星光 第151話 最終決戦 前編
次話を読んでいただきありがとうございます。
ついに終わりが始まった。その始まりは…
それはとある会話だ。
収天螺王が…宿敵? まあ、端から見れば仲の良いつつき合いにしか見えない相手の天臨丞王との通信で
「よう」
天臨丞王が
「おい、これは…本当のなのか?」
収天螺王がニヤリと笑み
「ああ…絶対にアイツ等なら、そうする」
天臨丞王が無言になった後に
「…確証できる要素が少ない」
収天螺王が
「アイツ等にとって、相手を絶望に落とすっていう、オレのお気持ちを知れ!が目的じゃあないからだ。アイツ等は自身の目的の為に煽りでさえ利用する。そういう連中だ」
天臨丞王が渋い顔をした後に
「分かった。これをアヌビス達に知らせて置くとしよう。彼等なら、この対処を可能とする力や技術を持っているからな」
収天螺王が
「デウスバベルの応用か?」
天臨丞王が
「ディオスがネオシウス時空で…息子を救う時にトリガーを持ち出したアレだ」
収天螺王が
「確かに、そういう使い方も出来そうだな」
天臨丞王が
「とにかく、手配だけはして置く。後は…」
収天螺王が
「任せろ。全ては…お膳立ては済んだからよ」
◇◇◇◇◇
ティリオ達は武装を固める。
ついに、戦争シェアリングの根幹を運営管理、維持する。あの四人と戦う時が来た。
気合いが入るティリオ達。
ティリオが黒い装甲スーツに身を固めつつ、両脇にはグランナとファクド、後ろにはレリスも各々の装甲スーツに身を固める。
スラッシャーは、自分の超越存在の権能であるクリアディスのコアにいる。
千華と紫苑は、聖櫃の彼の力で維持される星艦アルヴァトロンの操縦コアにいる。
スラッシャーのクリアディスを上に乗せて星艦アルヴァトロンは、とある場所。
あの四人がいるディーエ時空連合のコア時空へ向かっている。
超空間ネットワークのシステムを経由した時空転移の移動ではない、時空同士が隣接する境界面の間を進む。
この境界面は、時空同士が隣接する影響で絶対的は空間防壁のようになっていて飛び越える事は困難を極める。
だが、超越存在の力を得ていた星艦には、その困難を克服する力がある。
実に嫌がらせだが…ハジュン達四人がいるディーエ時空連合のコア時空への超空間ネットワークの回廊が一切ない。
だから、こうして時空同士が隣接する境界面を渡れる星艦で進んでいる。
ハジュン達四人のいるディーエ時空連合のコア時空、戦争シェアリングのコアへの道筋はヘオスポロスとシンイラの者達がナビゲートしてくれる。
ヘオスポロスとシンイラの外部時空からの観測によって、正確なコア時空への位置と的確な航路指示によって迷う事は無い。
収天螺王は、何かやる事がある…として後から参加するとティリオ達に伝えてある。
なんだろう?とティリオ達は疑問に思うも、ここまでくれば…後は自力で何とかできるのが分かるので、当てにはしていない。
最後に戦う四人、それは…ティリオ、グランナ、ファクド、レリスである。
一莵達は
「オレが戦争シェアリングのコア時空へ干渉して、連中が使うであろう時空排他作用の力を発動させるのを防ぐ」
と、一莵は後ろにいるディジレーター達四人を横見する。
世界を侵食する廃棄女神である彼女達がコア時空を侵食すれば、コア時空からの排他作用を防げる。
それに加えて一莵の全てを打ち抜く力を使えば、コア時空の発生する力を発生前に潰せる。
アルバラは
「私達は、アムダスとイムダスと共に、ハッキングを行います。戦争シェアリングのコアがハッキング攻撃をした時の防壁として…」
後は、アズサワ達、エボリューション・インパクター達だが…彼らは依頼が終わったとして高みの見物らしい。
ヴァサラス大佐の依頼で戦争シェアリングの被害を減らす活動していたので、それがティリオ達によって壊されるなら、必要はないだろう…と物見に徹するらしい。
ティリオは、装甲スーツの感触を確かめていると、グランナが
「みんな、本当にすまない。そして…感謝する。ここまで巻き込んでしまったのはオレが…」
その方をファクドが抱いて
「辛気くさい話はいいだろうが。これが終わった後が大変だぞ」
レリスが
「どんなシステムでさえ、維持されていた力が消えるんだ…混乱は必至だ」
グランナが難しい顔で
「そうだな…後が…」
ティリオが
「その辺りは、後で父さん達に相談しよう。それで良いだろう」
ファクドが
「確かに、色んな時空の揉め事に巻き込まれてしまう聖帝様なら、良い方法を分かっているだろうしな」
グランナが
「そうか…でも、本当に色々とありがとう」
グランナのお礼にファクド、ティリオ、レリスが微笑んでいると四人が乗る星艦アルヴァトロンに警報が鳴り響きスラッシャーの
「おい、とんでもない事が起こっているぞ!」
それは…戦争シェアリングのコア時空がディーエ時空連合の時空達から離れて動き出した。
一つの時空サイズの存在が緩やかだが動き出して、時空群の塊から抜ける。
その影響で時空同士の境界面がズレて、位置が激しく動き変わる。
それはディーエ時空連合の全体に影響を与えて、時空同士を繋げる超空間ネットワークや空間転移のシステムにも被害を与える。
ティリオ達は、その場景を星艦アルヴァトロンの画面から見て
「そんな、時空って動かせるのか?」
と、ティリオは青ざめていた。
グランナが
「一体、何が起こっているんだ?」
ファクドが
「まさか…逃げるつもりか!」
その言葉に全員の視線がファクドに集中し、ティリオが通信を繋げて
「どういう事だ!」
と、怒鳴り声を上げる。
画面に出たのはハジュンで
「お前等のワガママにつき合う気はない。我々の目的が達せられないなら、去るまで、さようなら」
ハジュン達四人は逃げるつもりだ。
ハジュン達四人は、戦争シェアリングのコア時空で超越存在の権能であるサルヴァードを発動させて、戦争シェアリングのコア時空を操作して動かす。
ミカボシのエーシェントルド、ハジュンのラージャハラアーダー
スクナの銀色に輝く龍樹を背にする鬼の千手観音、ギアラギライアス
アテルイの巨大な翼を伸ばして赤銀に輝き巨木の根ような足を持つ、カムイガラム
エーシェントルド、ラージャハラアーダー、ギアラギライアス、カムイガラムの四柱の三十万光年サイズ達が、時空を内部から押して動かす。
ハジュン達四人の目的は、戦争シェアリングのコア時空を使って新たな超越存在を生み出す事、それを邪魔されるなら…それが可能になる別の場所に逃げるだけ。
バカ騒ぎにつき合ってられるか…。
全力で逃走を開始した。
ファクドが叫ぶ
「逃げるなーーーーーー」
そんなのはハジュン達四人の都合には一切関係ない。
ディーエ時空連合など、その場所として上手く使えたから…それだけ。
敵が敵前逃亡という結末で終わる。
ティリオ達にとって最悪な結末
ハジュン達四人にとっては、ガキのバカ騒ぎにつき合ってられるか!の大人の対応。
ここまで色んな人達や、色んなモノを巻き込んでいて、はい…さようなら。
そんな、誰しもがふざけるなよ!って思うが、これが現実でもある。
バカ騒ぎにつき合った結果、何も得られないなら…必要ない。
実に大人の対応だ。
だが…
「悪いね。最後まで、子供達につき合ってもらうよ」
と、ディオスがアースガイヤから…デウスバベルのスイッチを押す。
ディオス達のような超越存在の王達の連合が連結してエネルギーの融通をしているシステム、デウスバベルから膨大なエネルギーが発射されて、それが戦争シェアリングのコア時空、ハジュン達四人が動かしているそこへ着弾する。
時空サイズの存在が、デウスバベルの直撃を受けて止められる。
そこへ更に
「悪いな。そんな締まりが無い結末は、ダメだろう」
と、時空サイズの超越存在の権能の二柱が出現する。
収天螺王のティラノサウルスの如き超龍
その対である全事顕王の鳥類の超龍
その二柱が時空サイズのコア時空を押さえつけて戻そうと押さえつける。
更に、高次元を経由して光る鯨達、メガデウス達の群体がコア時空を囲み結界を構築する。
そこへ
「それはダメだろう」
と、北斗がメガデウスの背中に乗って高次元から神起源弾をコア時空へ打ち込む。
神起源弾がコア時空へ薄く広がり、動かそうとしていたハジュン達四人のサルヴァードへ降り注ぐ。
ハジュンが
「この…忌々しい力が…」
と、空間に、時空に干渉させる力を麻痺させられる。
強制的にコア時空が元に戻されてディーエ時空連合が再び安定を取り戻す。
そこへ、クリアディスの上にのせる星艦アルヴァトロンが到着する。
ティリオ達は怒っている。
「お前達は…」
全ての最後が始まった。
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次回、最終決戦 後編