星光 第147話 ヘオスポロスと…
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次の戦い前に…
収天螺王が平然と当たり前のようにティリオ達のメンバーにいた。
「よう、そういう事だから、よろしく」
「何がよろしくだぁぁぁぁ!」
と、ファクドが鋭いツッコミを入れる。
スラッシャーが
「おいおい、細かい事を気にすると早死にするぞ」
ファクドが更に
「いや! 大事な事だと思いますが!」
ファクドの一人だけヒートアップしているが、ティリオが
「ファクド、ちょっと落ち着いてくれ。トオルさんは敵じゃあないんだよね…トオルさん」
収天螺王が頷き
「そうだ」
収天螺王が前にするメンバーは、ティリオ、ファクド、レリス、スラッシャー、アルバラ、マリアンナ、一莵と今回のメンバーで重要人物達だ。
アルバラが
「収天螺王殿。味方という事は…どのように我々に味方するのですか?」
収天螺王が
「このディーエ時空連合の戦争シェアリングの正体については分かっているよな」
ティリオが頷き
「はい。ええ…彼らミカボシ達四人の超越存在は、人の負のエネルギーを集めて、それを使って超越存在を作ろうとしている。ボクの父さんの影響力を削ぐ、逆の超越存在を作ろうとしている…と」
収天螺王が頷き
「その通りだ」
レリスが挙手して
「あの…グランナは?」
その問いかけに一同が沈黙する。
レリスが
「何か重要な話があるのなら…グランナも加えた方が良いのでは?」
ファクドがレリスを肘で小突き
「察してやれ、グランナはずっと会いたかった相思相愛の女と一緒にいるんだぞ」
レリスがハッとして
「ああ…なるほど」
そう、グランナはキュリアと二人だけになって、お互いの思いと気持ちと、色んな全てを重ね合わせている。
ティリオが
「後でグランナには概要を伝えるとして…トオルさん」
「おう」と収天螺王が話を続ける。
「要するに、アイツら四人、ミカボシ、スクナ、ハジュン、アテルイは、人の負のエネルギーを濃縮圧縮して超越存在を作ろうとしている。時間を掛けてタップリとブラックホールより濃縮で圧縮した超越存在をだ。その時間を工程を早めてやればいい」
一莵が
「その時間と工程を早めるとは?」
収天螺王が
「オレ達、超越存在のぶつかり合いをディーエ時空連合で行えば、超越存在のエネルギーがディーエ時空連合へ流れ込む。即ち…濃縮圧縮の人の負のエネルギーより、最適で最高なエネルギーが戦争シェアリングへ流れ込むって事だ」
アルバラが
「なるほど、読めました。超越存在を作るのに、より最適で最高なエネルギーを戦争シェアリングに与え続けて、構築を早める…そういう事なんですね」
収天螺王が頷き
「その通りだ。今までのディーエ時空連合から集め続けた負のエネルギーより、何倍も巨大で強大な超越存在で構築を早めてやれば…それは、超越存在の中でも強い超越存在になる」
レリスが
「なるほど、ティリオの父さんのカウンター存在ではない。普通の…なんか超越存在に普通というのは語弊があるが。とにかく、通常の強いだけの超越存在になる。それによって戦争シェアリングのシステムも崩壊する」
ファクドが挙手して
「ちょっと待って、それって…まだ戦っていない他の二つの勢力も分かっているの?」
収天螺王が
「当然だろうが」
ファクドが額を抱えて
「なんだよそれ…結局、オレ達は釈迦の手の内にいるだけじゃん」
収天螺王が笑み
「そういう事だ。だが、手加減はないぞ。ヘオスポロスもマジで来るからな」
ティリオが全体を見渡して
「次の対戦は…」
収天螺王が
「そこの新しく超越存在になったレリスってガキと、そいつだ」
と、スラッシャーを指さす。
スラッシャーが笑み
「だろうな…と思ったさ」
アルバラも
「私達も加わりますよ。戦うべき相手でもありますからね」
収天螺王が
「ティリオ、スラッシャーのサポートに入れ。理由は分かるよな」
ティリオがスラッシャーを見て
「まあ、確かにボクが適任か…」
スラッシャーが
「オレは、このスペシャルのサポートなんて」
「黙れ」と収天螺王が塞ぎ
「お前、分かってるんだろう。どうしてティリオがサポートをする必要があるのか…いい加減、逃げるなよ」
それを聞いてスラッシャーが嫌そうな顔をする。
マリアンナがその意味を理解できなくて、困惑していると、ティリオが
「スラッシャー…じゃあなくて、アオイ・アラタさん。何時でも覚醒は出来ますから。ボクのサポートがあれば…」
スラッシャーが
「うるせぇ。スペシャルのサポートが無くても」
駄々っ子のようなスラッシャーに収天螺王が
「お前が超越存在として覚醒する覚悟がないと勝てないし、計画が台無しになるからな」
忌々しいという顔をスラッシャーは、アオイはする。
◇◇◇◇◇
収天螺王との話し合いが終わった後、スラッシャーは通信室へ来る。
通信を繋げた相手は、シュルメルム時空のヴィルガメスだ。
スラッシャーがアオイとして
「久しぶりです。ヴィルガメス様」
通信相手のヴィルガメスが微笑み
「進捗はどうだ? アオイ」
アオイは目を閉じて
「次の進捗は、オレ次第って言われました」
ヴィルガメスが微笑みながら
「そうか。大変だな」
アオイは嫌そうな渋い顔で
「オレは…超越存在なんて大した存在でもないし、優れた者でもない。歴史に偉業を残すような偉人でもない。どこにでもいる只の人なのに…なんで…こんな事に」
ヴィルガメスが微笑みながら
「それでも、アオイが拠点にしていた銀河の中にある星系達の住人には、アオイが偉人だった。だからこそ…アオイを捕縛しようとした時に、その住人達が我々を襲撃した」
アオイが呆れた感じで
「ただのエネルギーを生成して、渡していただけですよ。連中には、オレの事を突き出して知らん顔をしろって怒鳴ったのに。なんで、オレみたいなアホの為に命を賭けるのか…バカらしい」
ヴィルガメスが感慨深い顔で
「人はね。与えられるだけに満足する家畜じゃあない」
アオイが目を閉じて
「ヴィルガメス様、その全て終わったら…色々とやらなければいけない事をやります。だから…」
ヴィルガメスが微笑みになり
「ああ…分かっている。だから、早く帰って来いよ」
アオイが頷き
「はい…」
そうして通信を終えた。
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次回、ヘオスポロス