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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
星を繋ぐ子供達
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星光 第148話 ヘオスポロス

次話を読んでいただきありがとうございます。

ヘオスポロスとの戦い、それは…


 ヘオスポロスとの対戦の日が来た。


 ティリオは、千華と紫苑が操縦する巨大な人型機体戦艦に乗り、千華と紫苑の操縦の下でサポートをする。

 四対の腕を持ち、脚部は巨大なスラスターロケットの人型機体戦艦ネオジオルグが白銀に輝く人型機体戦艦の躯体を進ませる。

 その後ろに、スラッシャーが乗る人型機体マキナのアシェルと、オメガデウスにレリスが、アルバラはネオジオルグと同じ人型機体戦艦ラグルザで、腕は一対だが背中には膨大な数の無線兵器を背負っている。


 ティリオが前の操縦席にいる千華と紫苑に

「すまないね千華、紫苑」


 紫苑が

「いいえ…構いません。これも必要な事ですから」

と、答えた次に千華を見ると、千華は無言だ。

「千華、何か答えないと…」

と、紫苑が促すと千華が

「アンタ、本当に最低ね。アタシの…」


 ティリオが

「でも、この方法が一番楽ですし。それに千華にとっても必要な事だと思いますよ。聖櫃の中の彼の魂と話すなら…」


 それを聞いて千華は苛立った顔をした次に

「あああああ! もういいや! 行き当たりばったりだ!」

と、覚悟を決めた。


 アズサワ達、エボリューション・インパクターが設定したリングは、中心にブラックホールがあるブラックホール星系で、ブラックホールが吸収する質量、ガス達が渦巻き膨大なX線や高エネルギー線が渦巻いている。


 そのブラックホール星系リングを進むティリオ達。

 ティリオと千華に紫苑が操縦するネオジオルグと、その後ろにスラッシャーのアシェル、レリスのオメガデウス、アルバラのラグルザが菱形に並んで進む。


 その四人の前、遙か数十億キロから…ヘオスポロスの部隊が出現する。


 エピオン、ウィングゼロ、アルトロン、デスサイズ、サウンドロックの五人のネオデウスアームズ…超兵器人が各々の人型機体に乗り、コアとなっている。

 その後ろ、惑星サイズの巨大な兵器が出現する。

 それは、惑星を包み込む程のリングを背負いつつ、メタリック色に輝く鎧昆虫のような躯体だ。


 ティリオがそれを見て

「あれは…」


 千華が

「知ってる?」


 ティリオが頷き

「ええ…完成しているなんて…思いもしなかった」


 紫苑が

「何なんですか?」


 ティリオが厳しい顔で

「対超越存在用の兵器です。超越存在のエネルギーを吸収して駆動するアンチ・ハイパーグレート・アームズのギュデンレスです」


 千華が

「対超越存在兵器って事は…アンタやレリスは…戦えない?」


 ティリオが首を横に振り

「そうではありませんが。ですが…戦うには難しい事になりそうです」


 紫苑が不安げに

「勝てそうですか…?」


 ティリオが

「ボク達の働き次第ですね」


 ヘオスポロスとティリオ達が相対して、戦争シェアリングが始まった。


 五機のヘオスポロスの人型機体達、アレンジスが疾走する。

 背中にある剣の翼を広げて光速でティリオ達に迫る。


 スラッシャーが

「応戦するぜ」

と、アシェルの両手にエネルギーガトリングを装備して攻撃する。


 ヘオスポロスのアレンジス達は散り散りになり、ティリオ達に迫る。


 レリスがオメガデウスから無数の黄金のエネルギー光線を放つが、その半数がギュデンレスへ向かって吸収される。

 レリスが渋い顔をして

「なるほど…」


 アルバラがラグルザの背中に背負う無数の無人兵器達を放出して

「これなら良い防壁になるでしょう」


 無数の無人兵器達がアレンジス達の前に立ち塞がり攪乱するが、アレンジス達の中でエピオンがコアであるアレンジスがアルバラへ向かい両断するエネルギーソードで襲いかかるも、アルバラが操縦して応戦する。

 アルバラが

「久しぶりですね」


 エピオンが

「ああ…まさか…あのテロを起こしたお前がゲヘノムヴァの首魁だったとは」


 アルバラが

「私がナナホシ博士と共に、あのプログラムを…ですが…」


 エピオンがアレンジスで攻撃しながら

「無駄だ。我々は自らの意思で、ネオデウスアームズ…統一意識体(ディオンス)を構築している」


 アルバラが

「ええ…だから、アプローチを変えて…何時かアナタ達を解放します」


 エピオンが淡々と

「無駄な努力だ」



 レリスのオメガデウスとスラッシャーのアシェルへ、デスサイズとサウンドロックのアレンジスが向かう。

 レリスのオメガデウスが攻撃の無限軌道のエネルギー光線を放つが、その半分がギュデンレスへ吸収される。


 スラッシャーのアシェルの攻撃を強めるが、サウンドロックのアレンジスの近接と強大な防壁を使った戦闘に苦戦する。


 スラッシャーが

「打たれたら倒れるのが礼儀だろうが」


 サウンドロックが

「残念だったね。それが通じないノリなんで」


 デスサイズが

「レリス…まさか…君が超越存在になるなんて…」


 レリスが

「ヘオスポロスには感謝しています。でも…ボクは…やっぱりこっち側なんです」


 デスサイズが

「感謝しなくていい。君から有益なデータを取れた。だから、君は自由だ。自分の行動の責任は自分で取りなさい。それが自由だ」


 

 ティリオ達ネオジオルグには、アルトロンとウィングゼロのアレンジスが応戦する。


 ティリオ達のネオジオルグは200メートル近い、アレンジスはその十分の一程度、素早さではアレンジスが上だが、千華と紫苑が操縦するネオジオルグによって何とか拮抗していた。


 千華はデカすぎる機体を器用に動かして、紫苑はネオジオルグの武装を効率よく使ってアレンジスへ攻撃する。


 アレンジスは、一応…エネルギー光線やエネルギーソードで攻撃はするが…


 アルトロンが

「デカい機体での戦いは、大変だな」

と、余裕がある。


 千華が

「なら、手加減してよね。こっちには、かわいいレディが二人もいるんだから」


 ウィングゼロが少しバカにして

「転生体の年増が…粋がるな」


 千華がブチっとなって

「はぁぁぁっぁあ! アタシは17のピチピチだわぁぁぁっぁあ!」

と、ウィングゼロへ攻撃を集中させる。

 紫苑が

「千華! 落ち着いて!」

 千華は苦い顔をしてティリオに

「おい! 何時まで待たせるつもりなんだよ!」


 何かを操作するティリオが

「よし、これで…」

と、両手を円盤の装置に置き

「ソロソロだ」

 ティリオが意識を集中させて超越存在の力を放出すると、それが操縦席にある装置達が吸収し、ティリオの背中にあるゾロアスの加護の光十字が浮かび上がる。


 ティリオ達が乗るネオジオルグから超越存在のエネルギーが放出されて上に登る。

 無論、それをギュデンレスが回収しようとするが…それに紛れて別のエネルギーが混じり空間に溶けていく。


 その別のエネルギーが戦場の中心にあるブラックホールへ呑み込まれて、ブラックホールが空間を震わせる。


 ブラックホールにある時空を圧縮して様々な時空と繋がる作用を利用して、ティリオは…聖櫃を召喚させる。


 漆黒より深い闇のブラックホールが白へ反転する。

 その中心から聖櫃が出現する。


 ネオジオルグにいるティリオが

「後は…千華、よろしく」


 千華が少し悲しい顔をして

「全く、なんて役を押し付けるんだか…」

と、千華は意識を研ぎ澄ますと

”よう…”

 千華に聖櫃の中にいる魂の声が聞こえる。


 千華が魂の主に語りかける。

「よう…」


 聖櫃の中にある魂の主555が

”ふふ…そんな風に挨拶するなんてなぁ…”

 

 千華が少しだけ悲しい笑みで

「アタシ、変わったでしょう?」


 聖櫃の魂が

”そうだな。あの頃よりは変わった。殲滅の女王の時とは大違いだ”


 千華が

「アンタが死んで…聖櫃に魂を囚われているって聞いて…それでそれで…」


 聖櫃の魂が

「それで…また、オレを使うのか…」

と、千華の目の前に光の人影が現れる。


 千華は泣きそうな顔で

「何にも変わってない。アタシが生まれ変わった理由って、アタシの願いを…アンタと普通に楽しくやる為に…なのに」


 聖櫃の魂が千華の頭を撫でて

「お前の本心は、その17歳の小娘だったって事か…」


 千華が涙を零して

「アンタは、成長し過ぎよ。私の何倍も…」


 聖櫃の魂、五十代の男性が

「そうさな…それが大人になるって事さ」


 千華が涙を拭って

「この一時で、この事が終わるまでいい。アタシに力を貸して」


 聖櫃の魂は

「仕方ないなぁ…」

と、告げて光となって消える。


 聖櫃がネオジオルグの前に来ると、激しい光を放って存在を構築する。

 それは星系サイズの存在だ。

 星艦アルヴァトロン、かつて千華が殲滅の女王と呼ばれた転生前の時代に使っていた千華の力だ。

 白光と輝く結晶の星艦、数十億キロの白き結晶の星艦アルヴァトロンを前にギュデンレスが反応する。


 ギュデンレスは、アルヴァトロンから放出される超越存在のエネルギーを吸収して成長する。

 同じ星艦サイズのバケモノに変移成長する。


 エピオン達五人は、急いで離脱する。


 スラッシャーのアシェルの前に聖櫃の魂が現れて

「来いよ」

と、手を伸ばす。


 スラッシャーはアシェルの手を伸ばして

「全く、こういう事かよ」


 スラッシャーを…アオイを超越存在へ押し上げる。

 アオイは、遙か黄金の天井を見上げて微笑む存在を見た。

 額に第三の目を持つ極天と、それに並ぶ黄金の女神が微笑んでいる。

 アオイが小さい頃から見ていた二人がいた。

 アオイは申し訳ない顔で

「ごめんな。待たせて」

 アオイに超越存在としての名が来る。

 絆教継王…という超越存在に、宇宙王へ


 星艦アルヴァトロンの上にアオイの超越存在のサルヴァードが出現する。

 青き龍の鎧を纏い青い剣の翼を無数に伸ばすアオイのサルヴァード、クリアディス

 クリアディスが千華の星艦アルヴァトロンの上に乗ると、その正面に超越存在のエネルギーを呑み込んで星艦サイズまで変異進化したメタリックのバケモノであるギュデンレスがいた。

 歪な昆虫の如き星艦ギュデンレス。


 絆教継王のアオイが

「いくぜ!」

と、星艦アルヴァトロンと共にギュデンレスへ突貫する。


 ギュデンレスはそれさえも呑み込もうとするが、呑み込めず貫かれて爆散した。


 ヘオスポロスとの戦争シェアリングは、ティリオ達の勝利で終わった。



 ティリオ達との戦いが終わった。ヘオスポロスのエピオンは…

「これもヘオスポロスの予定調和か?」

とエピオンに呼びかける声


 エピオンは、アレンジスから下りて宇宙空間に佇み、ティリオ達が星艦アルヴァトロンを見下ろしている。

 その背中に呼びかけたのは、次の相手であるシンイラのアマカスだ。


 エピオンがアマカスに振り向き

「それは、そっちも同じだろう」


 アマカスは笑み

「ああ…そうだな」


 エピオンがアマカスに

「それ程までに、戦争シェアリングによって誕生する存在が厄介だったのか?」


 アマカスが

「もし、完成したのなら…それが一つで終わりではないからだ」


 エピオンが渋い顔をして

「そうか…次々と作る事が目的か…」


 アマカスが帽子のツバを持ち

「シンイラは、罪を狩る超位達だ。だが、罪の再生産は容認していない。悲しみ、苦しみ、罪業、それが無くなるのは良い事だ」


 エピオンが

「お前達…シンイラは罪を狩るのだろう。罪が無くなれば…その存在価値を失う。つまりそれは…」


 アマカスが帽子のツバを摘まんだまま顔を上げて笑み

「ああ…いずれ、我々、サタンヴァルデウス達が狩られる未来が訪れるのを願っているが…」


 エピオンが

「それを越える存在が現れるのは、認められない…と」


 アマカスが

「地獄は、過去に消えていく事が望ましい」


 エピオンが

「なるほど。新たな地獄を生み出すのは容認しない…か」


 アマカスが背を向けて

「それじゃあ…後々に…」

と、告げて空間転移して消えた。


 エピオンが別の方向を見ると、そこには一隻の時空戦艦があった。

 ハジュン達四人が先端にいる時空戦艦だ。


 エピオンとハジュン達四人の視線が交差するも、直ぐにハジュン達四人は時空戦艦で何処かに消えた。


 エピオンが

「後はないぞ…どうする?」

   

ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、シンイラとの戦いの前に…死神とシンイラ

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