した。


 ミリアスが反応しないので続ける。

「クロさん、クロさんがいたインドラ時空帝国の時に建造された星艦は憶えていますか?」


 クロが記憶を思い返して

「二十艦ほど、あったはずだ」


 ミリアスが頷き

「はい、全長が三十億キロの星系サイズの艦、星艦は…インドラ時空帝国のクロさんがいた時代に二十艦ほどありました。ですが」


 ミリーが別の映像を投影させる。

 それは残っている星艦達の図だ。

「現在、生存が確認できる星艦は十五艦のみ、内…一隻は私達、ベイルラム・インダストリーが持っています」


 アルナが

「クロさんの時代から後に五隻、消失しています」


 クロが顎を摩りながら

「オレが自爆した時に一隻は消えている。他の四隻は…後々の混乱で失ったと…」


 ミリアスが頷き

「はい、その通りです。本当に色々と大変な時代でした。内戦やら分断やら、争いが絶えず。疲弊して…」


 クロが難しい顔で

「その当たりは、心中を察するが…今は、依頼だろう」


 ミリアスが敬礼して

「失礼、では…ここ最近になって失われたと思われた星艦の一隻の反応がありました。ここです」

と、とある宇宙域、星々が連なる間と間にある巨大な暗黒領域を示すポイントが出る。


 クロが

「この、ダークエネルギーが集まるボイド領域の中か…」


 ミリアスが頷き

「はい。約二億光年に及ぶ領域で、特性上…探査エネルギー波での調査も難しく…超低密度エネルギー領域の為に光も通過しにくいので…調べにくいですが」


 ミリーが

「そこから、一定の周期で星艦の識別信号が送られてくるのです」


 クロが渋い顔で考える。

「なるほど、失われた筈の星艦が…信号を放っていると…」

 

 ミリアスが

「これの調査に向かいたいのです」


「なるほどね」とクロは頷く。


 アルナが

「クロさんには、我々が星艦を回収できるように訓練してもらうと共に、現場での指導員もお願いしたいです」


 クロが腕を組み

「まあ、確かに星艦が残っていたのなら…オレの識別信号で制御下には置けるか…」


 ミリーが

「破壊されたと思われていた星艦が生き残っていた…なんてあり得るのでしょうか?」


 その疑問にクロが

「星艦には自己修復機能がある。コアさえ残っていれば…時間を掛けて周囲の物質を取り込んで修復するからなぁ…」


 アルナが

「物質がない宇宙のボイドの中でも…ですか?」


 クロが

「星艦のコアには、高次元波動収束炉という高次元、上位次元からエネルギーを取り出せる動力炉がある。そのエネルギーを元手に質量、物質を作り出して自己修復ってのは、あり得る話ではあるな」


 ミリアスが

「では、これは…黒、ありえる話という事で…」


 クロが

「もしかしたら、自己修復中か…星艦の一部が残っていて、それが…という可能性もある。どちらにせよ。行ってみない事には分からない」


 ミリアスが

「では、依頼を受けていただける…と」


 クロが笑み

「依頼を受けたからここにいるだ。断らないさ」


 こうして、星艦を回収するという任務中に色んな訓練をさせるという依頼をクロは受けるのであった。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、探索の星艦

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