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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
鉄のララバイ
982/1112

白夜 38話 封印と評議会

次話を読んでいただきありがとうございます。

ヤライから受け取った力で封印を構築するクロード



 アルードが通信で怒鳴っていた。

「なんで! 兄さんがそっちに囚われているんだ!」


 通信を受けているのは第七艦隊の艦長だ。

「評議会が決定した事です」


 ドンとアルードは乗っているデウスイドの画面を叩き

「ふざけるな! 今からでも突入して兄さんを」

 ガクンとデウスイドが動きを止める。

 無数のエネルギー吸収用のアンテナがデウスイドの周囲を覆ってデウスイドの力を奪って動きを止めた。


 アルードが驚きで

「ボクは…味方だぞ!」


 第七艦隊の艦長が

「もう、アナタに戦闘へ参加する義務はありまりません。そこから下ろします」


 アルードが操縦するデウスイドが制圧されて、アルードは無理矢理にデウスイドから下ろされた。

「兄さん!!!!!!!!」


 虚しい叫びが響いた。


 ◇◇◇◇◇


 クロードは、とある惑星規模の工業施設へ来た。


 そこには、膨大な資材と、中心にある高次元波動炉があった。

 一万キロのリングが幾つも重なり連なった形の中心にコアの高次元波動炉から、エネルギーと必要な物資を生産できる。


 クロードが、その操作システムの部屋に来ると両手を広げた。

 ヤライから受け取った力を元に、ヤライを封印する装置を設計製造する。


 高次元波動炉が高次元からのエネルギーを加速して収束、クロードが望む法則を備えた物質を生成する。

 それは青く輝く物質である。

 それは、光とエネルギー、空間が幾つも織り込まれて積層したエネルギー結晶体という特別な物質だ。


 エネルギーと法則の力によって存在する物質を元に、クロードはヤライを封印する棺を作り出す。

 封印する器は完成した。

 どうやってヤライを封印するか?


 クロードの元へアズサワが来た。


 アズサワが持って来たアタッシュケースをクロードへ渡す。

「これで、封印するコアが作れるだろう」


 クロードがアタッシュケースを開けると、片手に握れるサイズの円筒のケースがある。

 その円筒のケースの中には黄金色に輝く物質がある。

 超高次元多結晶体。

 この握れる程度の大きさでも数百億光年は消し飛ぶ程のエネルギーがある。

 使いようによっては、インドラ時空帝国を百年近くも維持できるエネルギーが作れる。


 クロードがアズサワに

「誰が…これを?」


 アズサワが笑み

「ヤライからの依頼だ。ヤライが今までの超越存在の力を少しずつ貯めて…作ったモノさ」


 クロードがアズサワを見つめて

「アンタの依頼は、ヤライを封印させる事か?」


 アズサワが頷き

「本人と、その周囲がね…」


 クロードがアタッシュケースを閉じて

「自分が守った者達に排斥されるなんて…」


 アズサワが怪しい笑みで

「そんなものさ…人は…自分より上の者を信用しない。その幻想じみた恐怖を捨てられないのさ」


 クロードがアタッシュケースを持って

「オレも…将来は…」

 自分の未来とヤライの未来が重なってしまう。

 サクラの未来を守る為には…。


 アズサワが背を向け合うクロードに

「何時だって、悲劇は…自分ではなく、世界にある愚かな疑念によって始まる。それを…人は理解しないのさ」


 クロードは無言で操作システムの部屋から出て、この超高次元多結晶体を加工する作業へ入った。


 ◇◇◇◇◇

 

 ユニックインダストリーにアルードが戻って来た。

 同時にキムロウ博士が、評議会へ通信を入れる。


 通信の石版が並ぶ通信の場、その中心に鬼のような形相のキムロウ博士が立って

「どういうつもりだ…キサマ等…」


 評議会の通信石版が

「どうもこうもない。ヤライとの戦いを終わらせる算段がついたのだよ」


 評議会の通信石版が

「キムロウ博士、今までの協力を感謝する」


 キムロウ博士が

「クロードは…どうするつもりだ」


 評議会の通信石版、評議員が

「クロード? ああ…彼は我々の兵器だ。だから、回収する」


 キムロウ博士が

「私はクロードの父親、保護者だ」


 評議会の評議員が笑みを放ち

「君は、製造者であって、父親ではない」


 評議員が

「キムロウ博士、君は…娘のサクラを中心とした超越存在、ハイパーグレートを作ろうとしているだろうが。それに887(クロード)は必要かね?」


 評議員が

「我々は、平等に公平に、力を分け合うシステムを欲している」


 評議員が

「一部の者による独占は、後々に大きな問題を起こす。それは看過できない」


 キムロウ博士が自分のいるテーブルを叩き

「自分達が望む道具を作る為に、クロードを犠牲にするなら…断固として反対する」


 評議員が

「我々は、君達と戦うつもりは一切無い。キムロウ博士…アナタは、アナタの望みを進みべきではないのかね?」


 評議員が

「ハイパーグレートを誕生させる。それが博士の望みな筈だ。クロード(887)はそれを妨げる」


評議員が

「それとも…アヌンナキ・プロジェクトの悲劇を繰り返すつもりかね? キムロウ博士」

 

 評議員が

「かつて、我々の母なる惑星と銀河を消滅させた事件、忘れた訳ではないだろう」


 キムロウ博士が

「アヌンナキとハイパーグレート、その二つは共存できると思っている」


 評議員が

「そんな甘い考えを持っているとは…」


 評議員が

「失敗は失敗であり、成功にはならない。アヌンナキとハイパーグレートを産み出そうとして、結果、アヌンナキの暴走とハイパーグレートとの衝突を起こしてテラを消滅、テラ周辺のMW銀河も破壊」


 評議員が

「アヌンナキは、システムでしかない。人の延長であるハイパーグレートとは違うのだ」


 評議員が

「それが事実だ」


 評議員が

「MW銀河が消滅した悲劇をインドラ時空帝国の全域に広げる訳には、いかんのだよ」


 キムロウ博士と評議員の話は交わる事はない。



 そして、クロードはヤライを封印させる装置が完成する。


 クロードがそれをエルドリッジに組み込んでいると、一人の男性が現れた。

「初めまして」

 男性はヤライの弟だった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、封印

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