星光 第144話 宣戦布告の顔合わせ
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それは、勢力同士の顔合わせパーティー会場で…
レリスがヘオスポロスのエグゼクティブ達と話し合っている時に、ディオスがヘオスポロスと通信を繋げた。
いや、ディオスは、他の勢力とも通信を同時に繋げていた。
それは、収天螺王とシンイラだ。
ディオスは、ヘオスポロスのエグゼクティブ達、収天螺王のトオル、シンイラの宗主ラージャンの頂上の者達を前に
「息子達が、戦争シェアリングに介入する」
収天螺王が
「おいおい、良いのかよ…」
ディオスが収天螺王を見つめて
「ティリオ達は、戦争シェアリングを破壊するつもりだ」
フッと収天螺王が笑い
「出来ると思っているのか? あれは…」
ディオスがあざ笑いのような笑みで
「収天螺王、そちらに訓練で預けた時とは違う、本気のティリオ達と戦ってみたいとは思わないか? 次世代の息子達だ。実力は私と同等で、武としては私より上だぞ」
収天螺王が黙る。
ディオスがヘオスポロスのエグゼクティブに同じ笑みを向け
「自らの進化を掲げるお前達なら、この強大な超越存在達の次世代の戦場、参加するだけで…お釣りが出る程のデータが取れるだろう。ティリオは、リング・ハイパーグレートの技術を持っている。それも確実に使うだろう」
エグゼクティブが黙る。
ディオスがシンイラのラージャンの
「ラージャン…ガオス・カスパールよ。ティリオ達は、ゲヘノムヴァというサタンヴァルデットをコアとなる依り代なしで、多くの意識の集合体から作る技術を持った者達の後押しを受けるそうだ。それは、お前達サタンヴァルデウスにとって看過していて良いのか?」
シンイラのラージャンが黙る。
ティオスは挑発するように
「どうする? お前達は…この状況…黙って指を咥えて見ている程、愚かなのか?」
ディオスの挑発に無言で答える全体。
ディオスが怪しい笑みを浮かべながら
「まあいいさ。そうやって、チャンスを逃すのも…」
と、告げて通信を終えた。
通信を繋げていた者同士、残されたシンイラ、収天螺王、ヘオスポロス。
三者は、黙っていると
「そういう事だ。じゃあな」
と、収天螺王が通信を切る。
シンイラのラージャンも
「なるほど」
と、残して通信を終える。
ヘオスポロスのエグゼクティブ達が
「なるほど、なるほど」
通信には介入していないが、聞いていたエピオンが
「これは罠ですよ」
エグゼクティブ887が
「リスクは何にでもある。要するにプラスがリスクより上回れば良いだけだ」
こうして、収天螺王、ヘオスポロス、シンイラが戦争シェアリングに介入した。
◇◇◇◇◇
ディーエ時空連合に強大な力を持つ超越存在達や組織達が宣戦布告した。
それから一週間後、各勢力が顔合わせをするパーティー会場で、ティリオ達が来た。
ティリオ達若き超越存在の四人、ティリオ、ファクド、グランナ、レリス。
千華、紫苑、スラッシャー、マリアンナ、レイエル。
一莵にディジレーター達四人、ユノ、ジャンヌ、巴、奈瑞菜。
ゲヘノムヴァの大母アルバラと付き人のアムダスとイムダス。
その一団が来ると、会場が静かになり、ティリオ達を見つめる。
ティリオ達は警戒していると思っているが、この場にいる勢力全員が期待を込めてします。
なぜなら…
そこへ、収天螺王と全事顕王の二人を先頭に四人の収天螺王と全事顕王の眷属の男女二人の四人が来る。
軍服の収天螺王と、タキシードの全事顕王。
男二名は収天螺王のような軍服で、女性二名はタキシードだ。
収天螺王達がティリオ達に近づくとティリオが
「お久しぶりです。トオルさん」
収天螺王が気軽にVサインをティリオに向ける。
ファクドがティリオの肩を抱き
「知り合いなの?」
ティリオが頷き
「うん。父さんの知り合いで、何度か…色々と戦闘訓練をさせて貰っている。そして…」
収天螺王と全事顕王が連れてきた四人もティリオにグットサインや、微笑みを向ける。
ティリオも微笑みを四人に向ける。
完全に親しい感じの知り合いだ。
ファクドは額を抱える。
超越存在の中でも超武闘派と言われて、どこにも属さない勢力の収天螺王とティリオ達が、戦闘訓練を共にする程の仲だったとは…。
収天螺王が
「オレ等は、こっちの勢力で参加するから、よろしくな、ティリオ坊」
と、告げるとヴァサラス大佐達…その仲間にキュリアもいた。
グランナがキュリアを見つけて見つめると、キュリアは視線を外した。
ヴァサラス大佐がティリオに近づき
「よろしく頼むよ」
と、握手を向ける。
ティリオが「はい」と握手すると、ヴァサラス大佐が
「期待しているよ」
と、握手が強くなる。
ヴァサラス大佐は、この奈落の地獄を壊してくれるティリオ達に…願いを込めてしまう。
それをティリオが感じて
「任せてください。こんなシステム、ぶっ壊してやります」
その言葉に、会場は無言になるが…熱気を帯びる。
そこへ
「お熱い握手で…たまらんな」
と、シンイラの一同が現れる。
全員がツバ帽子に外套を装備した一団、その一団にはアマカスとリーを先頭に数人が並ぶ。
ティリオがお辞儀して「どうも…」と知っている態度だ。
それに千華が肘で小突いて
「コイツらと知り合い?」
ティリオが難しい顔をして
「ちょっと、昔…話した事があるだけさ」
アマカスの隣にいる女性のサタンヴァルデウスのリーが
「まさか、十二歳の頃に出会った。あんな小さな子がここまで成長するなんて…」
と、舌なめずりする。
アマカスが狂気のような笑みで
「是非とも…楽しませて貰うよ」
「罪人狩りの狂人共が…ふざけた事を」
と、ヘオスポロスのエピオン達も現れる。
ティリオが
「どうも。また、お会いしましたね」
エピオンが淡々と
「お前の父親にほだされた。それだけだ」
更にアズサワ達…エボリューション・インパクターが来て、アズサワが
「おやおや、注目の的同士が接見とは…花があっていいですなぁ…」
ティリオがアズサワに
「アズサワ…さん?」
アズサワが笑み
「アズサワで結構」
ティリオが
「じゃあ、アズサワさん。お願いがあります」
アズサワがさん付けされて微妙な顔をするが
「ああ…なんだね?」
ティリオが
「ボク達のぶつかり合いを仕立てて欲しいです」
アズサワがパーティー会場で貰ったカクテルを飲みながら
「ああ…構わないよ。対価は…」
ティリオが
「ボクが持っているリング・ハイパーグレートの技術を」
アズサワが飲んでいたカクテルを吹き出してしまった。
ティリオの虎の子の技術を渡すと言ってきたので、喉を詰まらせる程に驚いた。
ちょっと呼吸を整えてアズサワは
「それは、対価として高すぎる。そうだね。君達が戦う戦闘データやら諸々を我々も共有するという事で十分だ」
ティリオがお辞儀して
「じゃあ、それで…お願いします」
アズサワが
「ああ…分かったよ。直ぐに…どういう戦闘過程を辿れば良いかの表を作って送るさ」
こうして、エボリューション・インパクター達のリング設置を持って、ティリオ達が介入する戦いの場を整えられる。
パーティー会場の後、翌日にティリオ達に、どういう勢力達と戦って行けばの工程表のデータが送られた。
そして、ティリオ達が戦争シェアリングのシステムを使って、限定的戦争をその順路に従って申し込むと、その勢力達は直ぐに白旗を揚げて、ティリオ達に負けを宣言する。
それは当然の反応だ。
圧倒的な超越存在の一団であるティリオ達に戦いを挑むなど、ネズミが富士山に挑むと同じだ。
戦いにさえならない。
それと同時に、ティリオ達に…戦争シェアリングの破壊を期待しているので、直ぐに降参して、ティリオ達…超越存在のぶつかり合いを優先して欲しいという思惑もあった。
圧倒的な降参と公算による連続で、ティリオ達は最初の超越存在との戦闘が間近になる。
その初戦は…収天螺王達だった。
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次回、収天螺王達との…