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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
鉄のララバイ
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白夜 39話 封印

次話を読んでいただきありがとうございます。

ヤライの封印と…


 ヤライの弟である男性と、クロードは話をしていた。

 ヤライの弟、アマガラは

「君に…すまない」

 アマガラは口にできない。

 自分達の汚点の後始末をクロードに押し付けた。

 まだ、17歳にも満たない少年に闇を押し付けてしまう。


 ヤライ、八雷神は封印されて…それによってファイライ時空共和国は大混乱するだろう。

 ヤライの力を御旗にして好き勝手していた者達はクロードを…。

 ヤライが消えた事で、息を潜めていた勢力が活発化して、ある程度の内戦が起こるだろう。


 クロードが

「ヤライを封印した後の算段は…?」


 その問いかけにアマガラが苦しそうな顔で

「ある程度は…少しだけ散発的な戦闘が起こるだろうが…問題なく」


 クロードが

「封印した後、どうすればいい?」


 アマガラが厳しい顔で

「誰の目も触れられない、誰も近づけない、封印も解けないようにして…」


 クロードが天井を見上げて

「封印して、死しても屍を拾われる事はないか…」


 アマガラが

「君には…大変な仕事を押し付ける事になった。もし、後々に…面倒な事に巻き込まれれば、こちらで…」


 クロードは冷たい目を向けて

「そちらに行けば、殺されるだろう。オレは…そっちの希望だった人を殺したヤツになるんだから」


 アマガラが

「ファイライ時空共和国は道を誤った。兄さんの力を自分達の力と勘違いして、兄さんばかりに…止められなかった」


 クロードが冷たい笑みで

「そういうもんさ。人間ってのは」


 アマガラがその笑みを見て引いてしまった。

 17歳の未成年がしていい笑みではない。老木となった老人が人間に絶望した笑みと同じ笑みがそこにあった。


 クロードはアマガラに背を向けて

「じゃあ、任務を達成しに行ってくる」


 アマガラは、その背にお辞儀をするしかなった。


 ◇◇◇◇◇


 クロードは、完成させた封印装置をエルドリッジに組み込む。

 黄金に輝く十字架の物体、その全長は100メートルと巨大で、この装置を組み込まれたエルドリッジが、ヤライを封印する棺と装置になる。

 クロードは、デウスに乗り込み。

 最後の任務へ向かう。


 恒星間戦略兵器デウス、有機物と無機物が融合した機神、そのコア操縦席でクロードは死んだ目をして

「オレの人生、ここで終わりか…。結局、生まれ変わっても道具として使われて終わりか…」

と、告げてクロードが乗ったデウスがエルドリッジに組み込まれて、ヤライが待っている場所へ出発した。


 ◇◇◇◇◇


 アルードは、ユニックインダストリーの格納庫にいた。

 アルードの後ろには宇宙戦艦グルファクシがあった。

 アルードの前にメディーサとアシェイラがいて、アシェイラが

「キムロウ博士達が監禁されていて、私達しか動けない」


 メディーサが

「色々と誤魔化して、単騎で超光速航行ができる宇宙戦艦グルファクシと可変式だけどデウスイドと同じ性能を持つイドロムの二機とオメガデウス一機を載せたわ」


 アシェイラがアルードの手を握り

「クロードをお願い。サクラは…何時までもクロードを待っているから」


 アルードが頷き

「兄さんを必ず助ける。そして…何時か、必ず…戻ってくる」


 アシェイラがアルードに悲しげな瞳でキスをして

「ずっと待っているわ。私も…サクラもみんなも…二人が帰ってきてくれるのを」


 メディーサが

「アルード、お願い」


 ◇◇◇◇◇


 ユニックインダストリーのシステムがハッキングという形で混乱する。

 ユニックインダストリーは、評議会に押さえられていた。

 それを混乱させる為に、メディーサとアシェイラが内部からハッキングして掻き乱して、その間にアルードを乗せた超光速航行、宇宙戦艦グルファクシが超音速で空に昇った。


 窓からそれを見つめるサクラが

「クロード、アルード、どうか…無事で…」


 ◇◇◇◇◇


 クロードが乗る全長100キロの超巨大宇宙戦艦エルドリッジが、目的地の宇宙へ空間転移して到着した。


 その前に漆黒の巨人、アズサワが現れて、こっちに来いと手を振る。


 それにクロードは、エルドリッジを進ませる。


 到着したそこは、ファイライ時空共和国の領土の惑星で、もう人がいない廃墟だけの星だ。

 そこは…ヤライの故郷だった惑星だ。

 ヤライの選んだ墓標は生まれ育った場所、廃棄された故郷の惑星だ。


 案内したアズサワの漆黒の巨人は離れた瞬間、廃棄惑星から紫電が放出される。

 それはヤライが乗る宇宙戦艦から発射されている。

 だが、その全ては当たらない。

 体裁だけの応戦。


 クロードは淡々と封印する装置を起動させる。


 ナスカの地上絵の鳥のような100キロの巨体が黄金の光を放つ。

 ヤライを封印する器として機能を始める。

 ヤライが放つ攻撃が全て呑み込まれる。

 クロードが持つ超越存在を殺す力、ハイパーイーターがヤライの力を呑み込んで殺して自分の力に変える。


 故郷の廃棄惑星にいるヤライが微笑んでいた。

 その前から、ヤライが乗る宇宙戦艦へ、封印のエルドリッジが墜落していく。


 ヤライが超越存在の力、ドラグラー(超龍帝)を発動させる。

 赤い稲妻で構築された鎧の超龍帝、そのサイズは惑星級だが、エルドリッジに呑み込まれ消える。


 ヤライが乗る宇宙戦艦にエルドリッジの巨大な先端が追突して破壊すると、紫電に包まれるヤライが現れ、ヤライがエルドリッジの中央部にある封印の棺に引き寄せられる。

 ヤライは抵抗する事無く、その流れに身を任せて、エルドリッジに組み込まれた封印の十字架に呑み込まれた。


 呑み込まれる寸前、ヤライがクロードに

「ありがとう。そして、これは、もしものお願いだが…私を求めて苦しむ者がいたら…助けて欲しい」

 そう、ヤライは告げて封印の十字架に消えた。


 クロードがフンと鼻息を荒げて

「そんなの叶わないさ」

と、告げると次の装置を発動させる。

 エルドリッジは廃棄惑星に墜落、ヤライの封印は成功し…そして、この惑星を世界から切り離すエネルギーを放出する。

 次元圧縮結界。

 次元から切り離して圧縮して、存在を消す結界の構築を始める。


 クロードがデウスの操縦席から空を見上げる。

 歪んでいく空の景色、次元から切り離して消える力が広がっていくのが見える。

「これでいい」

と、クロードは覚悟していた。


 だが…


「兄さん!」

と、アルードが乗る宇宙戦艦グルファクシが現れた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、逃れた先

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