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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
鉄のララバイ
979/1109

白夜 35話 クロードの運命

 次話を読んでいただきありがとうございます。

 クロの過去、クロードに待ち受ける運命とは?


 クロードは、とある通信室で対話をしていた。

 その相手は、インドラ時空帝国の評議会メンバーだ。

 インドラ時空帝国の様々な地区から選抜された評議会の評議員が

「クロード・リー・ナカタ。製造ナンバー887」


 クロードは、周囲の立体映像の石版達を見つめる。

「はい」


 評議会の評議員が姿を隠した立体映像達に囲まれるクロード。


 評議会の評議員が

「君は、八雷神…ヤライとの戦いを続けているが。どうして、勝てないのかね?」


 クロードがフッと笑み

「相手は、超越存在ですよ。戦っている方が無謀だと思いますが…」


 評議会の評議員が

「君には超越存在の…ハイパーグレートの力を消す、対超越存在の能力があるはずだが…」


 クロードが渋い顔で

「限界があります。自分は無限に領域を越えていく超越存在とは違います」


 評議会の評議員が

「どうすれば…勝利できると思うかね?」


 クロードが難しい顔で

「八雷神ヤライが持つ力の根源を手に入れて、それを封印できる装置を作れれば…ですが。封印できる装置は作る事は可能でしょう。ですが、ヤライの根源の力を手に入れるには、ヤライから、それの一部を譲って貰うしかない」


 評議会の評議員が

「なるほど、分かった。正直な感想、助かるよ」


 クロードが渋い顔で

「本当に…この戦い、終わると思っているんですか? 自分は…そうは思えません。今、この状態は敵対するファイライ時空共和国と我らの時空は、この戦いを通じて、一種のパワーゲームをやっています。これは…双方の政治的な思惑を作る者達にとって都合が」


 評議会の評議員が被せるように

「我々は、早期決着を望んでいる。なにより…君がいるユニックインダストリーの力が強くなるのも良しとは思っていない」


 評議会の評議員が

「君が活躍する事によって超越存在としてのデータが整いつつあるのは良い事だ。だが…」


 評議会の評議員が

「ユニックインダストリーのキムロウ博士が、自身の娘を超越存在として覚醒させるのは…問題があるとも考えている」


 クロードが静かにする。

 サクラの事だ…と。


 評議会の評議員が

「我々は…君がインドラ時空帝国の宇宙王に君臨するのが相応しいと考えている」


 クロードが眉間が寄る。


 評議会の評議員が

「君は、アヌンナキ、ホモデウス、アルダ・メルキオールと同じ資質を持っている」


 クロードが

「十万年も続くホーリートライアングルの宇宙帝王と同じとは…勘違いでしょう」


 評議会の評議員が

「いいや、君が…その資質と性質を持っているのを我々は自覚している」


 クロードが

「もう、話はよろしいでしょうか?」

 終わらそうとした。


 評議会の評議員が

「ああ…済まない。今回の話は、以上だ。なるほど、ヤライの討伐は中々に厄介だな」


 通信が終わって立体映像が消えた部屋からクロードが出て行くと、その目の前にハーフエルフ族の男、ガージェストがいた。

「よう、話し合いはどうだった?」

と、ガージェストは尋ねる。

 この当時のガージェストは、評議会の評議員の下で働く、評議会機関員だった。


 クロードがガージェストを横切り

「何も変わった事は無い」


 ガージェストが

「オレも評議会の評議員と同じ考えだ。もし、ユニックインダストリーから超越存在が、宇宙王が生まれた場合、今までのバランスが一気に崩れる。それは…良くないよなぁ…」


 クロードは無言だ。


 ガージェストが

「良い情報を教えてやる。ユニックインダストリーのキムロウ博士は、お前が邪魔なんだよ。娘のサクラのお気に入りで、親としてお前に嫉妬して…。評議会はお前に…ホモデウス、アヌンナキとして覚醒して評議会が中心になる体制もキムロウ博士は嫌っている」


 クロードは無言でガージェストを見つめる。


 ガージェストは笑み

「揺さぶりなんかじゃあない。事実さ。オレ達と手を組んだ方が…生き残れるぞ」


 クロードはガージェストに背を向けて

「知らん」

と、去っていた。


 ガージェストが

「オレは、お前が上になってくれると助かるんだよなぁ…」


 ◇◇◇◇◇


 クロードは一人、評議会の評議員と話をした首都惑星エレメンタルの宇宙港から帰還の宇宙船に乗り、ユニックインダストリーがある惑星へ帰ってきた。


 ユニックインダストリーの都市住居区へ帰ってくると…

「おかえりなさい」

と、サクラが出迎えてくれた。


 クロードはサクラに

「ああ…ただいま」


 サクラがクロードの様子に

「どうしたの? 何か…あった」


 クロードが溜息を漏らして

「解決しない理由を永遠と…言わされて、疲れた」


 サクラがクロードの手を取り

「そう、お疲れ様。一緒にご飯にしましょう」

と、サクラがクロードを連れて行った。


 クロードはサクラの握ってくれる手の感触が暖かくて…握り返してしまった。

 クロードにとってもサクラは大切な…たった一人の…。


 次の日、クロードは何時ものように宇宙港でエルドリッジとデウスの整備をしていると、そこに一人の女性が近づく。

 黒髪にメガネを付けて白衣をした学者の彼女、メディーサだ。


 メディーサが

「クロードくん、ちょっと話があるの…」


 クロードが整備して調節している端末から離れて

「なんですか? メディーサ博士」


 メディーサが真剣な顔で

「評議会機関員のガージェストが言っていた事、ウソだからね」



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、メディーサの思い

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