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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
デザイナーズ編
973/1109

白夜 29話 戴冠式

次話を読んでいただきありがとうございます。

アークシアの望みは失敗、そして、クロは浄化と…後のケジメへ…


 クロのサルヴァード、超越存在としての権能、顕現した力は全長二百億光年サイズだ。

 燃えるような炎の光輪、全身が赤と黒の鎧、頭部は額に第三の目がある三眼。

 その姿は、宇宙に出現した不動明王の如き姿だ。

 クロのサルヴァード・シャヴァラス


 コアにいるクロの額に第三眼が開き、クロは目を輝かせ

「さあ、行こうか…」

と、クロが右手を横にすると、シャヴァラスも右手を横にする。

「出でよ。ゼディウス(聖断の剣)


 シャヴァラスの右手に光が集中して爆発すると、その爆発から巨大な剣を取り出す。

 白銀に輝く刃を備える全長数百億光年サイズの剣を構える。


 そして、クロは左腕を上に掲げると、シャヴァラスも左腕を上に上げる。

「来い、九天龍頭」


 稲妻のような光がシャヴァラスの左腕に九つ落ちて、その九つの稲妻が光龍の顎門になる。


 数百億光年サイズのデューヒュドールがそれに向かって幾つもの龍の顎門を伸ばす。

 その龍の顎門達へシャヴァラスは左腕の稲妻の九つの光龍を向ける。

 九つの光龍は、デューヒュドールの多頭龍の頭を食い千切って消していく。


 クロが成仏の念仏を唱える。

「浄真成仏、滅欲、丞賢、悪滅、活仏、汝達の苦しみ、理解する。だが」

 クロのシャヴァラスが左手を祈りのように掲げ、それに繋がる九つの光龍達が、デューヒュドール達を捕縛する。


 クロには、見えていた。

 苦しみで藻掻いている哀れな魂達が…。

 自分達は、尊い犠牲という、支配者の生け贄にされた憎しみが…

 世界が、人々が、救ってくれなかった怒りが

 全てに絶望して、滅ぼそうという絶望が


 クロが

「お前達を忘れない。だから、成仏してくれ」


 丞仏天還

 その光の文字が数百億光年サイズの剣、ゼディウスに宿る。


 クロが

「天にお帰り…」

と、ゼディウスでデューヒュドールを貫いた。


 おおおおおおおおお!

と、デューヒュドールが涙するような雄叫びを上げる。

 デューヒュドールの全身が光に包まれて霧が晴れるように浄化されて消えて行く。


 デューヒュドールのコアとなった数億人の結晶棺達が消滅して、魂が光となって宇宙へ消えて行く。

 光に分解されていくデューヒュドールの上に高次元の扉が開き、光に分解されていくデューヒュドール達を神格達が受け止め、世界へ、魂の帰還へ向かい入れて行く。


 シャヴァラスのクロが

「地獄は、オレ達だけで十分さ」

と、見送った。



 ◇◇◇◇◇


 それは戴冠式だ。

 新たな超越存在の宇宙王がアルテイル共和時空国で誕生した。

 その名は、アークシア・リー・アクジズ・アルテイル

 アクジズ星系から出現した新たな超越存在にアルテイル共和時空国は賑わっていた。

 アークシアが持つ権能、超越存在の力は今のアルテイル共和時空国を支えるに十分であり、それによってアルテイル共和時空国の不足しているエネルギーや物質エネルギーを補填して、アルテイル共和時空国は安寧を取り戻していく。

 アルテイル共和時空国の四大王家では足りなかった部分が埋まり安定へと向かって行く。


 そして、今日はアークシアの戴冠式の日だ。


 アークシア達がアクジズ星系を征服していた事実は、アークシアがアルテイル共和時空国に尽くすという事で相殺するとして、アークシアを五人目の王家として祭る事になった。


 アークシアは、戴冠式の衣装の着付けをしていた。

 その部屋には、多くの着付師とロゼストがいる。

 ロゼストが

「アークシア様、本当におめでとうございます」

と、喜ぶ声色がロゼストから送られる。


 アークシアがロゼストを見つめて

「私は、望みの存在になれなかった。でも、それでも…自分がやれる事で…」


 ロゼストがアークシアの前に跪き

「これからも、私は…貴女と共に…」


 アークシアが右手をロゼストに差し向けて

「ありがとうロゼスト。これからもよろしくね」


 ロゼストは忠義の接吻をアークシアの右手にした。


 順調にアークシアの戴冠式の準備は進んでいく。


 そして、クロとレナは…修理や補充の為にイーシャの元へ来ていた。

 けっこう、オメガデウス・ヴァルヤに無茶をさせたので、色々と修理してもらい長く滞在している。


 レナが装甲が開かれて修理されているオメガデウス・ヴァルヤを見て

「やっぱり、オメガデウスは戦闘用ではないから…こんな無茶は…」


 その隣にイーシャが来て

「レナ、修理の様子を見に来たのかい?」


 レナが頷き

「うん。まだまだ…掛かりそうだから…」


 イーシャが

「このオメガデウス・ヴァルヤは、オメガデウスの中でも相当に頑丈には出来ているけど、クロードのヤツの扱い方が雑で乱暴すぎて…悲鳴を上げているよ」


 レナが

「やっぱり、クロ専用のエンジェリオンやマキナ(人型機体)を用意した方がいいのかなぁ…」


 イーシャが微笑み

「そりゃあ、ムリだよ。クロードが放つエネルギーに耐えられなくて壊れちゃうから」


 レナがイーシャを見つめて

「そんなにクロが放出する力って凄いんですか?」


 イーシャが端末を持って操作して

「ああ…昔の頃より密度も深度も高すぎる。レナがいるから安全弁として緩やかに放出されているけど、それがなかったら…とんでもない事になっているよ」


 レナが修理されるオメガデウス・ヴァルヤを見つめて

「クロの力に耐えられる機体…誰か作ってくれないですかね?」


 イーシャが

「可能性としては、聖帝ディオスだったら、あり得るかもね」


 レナが「聖帝ディオス…ですか」と呑み込むように呟いた。

 

イーシャが

「ところで…クロードは?」


 レナが

「え? 分からないですけど」


 イーシャが首を傾げて

「あれ? ちょっとレナと話をしてくるって…」


 レナが「え?」と困惑を見せる。


 その次に時空戦艦グルファクシのDIシュレアの立体映像が出て!

「大変です! クロード様が!」



 ◇◇◇◇◇


 アークシアの戴冠式は盛大に行われる。

 ガージェストを筆頭に四大王家のマタイアス王、アルベルト王、ミカガミ女王、スクイナ女王、そして…多くの関係者が並び、空には多くの警戒をする兵器達や、エンジェリオン達に宇宙戦艦が飛翔している。


 議会惑星エルサレムで粛々と行われるアークシアの式。

 だが、そこへ漆黒の点が突進してくる。

 漆黒のエネルギーを纏ったエンジェリオンが、警戒する兵器達やエンジェリオン達を突き抜けて戴冠式の会場へ突貫する。

 警備を突き破ったエンジェリオンは両手足、背中の翼を破壊して操縦席がある胸部を残して戴冠式の開いた道を転がる。

 驚愕と悲鳴が響き渡る戴冠式、すぐさま警備のエンジェリオンが観客を守ろうと防壁エネルギーを展開、数機のエンジェリオンが転がった胸部部品に集まった瞬間、胸部部品が爆発した。

 自爆!と思われたが…その煙に紛れてクロがアークシア達の上に現れた。

 アークシアが驚愕して近くにいたロゼストがアークシアの盾になる。

 だが、クロの目的は違う。

「ガーーージェストぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

と、怒声を荒げてクロは両手にグングルニルを握り締めて、ガージェストの上に覆い被さる。


 四大王家の王と女王の四人は驚愕し、ガージェストは嬉しそうに笑っている。

 

 クロはガージェストに覆い被さって倒して、頭部と胸部にグングルニルの銃口を押し付ける。

 床に倒されたガージェストが嬉しげに笑いながら

「遅いじゃあないか…クロード」


 クロの全身から怒りのエネルギーである漆黒が昇っている。


 ロゼストに守られるアークシアが

「父上、何を!」


 クロがガージェストに怒りを込めて

「全部、ミカボシから聞いたぜぇぇぇぇぇぇ!」


 ガージェストが笑いながら

「ハハハハハハ! やっとだ…やっと殺して貰える」



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、明日へ

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